慶州のおすすめコース~世界遺産紀行

そうか!10番、11番バスは慶州の山手線なのだ!

アンニョンハセヨ、K・F・Cです。慶州・釜山を楽しく旅行していたら、友人の慶州ナビに拉致されてしまいました。うまいものを食べさせてやると言われノコノコ出て行ったのが運のツキ。慶州エリアにある主要観光地を踏破する、突撃モニターをやらされる羽目になりました。さて、第1弾はレンタサイクルで市街地にある観光スポットをぐるっとまわってきました。今日は市民の足、バスを有効活用してみたいと思います。慶州エリアおすすめ観光コース第2弾。K・F・Cのリポートです。
慶州ナビからK・F・Cへの指令
「あー、K・F・C。ちょっと聞いてくれる。」
「はい? なんです?」
「今日は韓国語使っちゃダメだから。」
「は?」
「今日は韓国語を一切使わないで、観光する人の気持ちで回ってみよう。」
「げ、マジっすか?」
「マジっす。」

という訳でK・F・C。今日は韓国語が使えないことになりました。体験リポートなので当然といえば当然のことかもしれませんが、韓国語を使ったらペナルティというなんとも厳しい条件設定です。

本日の観光ルート説明
慶州ナビから本日の観光ルートについて説明がありました。なんでも観光客がもっとも多く利用する10番、11番バスというのがあるとのこと。今日はその便利な10番、11番バスに乗って観光地を回ってきます。メインになるのは仏国寺(プルグッサ)と石窟庵(ソックラム)。両方とも世界遺産に指定されている有名な寺院です。
この10番、11番バスは市外バスターミナルを出て仏国寺まで行き、また市外バスターミナルに帰ってくるという循環バス。10番と11番の違いは右回りか左回りかの違いだけで、ちょうどJR山手線の内回り外回りのような関係です。なるほど。これなら次は何番のバスに乗り換えて……と悩む必要もないですね。うん、わかりやすくて2重丸。


12:00 市外バスターミナルにてスタート
市外バスターミナルからスタート。まず始めにすることは、市外バスターミナルと高速バスターミナルの間にある観光案内所に行くことでした。観光案内所で日本語の観光ガイドをもらいます。
えーと、韓国語は使っちゃいけないんだよな。
「すいませーん。観光ガイドください。」
「はい、どーぞ。」
あ、きれいな日本語だ。そうだよな。観光案内所なんだから日本語通じるんだ。ということで観光ガイドをゲットです。
12:10 バス停到着
10番バスでも11番バスでも仏国寺まで行けますが、今日は11番バスのほうを選択しました。バスの乗り場は市外バスターミナルを出て横断歩道を渡った先。くわしくはコチラをごらんください。
バスの停留所には漢字で仏国寺まで行くことが記されていました。
12:15 11番バスに乗車
さあてここからが正念場。バスに乗るときはまず運転手さんに自分の降りたい場所を伝える必要があります。なにしろここは右も左もわからない観光地。頼りの慶州ナビは「自力で降りられなくても、そのままほっといてついていくからね」とハナから助ける気はありません。
ここで先ほどもらったガイドブックが大活躍します。バスに乗ったら地図をばらばらっと開いて運転手さんに見せ、仏国寺を指差して「OK?」。運転手さんにっこりと笑って「OK、OK」。どうですか。韓国語が使えなくても見事に英会話にて意志疎通がはかれました。K・F・C、英語だってカンペキです。バスの中では運転手さんのすぐ後ろに座りましょう。これでいつ到着しても大丈夫。必ず降ろしてもらえます。ちなみにバスは座席バスで料金1050ウォンでした。
しばらく行くとバスの窓から昨日行った国立慶州博物館が見えました。便利な11番バスは博物館に行くときにも使えます。と思っていたら運転手さんが親切にも「あそこが博物館だ。博物館にもぜひ行きなさい」と教えてくれました。なるほど。なるほど。と頷いていたら、その横で慶州ナビが一言。
「韓国語使ったからペナルティね。ダメだよ、わからないフリしなきゃ。」
そ、そんなあ。運転手さんの好意を無駄に出来ないじゃん。それもしゃべったんじゃなくてウンウンってうなずいてただけじゃん。どうしろっていうのさ。とほほ。

12:50 仏国寺到着(仏国寺観光)
仏国寺に到着。仏国寺は新羅の時代に創建されたお寺です。ここには全部で6つの国宝が置かれ、また史跡・名勝第1号、世界遺産にも認定されています。
「えーと、今12時50分だよね。ここでの観光時間は50分。1時40分にここから石窟庵行きのシャトルバスが出るから、それまでには必ず戻ってこよう。」
「えっ? 50分しかいられないの?」
せっかくの世界遺産を見に来て時間制限が50分とは厳しい。そう石窟庵行きのシャトルバスは毎時40分出発。1時40分のバスを逃すと、次のバスは2時40分までないのです。
「じゃ、じゃあ急ぎましょう。」
3000ウォンを出してチケットを買いました。さすが世界遺産に指定されているだけあって他の史跡よりも高めです。中は修学旅行で来た小学生でいっぱいでした。国宝に指定されている青雲橋・白雲橋、蓮華橋・七宝橋の前で写真を撮っていると、小学生たちが興味深げに近寄ってきました。
「おおっ、ガイジンだ。ガイジンだ。」
「うん? ガイジンだけど韓国語話せるんだぞ。」
「うわっ。韓国語だ。えーと、韓国語上手ですね。」
「はっはっは。」
「韓国語どこで勉強したんですか?」
「ソウルで勉強したんだよ。君らはどこから来たの? ソウル?」
「大邱(テグ)から来ました。大邱○○小学校6年生です!」
おお、けっこうきちんと挨拶出来るじゃないか。せっかくなので小学生と記念撮影などしてみました。うーん、みんないい笑顔しています。
「K・F・C、また韓国語使ったから2ペナルティね。」
がーん。そうだった……。
こどもたちと遊んでいて仏国寺をまともに観光する時間がなくなってしまいました。とりあえず国宝に指定されている2つの塔(多宝塔、釈迦塔)と本尊のまつられている大雄殿だけを見ました。記念写真も撮ろうと思ったのですが、なにしろ人が多い多い。そんなスキマはありません。
13:40 シャトルバス乗車
慌てて仏国寺の駐車場まで戻ります。13時40分のバスにギリギリで間に合いました。このバスは仏国寺と石窟庵の往復だけなので、言葉を話す必要は一切ありません。ペナルティをくらわないように今度は後ろのほうの座席に陣取ります。シャトルバスの料金は普通の座席バスと同じく1050ウォンです。
14:00 石窟庵到着(石窟庵観光)
石窟庵に着きました。石窟庵は8世紀に作られた石窟寺院。切り出した石をドーム型に組み合わせた石窟の中に巨大な石仏が置かれています。植民地時代に行われた修復工事の失敗により、現在は保存が難しい状態になっています。石窟の中に入ることは禁じられており、観覧もガラス越しになります。チケットは3000ウォン。駐車場から石窟まで、約1kmの道をのんびりと歩いていきます。
ちなみに石窟庵の中は撮影禁止。仕方ないので入る直前の写真を撮りました。よっ!
石窟庵のもうひとつの名物は景色です。駐車場のところまで戻ると東西に絶景が広がっていました。思わず双眼鏡に貼りついて眺めます。うーん、きれいだ。
15:00 石窟庵出発
時間通りにバスが出発します。乗り遅れずにきちんと乗り込めました。料金は帰りも同じく1050ウォンです。

15:20 仏国寺駐車場着(バス乗り換え)
石窟庵からのバスは仏国寺までしか行きません。ここで次のバスに乗り換えです。乗らなければならないバスは、先ほどと同じく11番。このバス停にはたくさんの人が待っています。

15:30 バス乗車
10分待ってバス到着。待っていたみんながダダダダッと乗降口に駆け寄ります。えーと、次の目的地は慶州民俗工芸村(キョンジュミンソッコンイェチョン)。ここでも地図を広げて運転手さんに降りたい場所のアピールです。民俗工芸村を指差してココっ! すかさず外国人であることを察した運転手さんが地図をのぞき込みます。民俗工芸村を確認して、ジェスチャーで中に乗り込むように指示。韓国語会話なしでもバッチリ伝わりました。
バスの中は大混雑でした。押し合いへしあいしながら立っていると、目の前に座っていた女の子が親切にカバンを持ってくれようとしました。で、このとき反射的に口をついて出た言葉が……。
「ケンチャンスムニダ(大丈夫です)」
つい韓国語で遠慮しちゃったんです。外国人だと思って親切にしてくれた女の子は韓国語にびっくり。あちゃー、申し訳ないことをしました。そしてこの失態を慶州ナビが見逃すはずもなく……。K・F・C、3ペナルティです。
15:40 慶州民俗工芸村到着(慶州民俗工芸村観光)
慶州民俗工芸村に到着です。ばんざーい。ばんざーい。ってそんなに喜ぶ理由は特にないんですけどね。ここ民俗工芸村は新羅時代の芸術作品を忠実に再現する職人さんたちの集まり住む村です。黄金の冠、土器、木工など数々の品を展示販売しています。
金冠の工房を見学しました。ここでは金の冠と民俗衣装を着て記念撮影をすることが出来ます。これは見逃すわけにはいきません。さっそく民俗衣装に着替えてパチリ。うーん、気分は新羅の王様。どことなく気品が感じられますよね。うんうん。
木工芸の工房前にはチャンスン(村の守り神)が立てられていました。なかなか個性的な顔をしています。K・F・Cも負けてはいられません。ってあんたそれはバチ当たりやろ。
土器を作る工房では博物館で見かけた騎馬人形像を発見しました。うーん、これはなかなかいい仕事をしていますねえ……。
その後、慶州民俗工芸村の敷地内にある新羅歴史博物館にも立ち寄りました。ここでは瞻星台(チョムソンデ)や石窟庵の模型展示が見られます。ガラスの外からは見ることの出来ない内部の彫像などを知るよい機会になるでしょう。石窟庵に行った後に慶州民俗工芸村というコースはおすすめ出来ます。
16:40 慶州民俗工芸村出発
1時間たっぷり楽しんで慶州民俗工芸村を後にしました。この後、時間があれば芬皇寺(プヌァンサ)という三層石塔があるお寺も訪ねる予定でしたが、残念ながらここでタイムオーバー。終了としました。再度11番バスに乗って市外バスターミナルまで戻ります。

17:20 市外バスターミナル到着(終了)
夕方17時20分市外バスターミナル到着です。12時にスタートして5時間20分。けっこう時間がかかったわりには仏国寺、石窟庵、慶州民俗工芸村の3ヶ所しか回れませんでした。バス移動そのものは便利だったのですが、バスを待つ時間が少しずつ影響したように思います。ちなみに今日乗ったバスは全部で5本。交通費は全部で5250ウォンでした。バスを有効活用することでだいぶ旅行資金を節約出来ると思います。

バス観光を終えてやっと食事タイム。そこで慶州ナビが一言。
「3ペナルティだったから今日の夕食はサンパプね。」
「ええっ、昨日もサンパプだったじゃない。」
「そりゃあ仕方ないでしょう。ノーペナルティだったら韓定食。1ペナルティだったら牛カルビ。2ペナルティだったらプルコギだったんだよね。3ペナルティ以下はサンパプ。かわいそうだから店は変えてあげよう。」
「…………。」
慶州ナビの魂胆は見え透いていました。ペナルティがいくつかなんて口からのでまかせに違いありません。慶州ナビはサンパプ屋の取材をどこにするか、下見がしたかっただけです。慶州ナビとしてうまいサンパプ屋をみつけたいだけ。K・F・Cは利用されました。2夜連続のサンパプ。とってもおいしかったですっ!
慶州エリアおすすめ観光コース第2弾。バスを有効活用してみました。バスの運転手さんには親切な方が多く、言葉が出来なくても問題がないことをきちんと検証出来ました。慶州旅行の際はぜひともバスを使ってみてください。さて、第3弾は慶州旅行に付け加えるオプショナルツアーのイメージです。慶州を離れて海のほうまで出かけてみました。お楽しみに。以上、K・F・Cでした。
関連タグ:八田靖史

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-11-22

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