塩崎潤のマイカーに乗って韓国へ・第2回【準備編】

第2回【準備編】

アンニョンハセヨ!
韓国のドライブの楽しみをお伝えしています、塩崎(しおさき)です。
前回は、韓国ドライブについて、大まかにその概要をお話ししましたが、今回は「じゃあ、具体的にどうやったら車を韓国に持っていけるのか」を説明します。自分の車で韓国に行ってドライブするには、3つのルートがあるのですが、その中でも今回は、毎日運行でとっても便利な「下関⇔釜山」の関釜フェリーを例にとって、解説していきます。
塩崎潤のマイカーに乗って韓国へ・第2回【準備編】 ▲釜関フェリーのはまゆう

▲釜関フェリーのはまゆう

さて、前回のお話で、車を韓国に持っていくには、
1)国際カーフェリーのチケットを購入する
2)登録証書を陸運局で入手する
3)国際運転免許証をとる
4)車検証、印鑑、日本の運転免許証を用意しておく
の4つを用意すれば言いということをお話ししました。まずは、これらの具体的な準備の方法から・・・。

1)国際カーフェリーのチケットを購入する

まずは、旅行のチケット。これがないと始まりません。ただし、同じ海外に行くといっても、飛行機とフェリーでは、感覚がまるで違います。
というのも、飛行機の場合、格安航空券から正規チケットまで、それはそれはたくさんの種類のチケットが、それこそ無数の代理店やチケットショップ、インターネットでピンからキリまでの値段で出回っています。
しかし、フェリーの場合は、そこまで競争が熾烈でないというか、格安フェリー券というものは、ほとんど出回っていません。まして、国際カーフェリーとなると、もう、あっちでいくら、こっちでいくら、というレベルではなく、そもそも「飛行機はやってますが、フェリーのチケットはやってないんですよ・・・」などと、取り扱っていないところもあるくらい。
そういうわけで、価格も一律。どこで買ったら最安値、ということはありません(厳密には、手配の手数料が代理店によっても違うので、多少の誤差はありすが、飛行機のような大きな違いはありません)。
また、車を韓国に持っていってドライブする場合、そのカーフェリーチケットは必ず往復セットで購入しなければなりません。なぜなら、片道だと、車を韓国に置いてくるかもしれない、と思われるからです。 そうなると、「海外ドライブ旅行」ではなく、れっきとした「車の輸出」になってしまい、全然違う手続きと費用が発生してしまいます。もちろん、このページをごらんの皆さんは、まさか自分の車を韓国に置いてくるってことは、ないと思いますが!
その代わりといっては何ですが、チケットはFIXではなく、オープンで購入することはできます。車で韓国に行く場合、ノービザで最大30日間の韓国滞在が可能(2005年9月末までなら90日間)なので、その期間内で、帰国する日は韓国に行った後で、自由に決めることもできます。
さて、チケットの入手方法ですが、ターミナルの近くにお住まいの方は、そのままターミナルでチケットの購入が可能です。しかし、ほとんどの方は、ターミナルから遠いところにお住まいだと思います。そんなときには、最寄の旅行代理店にて、チケットを購入することになりますが、先述の通り、取り扱っていないところもあるので、注意が必要です。たとえば、以下のような感じです。
●取り扱い可能な代理店・・・日本旅行、JTB、近畿日本ツーリストなど
●取り扱い不可能な代理店・・・HIS

土日や夜に旅行代理店に行った場合には、旅行代理店からフェリー会社への空席確認がとれないことがあります。そのため、その場でチケットが取れず、もう一度足を運ばなければならないこともありますので、取り扱いの有無も含めて、事前に電話やメールでお近くの旅行代理店へ確認されることをお勧めします。
また、取り扱い可能な旅行代理店でも、めったにこのチケットについては取り扱ったことがないようで、多少時間がかかったりすることもあります。それくらい、知られてないってことですね。
さて、旅行代理店が見つかったら、チケットの予約に行きましょう。普通の旅行なら、日程を決めて、お金を持っていけばOKですが、車で海外に行く場合、ちょっとだけやることが増えます。旅行の日程、人数を決めておくのはもちろんですが、さらにパスポートと乗っていく車の車検証を持参しましょう。
旅行代理店にわざわざ車検証を持っていくのは、車の大きさによってもフェリーの価格が変わるので、車長の確認と、車の車種やナンバーなどの情報が必要になるからです。そうそうもちろん、お金も忘れずに!下関⇔釜山フェリーの場合、普通車1台(普通車、全長5メートル未満)と運転手2等客室の往復で6万円です。日本で東京から九州まで車を運んでも、片道3万じゃ行けませんから、そう考えたらお隣とはいえ、海外に運んで6万だったら、お得ともいえる???

2)登録証書を陸運局で入手する

登録証書とは、聞きなれない言葉ですが、日本から車を一時的に海外に持ち出すときに必要な書類です。これがないと、なんと!あなたの車は「旅行」ではなく、「輸出」ということになってしまうのです!だからこれは大事です。
といっても、入手するのはそんなに難しくありません。あなたの車の管轄の陸運局(たとえば、品川ナンバーだったら東京陸運支局ですね)へ行って、
・パスポート
・はんこ
・車検証
・旅行予定書
を提出すればOKです。この中で気になるのが、「旅行予定書」。これは、『いついつからいついつまで、車でどこどこに行ってきます』といった旅行の計画書のようなものです。特に書式はなく、自由に記載してOKです。これら書類を用意すれば、自動的に「登録証書」を発行してもらえます。しかし、その場で即日発行というわけではないので、あらかじめ余裕を持って、入手しておくのが正解です。

3)国際運転免許証をとる

フェリーチケットを入手したら、次は国際運転免許証です。国外運転免許証とも言います。 日本の運転免許証では、韓国で運転できません。

韓国で運転をするには「国際転免許証」を取得する必要があります。堅苦しい名前ですが、入手はいたって簡単。各都道府県にある「運転免許センター」(免許の更新で行くところです)で即日入手可能です。また、地域によっては、警察署で申請することができる場合もあります。
必要書類等
○申請用写真1枚 ( ・タテ5.0cm×ヨコ4.0cm  ・申請前6か月以内に撮影  ・無帽、正面、上三分身、無背景 )
○外国に渡航することを証明する書類 (パスポート、パスポート申請受理書、船員手帳等)
○国外運転免許証交付申請書(申請用紙は免許センターにあるので、その場で記入)
○手数料  2,650円
この、国際運転免許証は、韓国では常に携帯しましょう。運転しているときもそうでないときも、です。これは、絶対になくしてはいけない、超重要書類なのです!また、国際運転免許証の有効期限は発行から1年です。すでに持っているという方も、今一度期限の確認を!

4)車検証、印鑑、日本の運転免許証を用意しておく

チケットも取って、国際免許もとったら、あとはもう当日を待つのみ。ただし、当日、車検証と印鑑、それに日本の運転免許証が必要になります。日本の免許は当然携帯していると思いますが、車検証が車にちゃんとあるかはしっかり確認しておきましょう。印鑑は、三文判でOKです。

――――これで事前準備はOK!あとは、高鳴る気持ちを抑えながら当日を待ちます!そして出発当日は、これらを忘れずに携帯して、ターミナルへGO!―――

フェリーターミナルにて

下関⇔釜山フェリーの場合、当日は15時までに、ターミナルに入らなくてはなりませんので、遅れないようにしましょう。ターミナルに着いたら、誘導員のおじさんの指示に従って車をとめます。そして、
パスポート、チケット、車検証、はんこ、日本の免許、国際免許、現金
を持って、2Fの受付カウンターへ行きます。ターミナルに一歩足を踏み入れれば、ハングル文字が目に飛び込んできます。そう、ここはもう半分韓国なんですね!
あとは、受付カウンターに行って、お姉さんに「今日車で韓国に行く○○です」と言えば、具体的な手続きは、すべてやってくれます。その際、乗船申込書と車両航送申込書など、いくつかこちら側で記入する書類がありますが、それもお姉さんが、丁寧に教えてくれるので心配無用です。「印鑑」が必要というのも、実はここで書類に押印するところがあるからだったんですね。
あとは、ターミナル使用料(600円/人)や車の通関手数料(6000円)を支払います。そうして手続きが終われば、無事乗船チケットや各種書類をもらえます。たくさんあるので、ファイルなどに一まとめにしておくといいでしょう。
そのほうが韓国上陸時も楽です。また、これら書類の一部は、「明日釜山(プサン)に着く前までに、記入しておいてください」といわれるものもありますので、忘れないうちに、ここで必要事項を記載しておきましょう。そこまでやれば、ここでいったん手続きは終了です。次は、17時半からの2Fで出国審査、それまでは自由時間です。腹ごしらえや日本での最後の買出しなどで、思い思いに過ごします。。
そして、17:30になったらいよいよ出国審査です。2Fへ車で移動します。審査場には、税関の係員がいて、出国の目的(観光といいましょう)や期間などを聞かれ、車内の荷物のチェックがあります。
車の審査が終わったら、次は自分。パスポートに出国のスタンプを押してもらいます。NARITAではなく、KANMONというスタンプが新鮮!その次はいよいよ、乗船です。
自分で運転して、フェリーに乗り込みます。いよいよ車とともに国境を越えるんだなあ、と思うと感慨もひとしお!ゆっくりゆっくり、誘導員の指示に従いながら、フェリーに乗り込みます。韓国に行く乗用車はこの日は1台。活魚を運ぶトラック、精密機械を運ぶトラック・・・など、トラックはいっぱいです。
さて、フェリーに乗船したら、必要な荷物だけを取り出して、客室へ。今夜はフェリーで一夜をあかします。レストランで、早速韓国料理に舌鼓を打つもよし、海を見ながらお風呂に浸かるもよし、フェリーライフを満喫しましょう。なお、韓国ドライブについては、私のホームページ( http://e-driving.info )でも紹介しています。よかったらそちらも見てくださいね!また、ご質問やご相談などあれば、どしどしメール( mail@e-driving.info )下さい。
次号は、いよいよ韓国に上陸。韓国入国編です。お楽しみに!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-07-13

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