第11回釜山国際映画祭/部門別注目作品

全307作品の中から部門別に注目作品をチョイス!釜山入りする前に事前に映画をチェックしちゃおう~!

アンニョンハセヨ、プサンナビです。10月12日から9日間の日程で開催される第11回釜山国際映画祭!去る9月12日に毎年気になる開閉幕作品など映画祭の詳細が発表され、映画祭の時期に釜山を訪れようと計画されている方は、どんな映画を見ようか?どんなイベントに参加しようか?などといろんな計画を立てていられるのではないでしょうか?すでに先行発売された開閉幕作品のチケットをゲットした~なんて方もいられることでしょう。ということで今日は来週の9 月26日から発売される映画祭中の一般作品のチケット獲得に向けて、どんな映画を見よう??と悩んでいらっしゃる方のために、出品作品307作品をわかりやすく、部門別に分けながら、注目作品をご紹介していきたいと思います。

10つの部門から
上映作品は世界62カ国から出品された307作品。その中から釜山国際映画祭で初お披露目される映画は84作品と、去年の倍近くに増えました。その各作品が今年も10の部門に分けられています。

A window of Asian cinema
第 11回目を迎える今年のアジア映画は14カ国から39本の映画を紹介。今年は低予算独立映画として出発した作品の活躍が目立つ中、国際的知名度を持った巨匠と言われる監督の活躍も著しい年となりました。また社会問題や歴史問題を扱った作品は例年に比べて減りましたが、天安門事件時の激情の生を表した「Summer Palace」(中国)やイランの麻薬問題を正面から扱った「Mainline」(イラン)なども注目。その他、エントリー作品もロードムービーや恋愛ムービー、そして家族愛など、さまざまアジアの作品を見ることができます。また、日本からは女優桃井かおりが初監督の作品「無花果の顔(FACES OF A FIG TREE)」や、塚本晋也監督、松田龍平主演の「悪夢探偵(Nightmare Detective)」などがお目見え。
「Summer Palaces」

監督: Ye Lou(中国)
内容:2006 年カンヌ映画祭競争部門、PPPプロジェクト釜山賞受賞作品。故郷の親と恋人の元を去り、北京へ勉強しにやって来たユフンは、大学で自由を知り、同級生のチュウェイと激しい愛に陥る。しかし北京の大学生がデモクラシーと自由を要求しデモを起こし始めるころ問題が起き・・・。1989年の中国、政治的に激変した時代を背景に、若い恋人たちの濃密で複雑な愛憎関係を描いた作品で、天安門事件を背景にしたため中国国内で上映が禁止された作品。

New Currents
今年のこの部門の招待作品は、「愛と青春」を主題にした作品が多く、テーマは同性愛、恋愛、家族、戦争、などテーマはさまざま。注目作品は、 ベトナム戦争の渦中での家族間の愛ですべての苦難を乗り越える作品「The White Silk Dress」(ベトナム)や、韓国からエントリーしている「Driving with My Wifes Lover」(韓国)など、10作品を招待。
「Driving with My Wifes Lover」

監督: キム・テシク
内容:江原道に住む夫テハンは妻の不倫現場を目撃するべく、妻の恋人が住んでいるソウルに向かう。テハンは妻の恋人であるタクシー運転手チュンシクのタクシーを拾い、長距離の目的地を告げ、妻の恋人とのドライブが始まる。テハンとチュンシクはタクシーの中で時にはぎこちない雰囲気に包まれたり、奇妙な神経戦をしたり・・・。 すぐれた視覚的表現が魅惑的な作品。

Korea Panorama
今年からKorea Panoramaは、「Panorama」、「Vision」、「Special Premiere」の3部門に分けられて紹介される。Panoramaセクションは、公開から話題となり、日本でも公開されるホ・ジュノ監督の「The Host(グエムル)」や、昨年の話題作「King and the Crown(王の男)」、チョ・インソン主演で話題になった「A Dirty Canival(卑怯な街)」など11作品。そして、Visionセクションでは低予算、あるいは独立的に製作された7作品。3つめのSpecial Premiereセクションでは3つの作品が登場し、その中の一つ、イム・サムス監督の「The PresidentS Last Bang original version(そのとき、あの人々)」は国内上映時に一部場面がカットされ、今回完全なノーカットバージョンで初公開。
「King and the Crown」

監督: イ・ジュンイク(韓国)
内容:今年上半期の最高興行成績を収めた作品がこちら。朝鮮時代、地方の芸人長生は最高の仲間と同時に恋人みたいな友達ゴンギルが両班たちの遊び道具になることに耐えることができず、彼と一緒にその町をでる。新しい街に来て、新しい連中と王を皮肉った遊びをした長生と仲間は宮廷芸をする幸運を享受。しかし精神が不安定な王と権力暗闘に躍起になった重臣たちの間で長生たちは揺れ動く・・・。韓国的なパフォーマンスアートの力や哀しいロマンス、暗示された同性愛などが描かれた作品。

Korean Cinema Retorpspecitive
今年は韓国映像資料院と共同主催で開かれる「Korean Cinema Retorpspecitive」は、"発掘"がテーマ。日本統治時期の間に製作された映画は全部で171本あり、現在まで残っている映画は4本だけ。3年間の調査の結果、7本の映画を見つけ出すことに成功。目で直接確認できる日本統治時期の映画は想像を越えた映画的完成度と挑発的な世界観を見せてくれます。

World Cinema
今年の「World Cinema」は、創意性と明確的なメッセージが引き立つ完成度高い作品を選定。中でも注目は今年、全世界映画ファンの目を引いた、ベルリン映画祭監督賞受賞のマイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス監督の「The Raod To Guantanamo」や、マノエル・デ・オリヴェイラ監督の「Belle Toujours」、デンマーク俳優トーマス・ヴィラム・ジェンセンが監督したブラックコメディ 「Clash of Egos」などの作品。今年は特に東欧圏の作品が多数紹介されるのも注目。
「Crossing The Line」

監督: Daniel Gordon(イギリス)
内容:1962 年、韓国の平和を守るように派遣された一人の米軍の兵士が特別な旅行を敢行。部隊を捨て、地球上最悪の武装地帯を横切り、反対側の敵の国、共産主義国家北朝鮮へ亡命。その後アメリカ政府はアメリカ兵士亡命者の存在の認めず、境界を渡った兵士はこちらの世界では完全に消えてしまうが、北朝鮮では彼は人気スターになる。悪役としてアメリカ人で映画に出演したり、アメリカに対する憎悪と国家のリーダーに対する忠誠を宣伝して回り・・・。北朝鮮に残った最後のアメリカ人亡命者の話が史上初めて公開される。

Wide Angle
短編、アニメーション、ドキュメンタリー、実験映画などの部門。さまざまな作品がエントリーされる中、アジアではアニメーション映画誕生100周年を記念し、日本のイメージフォーラムが製作した短編アニメーションを紹介。また2005年の釜山国際映画祭で東西アジアファンド受賞をしたドゥーハイビン監督の「Stopne Mountain」(中国・韓国)も注目。アメリカやヨーロッパからエントリーされた作品では、国外に移住した韓国人の生を見つめた3編のドキュメンタリー「Blood Type(ロシア)」や、オランダに養子に出された韓国人青年が自分の祖国を探す話の「Made In Korea:A One-Way-Ticket Seoul-Amsterdam?(オランダ)」、政治的イデオロギーと個人の国家へのアイデンティティを取り扱った「Motherland(アメリカ)」も注目。
「Motherland」

監督: キム・テシル(北朝鮮で生まれた後アメリカへ)
内容:忘れられた韓国人の声に注目したドキュメンタリー。韓国の血が流れる2人の女性が自分たちの話を語る。1人はキューバ人、もう1人はアメリカ人。冷戦以後の彼らの経験や社会主義、アイデンティティ、移民などについて話し出す・・・。

Open Cinema
海雲台のビーチの潮風を浴びながら見る映画のオープンシネマ。今年は、5カ国から7作品のエントリー。注目は「69」や「スクラップ・ヘブン」などの李相日監督の「Hula Girls(フラガール)」。
「Paris, je t`aime」

監督: Gurinder Chadha, Tom Tykwer, Oliver Assayas, Walter SALLES, Daniela Thomas, Juel COEN, Nobuhiro Suwa, Sylvain Chomet, Alfonso Cuaron, Richard Lagravenese, Frederic Auburtin, Gus VANSANT, Bruno Podalydes, Christopher Doyle, Ethan Coen, Oliver Schmitz, Vinsenzo Natali, Wes Craven, Gerard Depardieu, Alexandre Payne, Isabel Coixet
内容:コーエン兄弟の監督など有名な監督がずらりと顔をそろえた映画。その監督に与えられた条件とは、「パリ市内で5分間の恋愛物語を作る!」こと。フランスはパリ市内約20箇所で繰り広げられる恋物語のオムニバス映画。 現代パリの日常と主人公たちの様々な愛を監督たち各自の個性とナタリー・ポートマンなど世界的に知られた俳優たちの競演。

Critics Choice
今年で5回目を迎えるCritics Choiseは、例年より2作品ほど増えた全12本がエントリー。 新しいシネマアーティストたちを掘り出す、という目的のセクションで、さまざまな国、さまざまな監督の長編映画を集めた部門。2006年のカンヌ映画祭でカメラドールを受賞した「12:08 East Of Bucharest」や、南米パラグアイの 35mm 長編映画では 1970年代以来最初に作られたという「Paraguayan Hammock」など、普通ではない作品が観客を魅了するかも。
「12:08 East Of Bucharest」

監督: Comeliu PORUMBOIU(ルーマニア)
内容:2006 年カンヌ映画祭でカメラドールを受賞した作品。1989年、ルーマニアをはじめ世界中の人々が独裁者チャウシェスクが人民革命によって政権を退くことを生放送で目撃。16年後、三人の有名の男がテレビのシンポジウムに出演、この歴史的瞬間に対する記憶を話し出すが・・・。歴史的事件に対する記憶を通じて、記憶の流動性と真実性を探求するブラックコメディ。

Midnight Passion
2004年に実験的に深夜上映され、2006年に再登場の部門。2004年の映画祭では他のセクションに招請された作品の中で娯楽性や認知度が高い映画を選定して上映されたが、今回から新しく生まれかわり、12ヶ国から 13本の新作だけがエントリー。特定の主題を置かない多様なジャンルの作品を準備。Richard Berryの「The Black Box」のスリラーからMichael J. Bassett監督の「Wilderness」は映画が終わるその瞬間まで緊張の糸を緩めることができない、伝統的なスラッシャームービー。

Special Programs in Focus
今年の特別展は現在も活発に活動しているフランス作家の映画をさまざま紹介。
いかがでしたか?是非見たかったぁ~という作品がある人も!この俳優のファンだからもしかして映画祭にくるかも~!なんていう期待からでも、お気に入りの映画を見つけて、映画祭までにはチケットを確実に入手しておきましょう~。普段は見たくても見られないレアな作品や世界各国の多様な作品を自分の目で見るチャンスです!以上、プサンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-09-20

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