プサンナビが見た第9回釜山国際映画祭

第9回釜山国際映画祭を振り返って

アンニョンハセヨ、プサンナビです。10月7日から開催されていた第9回釜山国際映画祭も先週の金曜日で閉幕。開幕作品から高い注目を集めて始まった今回の映画祭は、歴代最大規模の63カ国262作品の映画が上映され、映画祭を訪れた観客が 166.000人、座席占有率が84.8%と大成功に幕を閉じました。もちろん、ナビも前夜祭から最後のフィナーレを飾った閉幕式まで映画祭を密着取材。国内外からのゲストから映画ファンで賑わった熱い9日間を振り返って見ましょう。
開催記念前夜パーティー
まずは釜山国際映像博覧会(BIFCOM)と釜山プロモーションプラン(PPP)が共同で開催した、映画祭の開催記念パーティーが、10月6日、パラダイスホテルの中庭にて行われました。関係者やゲストが国の内外から集まり、華やかな雰囲気で行われたこちらのパーティー。日本からのゲストも多く、会場のそこここで日本語が飛び交っていました。映画監督のイ・ジャンホや俳優のミョン・ゲナムの姿も…。この日が事実上映画祭のスタートとなりました。
開幕作品「2046」記者会見
開幕式に先駆けて、開幕作品の上映と開幕作品の記者会見がプレス用で行われ、ナビも早速、プレスカードを振りかざしながら会場の海雲台スポンジへ向かいました。「2046」の上映が終わると、ウォン・カーウェイ監督とトニー・レオンの大物登場。さすがはアジアの巨匠とスターというだけあり、貫禄とオーラが違いましたよ。ナビはというと、ミーハー魂爆発で、トニー・レオンの笑顔にウットリ♪44才とは思えない童顔にやられてしまいましたぁ~。
開幕式
アジアの巨匠ウォン・カーウェイ監督の作品「2046」が開幕作品として注目が集まり、開幕式のチケットが発売4分後に売り切れてしまうという前代未聞のチケッティングで始まった映画祭。今年は国内観客だけでなく、日本から駆けつけた映画ファンもたくさんいたんだそうです。そして、映画祭の花を飾るのがやはり赤い絨毯の上を颯爽と歩く芸能人たち。ナビもかなり仕事を忘れてしまうほどの興奮状態でキラキラ光る芸能人たち拝みました。いやー本当に皆さん細い!その一言しか出てきませんでしたよ。
開幕式のホストを務めたのが、韓国の国民的映画俳優のイ・ヨンエとアン・ソンギ。開幕作品の紹介や挨拶、そして花火が大きく打ち上げられ、開幕式のムードも最高潮に!!
トニー・レオン&イ・ヨンエオープントーク
トニー・レオンとイ・ヨンエというアジアの大スターがカップリングしてオープントークを行う非常に贅沢なイベント。会場となったパラダイスホテルの中庭には、スタートの1時間以上前から観衆が集まり、2人が登場したときは興奮の渦。トニー・レオンは『2046』のイメージとは打って変わって、緑のインナーに青いジャージ姿のカジュアルスタイル。イ・ヨンエもミッキーマウスのTシャツで可愛さアピール。いくつになっても年を感じさせない2人のスターに脱帽です。
南浦洞PIFF広場「2046」舞台挨拶
PIFF広場についてみるとあまりの観客の多さに圧倒されてしまい、残念ながらベストポジションでの写真を取ることが出来ませんでした。それでも、青いジャージをサラッと着こなすトニー・レオンとウォン・カーウェイの横顔ショットはゲット!!最後にウォン・カーウェイが観客に「カムサハムニダー(ありがとうございます。)」と韓国語で挨拶するとそこにいた人たちからは、大きな声援が!!
「アバウト・ラブ、関於愛」インタビュー
プサンナビ初となった映画俳優と監督の独占インタビューは、日中台合作の映画「アバウト・ラブ、関於愛」。独占インタビューに相応しくインタビュー場所は、マリオットホテルのスウィート。インタビューをさせて頂いたのは、台湾のキムタクと称される若手期待のチェン・ボーリンさん、日本からはCM、映画などで活躍する演技派若手俳優の加瀬亮さん、そして台北編、上海編の監督を務めたイー・ツーイェン、チャン・イーバイ監督とアジア映画を支える方々。行く前からかなりの緊張でお腹が痛くなるほどだったナビですが、皆さんとても優しく質問に答えてくださって、夢のような時間を過ごすことが出来ました。
閉幕式
釜山を大いに盛り上げた映画祭もこの日でついに終わり。開幕式ほどではありませんが、映画監督や俳優の方もゲストで多く参席していました。そしてこの日の超大物ゲストは、あのハン・ソッキュ。韓国映画を日本に印象付けた名作『シュリ』の主人公となった俳優です。閉幕作品『朱紅文字』の共演者、イ・ウンジュやソン・ユナと一緒に華やかに登場です。
ゲストの入場が終わると閉幕式の始まり。ホストには『JSA/共同警備区域』の主人公の一人、キム・テウと『嫉妬は私の力』のぺ・ジョンオッ。さまざま賞の授賞が行われました。その中でも開催期間中、もっとも観客を沸かせた作品に送られるPSB観客賞は関口元監督の『SURVIVE STYLE5+』に贈られました。またアジアの有能な新人監督を発掘してきた、釜山国際映画祭ならではの最優秀アジア新人作家賞には、『ヨジャ・ジョンア(ジョンアという女)』を出品したイ・ユンギ監督が受賞。2年前はキタノ監督の映画を見に釜山に来た自分が、まさかこの舞台に立つことになるとは思わなかったとのコメントが印象的でした。
授賞式が終わると恒例の花火の後に閉幕式の上映。ハン・ソッキュの久しぶりの主演作だけに、ボリュームのある映画という印象でしたが、映画の内容云々よりもとにかく寒い。巨大スクリーンで話題作が見られるのはいいのですが、海から吹き付ける風が容赦なく、映画に集中できないほど寒いのが欠点。来年はホッカイロを背中とお腹にしこんでリベンジしようと思うナビでした。
映画祭中のPIFF広場
海雲台と2大会場になった南浦洞のPIFF広場は、今年も映画ファンで賑わっていました。映画のパンフレットやポスターが配られたり、テレビの撮影が行われたり、毎年恒例の光景が見られましたよ。
映画館での舞台挨拶編
10月11日・大淵シネマ「R―Point」
ベトナム戦争を背景にした、恐怖映画の話題作。この日はコン・スチャン監督。日本でも上映された『カル』の脚本を担当したことでも知られています。ただ、監督自身はこのジャンルは本当は好きではないのだとか。
10月12日・釜山劇場「サマリア」ベルリン映画祭監督賞受賞作作品。監督のキム・キドク監督、2大主演のクァク・ジミン、ハン・ヨリム舞台挨拶に訪れました。
10月12日・釜山劇場「空家」キム・ギドク監督の新作。監督、主演のイ・スンヨン、チェ・ヒが舞台挨拶に訪れました。釜山映画祭とともに成長してきた、キム・ギドク監督だけに、主演の俳優さんよりも大人気。
10月12日・PIFF広場写真を撮っていると後ろから黄色い声がぁ!人に囲まれていたその人は、韓国芸能界で始めて「ゲイ」とカミングアウトしたホン・ソッチョン。とても親切に写真を撮らせてくれました。
10月9日・海雲台メガバックス「笑う大学」日本からスマップの稲垣吾郎が釜山を訪れました。役所広司との2大主演の映画を引っさげて来韓。
10月10日・海雲台メガバックス「人魚姫」開幕式に引き続き、映画「殺人の追憶」で日本でも知られているパク・ヘイルが舞台挨拶をしました。
今年の映画祭を振り返ってみて、毎年大きくなっていく釜山国際映画祭ですが、やはり今年も日本から参加することの難しさを実感する映画祭でした。今年から外国からのオンラインチケット予約が可能になったということで、かなり期待をしていたナビでしたが、蓋を開けてみると、コンピューターの言語の設定を韓国語に変えなくてはいけなかったり、映画祭のホームページが韓国語と英語だけだったり、とまだまだすんなりとは行かないな、というのがナビの感想。釜山国際映画祭がもっと大きくなって欲しいと思う一方で、一般客の参加にももう少し力を入れて欲しいなとと感じた映画祭になりました。来年は、映画祭が始まって10 年目の記念祭。今年よりも、もっと楽に参加できる映画祭になってほしいなぁと思うナビがお届けしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-10-20

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