第7回釜山国際映画祭を振り返って

17万人の映画ファンを集めた祭典はまた来年へと…

アンニョンハセヨ、プサンナビです。17万人の映画ファンたちを呼び寄せた「プサン国際映画祭」!北野武監督の「Dolls」を最後に10日間の祭典は幕を閉じました。また、この映画祭のためにカンヌ、ベネチア、ベルリンといった世界3大映画祭の執行委員長たちが一堂に会すという極めて異例な出来事も!アジア映画の窓口として、さらには世界の映画祭の発展のため、世界中からプサン国際映画祭が注目を浴びていることがうかがえます。プサン中を騒がせ、韓国とアジアを沸かせた第7回プサン国際映画祭、その10日間の業績をナビが追いかけました!
秀作中の秀作!開幕作品と閉幕作品
プサン国際映画祭で毎回問題視されるのが、そう開幕閉幕作品の前売りチケット。7回目を迎える今年、インターネットによる前売りシステムが導入されたのに伴い、銀行前の行列は解消されました。しか~し!やっぱり5分程で締め切られるのは第一回目からの恒例?!開幕作品であるキム・ギドク監督の「海岸線」は前売り開始後2分4秒、また閉幕作品である北野武監督の「Dolls」は5分6秒で売り切れになったのだとか。
11月14日の開幕式には「チャン・ドンゴン(チング/友へ)」や「イ・ビョンホン(JSA共同警備区域)」それに「ソン・スンホン(秋の童話)」などの日本でも有名な韓国俳優陣が勢揃い!特に開幕作品「海岸線」の主演俳優のチャン・ドンゴンは、映画「チング(友へ)」の撮影場所であるプサンでの開催に感慨深いものがあるようでした。う~ん、やっぱりかっこいい!
映像関連事業団、プサン国際映画祭で広報費用の60%支出
アジア映画の祭典が始まった南浦洞(ナンポドン)の劇場通りではいつにない宣伝合戦が盛んに繰り広げられています。プサン国際映画祭には映画を愛してやまない映画ファンたちが大勢やってくるので映像関連事業団の恰好の宣伝場所になるのだとか。いつもは3000ウォン(300円)くらいの映画週刊誌が無料配布されているかと思えば、プサン国際映画祭の日々の日程が細かくまとめられたDailyも欠かすことなく配られています。あらら、まもなく公開される映画の広告スペースまでも活用されていますね~。こういった宣伝に使われる費用は映像関連事業団の一年間の広報費用のうちの、なんと60%を占めるのだとか。まったくスゴイ気合いです。
特別イベント!観客と俳優、監督が一緒に楽しむGV
全部で112回、行われたGV(Guest Visited)。韓国だけではなくイランや香港など、アジア各国の映画監督と俳優たち、そして観客が一体となってのお祭り騒ぎとなりました!一方的に話を聞かされるのではなく、みんなで一緒に楽しめるGV。これから、どんどん広まっていくといいですね。映画館内で行われたGVもあれば、南浦洞のPiff 広場では野外舞台が設けられました。一番人気は、やっぱりチャン・ドンゴン、キム・ギドク監督ら「海岸線」チームとソル・ギョング、チャ・スンウォンが代表の「光復節特赦」チームによる舞台挨拶。国内外の取材陣はもちろん、広場を行き交う人々の視線を釘付けにしていたとか。
数字でみる第7回プサン国際映画祭
プサン国際映画祭は今回、例年とは違い南浦洞と市民会館がある汎一洞(ポミルドン)、海雲台(ヘウンデ)で映画を上映し、それぞれの街の雰囲気作りに努力しました。そして市民会館と大映(テヨン)シネマなど計15館で56カ国226編の映画が上映され、平均座席占有率は80%を越えたというから、その人気ぶりがうかがえますよね。35カ国5318人のゲストがプサンを訪れ、このうち931人が国内外の言論人だったとか。また10回の野外舞台と112回のGV,そして「大島渚、韓国との因縁」などの特別企画も行われました。映画監督と製作会社を結ぶ窓口である第5回PPP(Pusan Promotion Plane)が開催された3日間には実に35カ国、300社の参加があり、そのうち26個のプロジェクトがPPP2002公式プロジェクトとして選ばれたそうです。創意性のある素晴らしいアジア映画に乞うご期待!
開幕式は韓国映画、閉会式は日本映画
プサン国際映画祭の最後を飾ったのは、我らが「北野武監督」です!韓国映画「海岸線」で始まった第7回プサン国際映画祭は閉幕作品として日本の映画である「Dolls」を選びました。日本ではコメディアンとしても有名ですが、韓国では専ら監督として知られる北野武監督。11月22日閉幕作品記者会見で、彼は「Dolls」を「たんなるラブストーリーではなく、暴力的な映画」だと紹介しました。その記者会見を見て、なぜか韓国のキム・ギドク監督がふっと浮かんできたナビ。狂的な愛、極端な選択…彼らの映画にはどこか共通点があるような気がしませんか?
北野武監督の「Dolls」を以って10日間に及ぶプサン国際映画祭はついに幕を閉じました。閉幕式の間、市民会館の外には最後を見守るたくさんの映画ファンたちの姿が…。映画祭の終わりを伝える野外放送を聞きながら、以上プサンナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-11-27

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