台風14号『メミ』が残した爪痕

着々と進む復旧活動…海雲台と広安里のいまを見る

瞬間風速50mを超える韓国史上、最大の台風"メミ"こと台風14号は、釜山・慶尚道を含む、朝鮮半島南部に大きな被害をもたらしました。 死者・行方不明者などの人命被害は115名を数え、商・工・農畜産分野への被害も深刻です。

釜山の場合、釜山港(プサンハン)のクレーン52機中、11機が暴風によって倒壊した映像が、大々的に報道されました。世界のコンテナ流通量、世界3位を誇る釜山港ですが、現状回復までは10ヶ月~1年かかる見通しだとか。さらに、洛東江にかかる亀浦大橋(クポデキョ)が崩れ落ちたり、海雲台の船上ホテルが沈没した写真も日本の新聞などで目にした方も多いのではないでしょうか?
プサンナビはこの度の台風で被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げると共に、今後、釜山観光にどのような影響が出るか、報告したいと思います。

高潮にあった海雲台と広安里
満潮と台風が重なり、高潮の被害を受けた海雲台と広安里は今後の観光に深刻な影響を及ぼしました。特に、ビーチ沿いに、カフェや飲食店が並ぶ広安里は、ガラスが割れ浸水した店が多く、台風から4日たった現在でも、海水を吸って使い物にならなくなった、家具や電化製品が道に放置されています。

海雲台エリア
水没した船上ホテル
大きな被害を受けた、釜山アクアリムは復旧のめどがたたず、営業再開は未定
パラダイスホテルからハングッコンド間に位置する、刺身屋通りは崩壊状態
パラダイスホテルなどの特級ホテルはほぼ現状回復
広安里エリア
8月に取材した、広安里の名物スポット『ビーチフィールド』も高潮の被害にあって営業再開のめどはたっていないとのこと
海岸近くの路地は高潮で運ばれた砂で覆われている
海水を吸い込んで使えなくなったソファが道に放置されている
急ピッチで復旧作業をすすめる人々
他にも、松島・松亭などの海水浴場周辺、外海に面した影島北部なども大きな被害にあいました。
被害の少なかったエリア
南浦洞や西面などのエリアは強風による停電・ガラスの破損などの被害はあったものの、今後の経済活動に影響を及ぼすほどの被害は最小限に食い止められたようです。
南浦洞エリア
海に面する南浦洞エリアですが、影島に隠れた内海に面しているのが幸いして、大きな被害を免れました。基本的に今後の観光に影響はありません。
西面エリア
一部地域で停電やガラスが割れるなどの被害はありましたが、現状回復。
東莱エリア
アシアード主競技場の天幕が破けるなどの被害が残りましたが、観光への影響は残りませんでした。
交通網への影響
空港・国際旅客ターミナル・国鉄・地下鉄など、一部施設に被害はあったものの影響はありません。現在、すべて平常スケジュールで運行しています。ただし、沿岸旅客ターミナルから出発する、巨済島行きの船に影響がでてしまいました。
沿岸旅客ターミナル
巨済島行き、長承浦(チャンスンポ)・玉浦(オッポ)の船、埠頭共に被害が大きく、現在のところ運行を停止しています。古懸行きの船が一隻、通常運航。
南浦洞と西面を中心都市とした釜山の基本観光や、東莱などの温泉観光には影響はないものの、海雲台、広安里が現状を回復するにはもう少し時間がかかりそうです。今後も状況を報告していきますが、特に気になる部分がございましたら、お尋ねください。以上、プサンナビがお送りしました。

なお、韓国の各テレビ局が行っている、今回の災害のための義援金募集のお知らせが、下記のサイト(韓国語)で参照できます。

KBS (韓国放送)
MBC(文化放送)
SBS(ソウル放送)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-09-16

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