チャガルチ市場で刺身を食べる方法(釜山)

チャガルチ市場の料金システムにせまります

新鮮な魚とぶっきらぼうだけど優しいおばちゃんたちが集うチャガルチ市場。歩くだけでも楽しめるけど、生きた魚をその場で捌いてくれる刺身を味わうことこそ、こちらの醍醐味です!刺身は日本の方が食べなれているため、韓国で食べる刺身には賛否両論ですが、韓国式の刺身には韓国式の言い分がある。というわけで、チャガルチではどんな風に刺身を注文して食べればいいか、ナビの食べる専門臨時記者の釜山太郎が現地からレポートしたいと思います。
チャガルチで刺身を食べるスタイルは大きく2種類。まずガイドブックなどに登場する、『新東亜水産物市場』や『チャガルチ市場』などの刺身センターで食べる方法です。こちらでは1階に魚介類を生簀に集めた業者がたくさん集まり、まずそちらで魚を買ってから上の階に上がって料理にしてもらうという方法です。もうひとつは、個人的に刺身屋を構えるお店で食べる方法。こちらは初心者でも分かりやすいので割愛させていただきます。というわけで、今回は刺身センターで食べる方法を解説します。
まずチャガルチ市場の中ほどに位置する、3階建ての大きなビル。これが『新東亜水産物市場』です。こちらは1階が魚の仲買屋、2階に海苔やスルメなど加工品の問屋、3階には1階で買った魚を捌いてくれる食堂があつまっています。
そして、海を正面にして左側の港沿いにある2階建ての長い建物が『チャガルチ市場』。こちらは1階が魚の仲買屋で、2階に加工品問屋と食堂があります。どちらもスタイルは同じですが、実際に地元の料理屋などが仕入れに訪れる『チャガルチ市場』に比べると、『新東亜水産物市場』のほうが観光色が強いようです。というわけでナビは観光客にも訪れやすい『新東亜水産物市場』に行きました。
チャガルチ祭り開催中
ナビが行ったときはチャガルチ祭りの真最中。いつもの市場が光の洪水に変り、街が浮き足立っていました。そんな中を、プサンナビのF氏+カメラマンI氏とともに突入です。
『釜山の男の刺身の食べ方を実演してやる!』と実に気合の入ったF氏です。
ひろーい市場の中は、生簀が置かれた魚屋さんが壮観に並んでいます。簡易テーブルに座って焼酎を片手に刺身を食べる人の姿も。ナビがしばし呆けていると、そこらじゅうに立っている魚屋のアジョシから強烈な引き込みがかかりました。
『サシミ・サシミ』
『安い・安い!!』
ナビの顔で判断するのか言葉は日本語が激しく飛び交います。あまりの壮絶さにナビは引き気味。釜山出身のF氏でさえも引き気味です。結局、アジョシたちの声から逃げるように端っこ端っこに追い詰められ、一番奥まった店で魚屋に落ち着きました。
さあ、魚屋では好みの魚を注文しましょう。大体どの店でも注文程度や魚の名前の日本語は知っています。値段をはっきり聞かないと、どんどんいろんな物を投入されてしまうので要注意。また、場合によってはあまり売れない魚を入れられることもあります。
この日われわれがチョイスした魚は、ヒラメとアカダイ、そして大振りのイカが一杯。それから釜山では今が旬のコハダを5匹サービスしてもらいました。本当にピチピチよく光ってます。値段は総計4万ウォン(約4千円)、3人分には適当な内容です。
どうですか、このアカダイ。活きが良すぎて思いっきり分身しちゃってます。
これは一時期、プサンナビの掲示板をにぎわしたケブルですね。非常に太いです。よく注意して見ると先っちょから水がピュ−っと飛び出してるのが分かります。一体、どんな生体構造になっているのか想像するのも恐ろしい…。
こちらが3階の入り口

こちらが3階の入り口

それでは無事に魚も購入したので3階に上ります。魚屋の人が契約した食堂に連れてってくれるので、後についていきましょう。
こちらが3階の入り口
中に入ったら、食堂に向かいます。そして食堂の魚屋さんに、先ほどの戦利品を渡して、とりあえずここで、一息。テーブルに座ると韓国ならでは、野菜のツキダシと味噌が並べられます。人参やニンニクがこの味噌に実にあうんです。
でも、この緑のやつには気をつけて!  

でも、この緑のやつには気をつけて!  

チャガルチ市場で刺身を食べる方法(釜山) チャガルチ市場で刺身を食べる方法(釜山)
何気に口に入れてしまうと

何気に口に入れてしまうと

3分後にはこうなります。

3分後にはこうなります。

……厨房では
先ほど買った魚がどのように調理されているのか、厨房にお邪魔します。おお、コハダはあっという間に頭を取られて下処理されています。どうやら塩焼きにするようですね。さっきまで生きていた魚が塩焼きにされてしまうのはもったいない気もします。
そして、アカダイとヒラメ、イカもさくさくと捌いて行きますね。それにしても、手早くて見事なものです。
テーブルに戻ると、F氏がいつの間に注文したのか釜山の地元焼酎『C1』をそばにおいて待ち構えていました。『エー!いきなり焼酎スカ?』と引いてしまうナビ。でも、F氏いわく、釜山の人は刺身を食べるときに、当たらないように消毒をかねて焼酎を飲むとのことです。なるほど、毒をもって毒を制すというやつですね。さあ、一献、胸に手を当てるのは韓国のマナーです。
いつの間にか、コハダもこんがりホクホクになって登場。イカ、そして、刺身も捌かれてやってまいりました。それから、韓国では絶対忘れてはいけない、包む野菜に、チョジャン(酸っぱいコチュジャンソース)。でも、ナビは韓国でも必携、わさび持参です。韓国ではもちろん、ワサビに似たものはあるのですが、なんだか色も不自然で味も微妙です。
韓国のワサビは絵の具のような色→
刺身をおいしく食べたければ、ワサビを持ってくるのは欠かせません。ちなみに、運がよければ食堂によってチューブのワサビを準備している場合もあります。
日韓刺身食べ方比較
ここで再び、F氏の登場です。なんと言っても釜山の男の食べ方を教えてやると気合も十分です。さあ、ナビが推奨する日本の食べ方と、F氏推奨の韓国の食べ方を企画ししてみましょう。

<<韓国>>
刺身をチョジャンにつけて

刺身をチョジャンにつけて

エゴマとサンチュにのせる

エゴマとサンチュにのせる

ニンニクとコチュははずせない

ニンニクとコチュははずせない

かぶりつくべし

かぶりつくべし

この食感がたまらんのだ

この食感がたまらんのだ

<<日本>>
お刺身を小皿にとって

お刺身を小皿にとって

ワサビを載せます

ワサビを載せます

そしてくるっと包んで

そしてくるっと包んで

食べる

食べる

ツーン!と抜けるのがたまらん

ツーン!と抜けるのがたまらん

同じ刺身でも、日本と韓国では随分とちがうものです。果たして韓国流の食べ方で、刺身の味を感じることができるのでしょうか?でも、せっかくチャガルチ市場に行くのなら雰囲気を楽しむために、是非チャレンジしてみるのもいいかもしれません。
最後はメウンタンを楽しむのをわすれずに。
3階の料金は別会計
食事が終了したら、3階での調理代、薬味代、メウンタン代、酒代などは別会計になります。ちなみにナビとF氏の会計はこのようになりました。

メウンタン調理代1万ウォン
薬味代1人当たり2,000で4,000ウォン
焼酎3,000ウォン
ビール3,000ウォン
清河(清酒)5,000ウォン
合計2万5千ウォン

チャガルチ体験を終えて
ここまでの食べ方は、いわゆる日本のガイドブックに載っている方法を実践したものです。結局、魚代が40,000ウォンで食堂で25,000ウォン。3人で合計65,000ウォンです。1人当たり2万ウォン程度ということで、日本と比較したらその安さは歴前。しかしながら地元の人をよくよく眺めてみると、下で魚を買ってくるのは日本人ばかりで、韓国人は1階で直接食べたり、3階に直接きたりするお客さんが大部分でした。つまり、直接行ったほうが安くなるということです。下で買って上で食べるというシステムは、仲介が1つ増える分、無駄な料金がついてしまうということなのでしょう。

1階
メリット:薬味代と調理代がただ
デメリット:メウンタンがなく、ゆっくり座れない

1階で買って3階
メリット:雰囲気と豊富な魚
デメリット:中間手数料が発生する分高くなる

3階
メリット:薬味代がただで、サービスが増える
デメリット:魚の種類が少ない
ということで、プサンナビの食べる専門記者、釜山太郎がチャガルチ市場からレポートしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-10-30

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