ナビ友、釜山へ来る~その2(ドイツ人編)

ドイツ人が見た釜山はいかに?

アンニョンハセヨ、プサンナビです。釜山に訪れる人をつかまえて、それぞれの旅行スタイルを覗かせていただくこのシリーズですが、今回のゲストはナビの学生時代からの友人であるマーチン・シリー。名前からもお分かりのようにれっきとしたドイツ人です。今回の訪韓の目的はソウルでのビジネスということですが、仕事の合間を縫ってわざわざ釜山まで会いに来てくれました。ナビも旧友との再会に気合十分のアテンド体制。果たしてドイツ人の彼が、釜山をどのように感じるのか興味津々です。きっと日本人とはまた違った感性を見せてくれることでしょう。では、釜山でこんにちは第14弾のスタートです。
マーチンのご紹介!
話に入る前にマーチンを紹介しておきましょう。マーチンとはナビが学生時代に交換留学生として訪れたとき以来の付き合い。現在は日本在住3年目で、その若さにして某企業の取締役を勤めるというエグゼクティブなんです。そんな彼の訪韓暦はすでに10回近く。ただ、そのほとんどがビジネスによるものなので、観光などはあまり経験がなく、食事もカルビや韓定食、日本料理などよそ行きのものばかりなんだとか。なんて、羨ましい…と、ひるみ気味のナビではありますが、そんなことではイカンイカン!極めて一般的な韓国の世界を見せなければと、気負ってしまうナビでした。
<マーチンのためのプラン>
ビジネスで疲れているマーチンだけにナビが用意したコンセプトは、グルメ&リラックス。そして、一般的な市民生活がのぞける要素も考えてみました。
1日目 釜山名物『ホルモン』の夕食で歓迎
2日目 虚心庁でチムジルバン&アカスリ体験、その後、虚心庁ブロイでビールで本場ドイツビール、そして外国人の集まるバー『cross rord』へ。

<5月4日(1日目)>
釜山駅で3年ぶりの再会
KTXに乗ってソウルから釜山駅に到着したマーチン。約3年ぶりの再会ですが190cm以上の長身は相変わらず。人ごみの中にいてもすぐに見つかるのは便利ですね。それでは早速、歓迎の宴のために、文ヒョン洞のホルモン通りにレッツゴー!
いきなりNGのテジコプチャン
ナビが向かったのは、文ヒョン洞ホルモン通りにある通いつけのお店。これまで日本からのお客さんを迎えたときは、満足率90%以上を誇ってきた自信の一軒です。店に入ると、地元の活気ある雰囲気にマーチンも大満足。ところが、肝心のホルモンが出てくると、表情が徐々に複雑になっていきます。コレは豚のホルモンですと説明すると『ドイツ人はホルモンをそのままでは食べないのです』とのこと。な・なるほど、豚を1頭潰して余すことなく使うと聞いていたので、大丈夫だろうとタカをくくって連れてきたのですが、形が残るホルモンはNGだったのですね。それでも、優しいマーチンはナビの顔たてて、食べてくれましたが、やっぱり臭いが慣れないとのことでした。マーチンごめんね!
その後、ナビとマーチンはフライドチキンのお店で飲みなおし。久々の再会に話が弾んで、すっかり深酒してしまいました。

<5月5日(2日目)>

マーチンが宿泊したホテルは海雲台のパラダイスホテル。オーシャンビューで、すばらしい眺めに感心しながらも、昨日の深酒がたたりグロッキー気味のマーチン。何とかアルコールを消すために海沿いから市街を散歩です。
朝食は海雲台名物のソコギクッパ
リベラホテルの裏に位置するクッパ通りは、1杯2500ウォンという格安の値段で食べられる、気軽さからいつも多くの人で賑わっています。この日も店内には座れず、外のテーブルでお食事。さて感想は?『二日酔いで死にそうです…』とクッパのスープをなんとかすすって朝食完了。少し深刻な二日酔いなので、ナビと一緒に薬を飲んで仕切りなおしです。
二日酔いの後はサウナが一番ということで、予定通り、東莱温泉の虚心庁へと向かいます。移動には市民生活が覗けるバスを利用しました。地元の人は、海雲台から東莱方面へ移動するときの多くはバス(※100番or100-1番を利用、国鉄海雲台駅前より乗車)を利用します。地下鉄の方がわかり易くはありますが、バスなら30分(ラッシュ時を除く)で行けるところを、地下鉄では50分ぐらいかかってしまいます。
初めて一般バスに乗ってみたマーチンは、バスの急加速に二日酔い状態がさらにひどくなりながらも『目的地に早く到着するのはいいですね』と感心気味。な・なるほど、日本人なら日本の丁寧なバスの運転と比較してしまうところですが、そんな考え方もあるのですね。
虚心庁のチムジルバンでリラックス
温泉で少し入浴した後、早速、チムジル服へ着替えてチムジルバンへGO!でも、マーチン、背が高すぎるせいか、一番大きいチムジル服もまるで半ズボンですね…。
50℃くらいのサウナでゆっくりと汗を流して、アイスサウナでリフレッシュ。徐々に、元気を取り戻していくマーチン。『アイスサウナは初めてです、ずいぶんと楽しいところですね』と、特にアイスサウナが気に入った様子。そしてやっとお腹も減ってきたようで、まだ食べたことがないという韓国式ラーメンに挑戦することに。
農心グループだけに辛ラーメン
韓国のラーメンはみんなインスタントにもかかわらず、多くの人が好んで食べると聞いてびっくりのマーチン。日本でもよくラーメンを食べるというだけに、真っ赤な辛ラーメンが登場するやいなや豪快に啜るマーチン。日本生活が長いせいか西洋圏の人が苦手とする、啜るという動作もお手の物です。『う・うまいです。ナビさん!こんなにうまいラーメンは初めて、日本のインスタントラーメンはいつも味が薄いと思っていました』な・なるほど。辛ラーメンの味は、西洋圏の方にはなかなか受けるようです。確かに、二日酔いの後の韓国式ラーメンってなぜかほっとするんですよね。
ドイツのサウナはすごい!
その後、食べて寝て汗を出して、また寝てを繰り返すと、マーチンもすっかり回復した様子。『チムジルバンというものは、本当に人をリラックスさせるようです。十分に寝たはずなのに、目を閉じているとまたすぐ眠くなってしまう。若い、カップルの方が多いのもびっくりしました』いやあー、ようやくマーチンに喜んでもらえてナビもすっかり安心しました。『ちなみにドイツのサウナは、男女混浴、しかも裸で入るんですよ』な・なにー!そ、それは初耳です。それは恥ずかしくないのですかと尋ねると『あからさまに見るのは失礼。でも見ないのも失礼なんです』な・なるほど。日本でも混浴はありますが、なるべく見ないようにするのが常識。むしろ男性の方が隅で小さくなっているものです。世界にはさまざまな文化があるようですね。
サウナで体力を回復させて、再び、温泉に入ってマーチンはアカスリを体験。体の表面積が大きいだけに、アカスリの方も大変そう。すっかり、ツヤツヤになって、虚心庁ブロイに直行です。
※虚心庁内にカメラを持ち込むのは禁止されております。
本場のドイツビールが売りのビアホールにドイツ人はいかに?
さあ、いよいよやってきました。虚心庁ブロイです。ここは、本場ドイツの職人さんが、ビールの製造を管理しているのがウリ。ナビもお気に入りの場所で、たまに本格的なビールが飲みたくなるとこちらにやってきます。マーチンもドイツの民族衣装に身を包んだ、韓国人スタッフの美しさに感心しながら、さっそく試飲です。
一杯目『ヴァイツェン』
小麦粉から作られる上面醗酵の白ビール。彼曰く、ビールが若いね。でも飲んでるとどんどんおいしくなる。このビールはね、醗酵させるときに、砂糖をいっぱい使うから、いっぱい飲むと酔っ払ってしまいますよ。
二杯目『ドュンケル』
深入り焙煎の黒に近いビール。ほろ苦い味わいでビール通に好まれます。彼曰く、うむ、苦くてうまいけど、やっぱり若い。ビールが若いですね。
三杯目『ピルス』
世界でもっとも一般的に飲まれている、下面醗酵のラガービール。彼曰く。こ・これは…。何か違うような気がする。でも、飲みやすいからなんだか飲んでしまいます。
何やかんやといいながらも結局その後は、ピルスだけを飲んでいました。そして、職人さんが現れると、故郷が近かったこともありすっかり意気投合。ビールの醸造施設まで見学させてもらっていました。
『全体的にビールの味が若いのは、地ビールは雑菌が繁殖しやすいので、出来立てを飲むのが一番安心だからなんだそうです。でも、こんな風に釜山でドイツビールが飲めて、ドイツのソーセージが食べられるとは思いませんでした。本当に楽しかったです』とマーチン。いったい何杯飲んだのか。やっぱり、今日もお酒なんですね。最後は、マーチンが一番気に入ったスタッフと一緒に記念撮影です。はい、チーズ!
エピローグ
虚心庁がある温泉場から、外国人が集まるバーとして名高い『CROSS ROAD』へは、タクシーで約5分。
あっという間に到着しました。扉を開けるとさすがに外人だらけ。雰囲気も落ち着いていて、マーチンもまったく浮きません。ナビもマーチンも仕事を忘れて、ひたすらジントニックを飲み続けました。多分8杯くらい…。釜山でリラックスして仕事の疲れをリフレッシュさせてあげたいというナビの目論見ではありましたが、再会の喜びですっかり飲み明かしてしまいました。マーチンは結局、次の日も二日酔いに苦しむことでしょう。
2日間行動を共にして、日本を知るドイツ人が見た釜山観はなかなか面白いものがありました。外見が似ているだけに、同じ価値観にはめ込んでしまいがちの日本人と韓国人とは違い、両者を第3者の視点で見られるマーチンの意見はナビには目からうろこの連続。今までの固定観念にとらわれない、韓国を再び見ていきたいと思うナビでした。以上、プサンナビがお送りしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-05-12

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