ナクチポックン(釜山式)

タコ炒め/낙지볶음


ナクチポックンって韓国どこの町でも気軽に食べられる料理でしょう?と思われた方もいるのではないでしょうか?ところがソウルから釜山へ来た人から「どうして釜山のナクチポックンにはスープがあるんだ?!ソウルよりも味が辛くないし。」という指摘が。

ナクチポックンって何?

ナクチポックンとは、ナクチ=手長タコ、ポックン=炒める、という言葉通り、手長タコを唐辛子味噌とニンニクで炒め、混ぜ合わせた激辛料理のことを言います。しかし、釜山でいうナクチポックンは、名前こそ炒めるとついていますが、炒めるどころか完全に鍋のような形態になっているんです。お店ごとにスープのダシは変わってきますが、一般的には小魚系の煮干か牛骨を煮出したものが使われます。また、そこに、キャベツやタマネギといった野菜が加わり、手長タコのほかに、エビやホルモンが加わったりしたナッ(手長タコ)コッ(ホルモン)セ(エビ)ポックンなどのメニューもあるんです。

ソウルと釜山のナクチポックンの違いは?!

同じ国なのに同じ名前のメニューが全然違うメニューというこのナクチポックン。どこがどう違うのかを見ていくことにしましょう。まず、一番の違いは、釜山ではスープが入った鍋系の食べ物に属し、ソウルではスープが全然入っていないという点。釜山では、鍋が直接テーブルに出てきて、お客さんの前でグツグツと煮ながら頂くのに対し、ソウルは厨房で料理され、お皿に載ってテーブルに運ばれてくるんです。当然、スープのないソウルのナクチポックンは、とても辛く、韓国人でも食べられない人がいるほどで、韓国でもっとも辛い料理と言われているんだそうです。それに対し、釜山のナクチポックンは、激辛料理というよりも焼酎に合うスープが付いているので、食事やお酒の最後にうどんを入れたり、ご飯を炒めたりという風に、韓国で一般的なカムジャタンなどの鍋系料理と同じような食べ方で食べられているんです。同じメニューなのに、なんだかちょっと違った料理みたいで、おもしろいですよね!
<釜山式ナクチポックン>

<釜山式ナクチポックン>

<ソウル式ナクチポックン>

<ソウル式ナクチポックン>

釜山のナクチポックンの発祥は?

釜山のナクチポックンが生まれた食堂はナビでも紹介している凡一洞(ボミルドン)のハルメチッだと言われています。1960年代前半この凡一洞にある自由市場に朝鮮紡績という会社があったころ、チェ・ジョンチュンハルメ(おばあさん)という初代の社長さんが、ソウル式のナクチポックンにニンニクなどの薬味を加え、鍋風にして売り出したことが始まりだといわれています。考案した当時は、朝鮮紡績の名前を取りチョバン(朝紡)ナクチと言われていました。現在は、名前を変えはしましたが、同じ場所でその当時の味を守りながら、お店をやっています。また、その当時元祖の店から暖簾わけをし、当時の名前を受け継いで、お店を行っている東莱(トンネ)にあるチョバンナクチも、元祖の味を受け継ぐ店として、釜山市から指定されています。

釜山式ナクチポックンの作り方

牛骨を入れ、弱火で3時間ほど煮出し、ダシスープを作ります。
キャベツや玉ネギ、長ネギ、にんじんなどの野菜を切り、手長タコも適当な大きさに切っておきます。
コチュジャン(辛味噌)とにんにくを潰したものを準備し、
ダシスープを加えた鍋に野菜やタコを加え、一番上にコチュジャンとニンニクを加え
蓋を閉め、鍋に火をつけます。
煮だってきたら、蓋を取り、お玉でかき混ぜて、スープがグツグツいったら出来上がり。

釜山式ナクチポックンの食べ方

お酒のおつまみとしてそのまま食べてもOK!お昼時には、ご飯の上に汁ごと掛け、混ぜ合わせて食べたりもします。ナクチポックンを最初に注文し、食事の〆にうどんなどを入れたり、残ったスープにご飯を入れ、焼き飯を作って食べたりもします。見た目赤くて、辛そうですが、ダシスープで緩和されているので、コクのあるスープが楽しめるのも釜山のナクチポックンならではでしょう。
関連タグ:海鮮料理釜山料理炒め料理タコ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-05-31

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