「段々釜山が好きになってきたかもしれないDK」主婦特派員報告、第1回~韓国の幼児教育事情、その1

「幼稚園編」

皆さん初めまして、こんにちは。釜山で子育て真っ最中の新米レポーター、DKです。宜しくお願いいたします。
初めての記事、なぁにを書こうかな~、と思案していた矢先、私事ですが急遽春からうちの子供達を通わせる幼稚園を探さないといけないことになり、丁度良いのでそれをネタに韓国の教育事情について綴ってみることにしました。数回に分けてご紹介する予定ですが、第一弾は就学前の子供達を対象にした幼児教育事情。まず今回はどんなものがあるか、日中子供達を通わせるところとして代表的な幼稚園を始め、その概要について書いていきまっす。

1、どんなものがあるか

*幼稚園
*オリニチブ
・オリニチブ
・ノリバン
*塾(ハグォン)
・ノリハッキョ
・英語幼稚園
などです。塾というと日本語では勉強するイメージがありますが、いわゆる”習い事”の総称です。塾に関しては他にも子供達が通うようなピアノやテコンドー、バレエなど色々ありますが、それはまたの機会にレポートします。今回は、幼稚園の様に日中子供達が毎日通うところに絞って書きます。

幼稚園
白壁のメルヘンな造りが最近の流行 白壁のメルヘンな造りが最近の流行

白壁のメルヘンな造りが最近の流行

オリニチブ
幼稚園よりも若干施設が劣る 幼稚園よりも若干施設が劣る

幼稚園よりも若干施設が劣る

ノリバン
マンションの1階に看板を掲げる マンションの1階に看板を掲げる

マンションの1階に看板を掲げる

ノリハッキョ
駅前のビルの6階 駅前のビルの6階

駅前のビルの6階

英語幼稚園
ここも駅の近くのビルの2,3階 ここも駅の近くのビルの2,3階

ここも駅の近くのビルの2,3階

2、幼稚園とオリニチブ

韓国の幼稚園は韓国の教育庁が管轄するもので、満3歳児から通わせることが出来、教育プログラムは教育庁から指定されたものが土台になっています。日本の幼稚園とほぼ同じ様な存在と考えて良いでしょう。一方オリニチブというのは、直訳すると”子供の家”となりますが、女性家族部というところが管轄していて、日本の保育園に値するかというと少し異なり、幼稚園よりもより社会福祉的な存在のイメージです。

またオリニチブの形態の1つでノリバン(最近は家庭オリニチブと改名)というのがあり、これは直訳すると”遊ぶ部屋”。規模がある程度大きいアパートには1つはついているものですが、アパートの1階にある一般住居を使った施設です。広さによって預かる子供の数の制限はありますが、大体20人以下の子供を預かる小規模なオリニチブのことを言い、0歳児から幼稚園入園前の3歳児未満の子供を預かっていることが多いです。

幼稚園もオリニチブも、半日班は大体朝9時から午後2時まで、全日班は午後6時までと子供を預かる基本的な時間帯は同じで、それぞれ延長保育もあります。なので共働きの家庭は子供を幼稚園にでもオリニチブにでも預けることが出来ます。幼稚園には入れない0歳児の様な小さい子供はと言うと、普通のオリニチブでも預かってくれるところはありますが、より小規模なノリバンに預けることが多いようです。
図書室

図書室

ここで室内の運動をしたり、発表会をしたりする

ここで室内の運動をしたり、発表会をしたりする

子供達が料理をする部屋

子供達が料理をする部屋

園庭は日本のに比べると余り広くはない

園庭は日本のに比べると余り広くはない

幼稚園の送迎バスは黄色い車体

幼稚園の送迎バスは黄色い車体

日本では、の話になりますが、幼稚園とは別に、両親が共働きの場合子供達を預ける保育園がありますね。幼稚園は文部省の管轄、保育園は厚生省の管轄で、それぞれ内容も預ける目的も異なります。保育園には、両親が働いている(または家庭での保育が困難である)という証明がないと子供を預けることは出来ません。韓国はというと、幼稚園はもちろん、オリニチブも両親が共働きであることは条件ではなく、どちらも自由に子供を預けることが出来ます。実際DKの子供達も、”韓国語早期習得”という名目のもと、ほぼ専業主婦の私ですが2歳になる前からノリバンに通っていました(ノリバン体験談は後日執筆します♪)。
さて、3歳児以上は時間帯も同じで実質的な差の余り見られない韓国の幼稚園とオリニチブですが、他にどんな内容の違いがあるのか某ノリバンの先生に聞いてみました。
違い1:幼稚園の方が若干費用が高い。
違い2:幼稚園の先生は大学で幼児教育科を卒業しないとなれないので、先生のレベルが高い。オリニチブの先生にも必要な資格はあるが、幼稚園の先生よりも取得が簡単。又、幼稚園の先生の資格はオリニチブの先生の資格も兼ねる。
違い3:幼稚園のプログラムは教育庁が決めているので、オリニチブよりも教育の質が良い。
違い4:幼稚園に通えるのは満3歳児から。
なるほど~。幼稚園の方が若干費用が高いが質は良い、というところでしょうか??
ちなみに費用は2008年度の相場ですが、年齢によって若干異なりますがDKの長男と同じ5歳児クラスで言うと、幼稚園が月30万W強(基本22万W+送迎代、給食代、教材費等)。幼稚園ごとの費用の差は、基本料はどこもほぼ同じですが、英語教育に力を入れている場所などは、教材費が6ヶ月に12万Wかかるなどして相場よりも高くついたりします。

オリニチブ(ノリバンを含む)は5歳児で25万W(基本20万W+送迎代、給食代、教材費等)ほど。0歳児は基本料が37万2千Wから始まり、1歳児、2 歳児と段々安くなっていきます。また実際の家庭の負担額は、家庭の収入に応じた給付金が政府から出るので、これらから数万~数十万W差し引いた額になります。

なお、韓国では今年度から新しい法律が施行され、今年2009年の3月に(韓国は3月が始業)小学校に上がるのは、 2002年1月から12月の間に生まれた子供達となります。なので、違い4の満3歳以上というのは、今年入園の場合2008年に満3歳の誕生日を迎えている子供達、ということになります。

3、放課後授業

韓国の幼稚園で特徴的なのは、半日班の基本的な終了時間の午後2時から、放課後授業と題して大体1時間ほど、バレエや美術やテコンドー、英語など、外部から専門の先生を呼んで特別な教育を行っていることです。もちろん放課後授業を受ける場合は内容によって異なる別途の授業料を払うことになります。選択は自由ですが、殆どの子供が受けているようで、帰りの送迎車が放課後授業の後じゃないと出ない、という幼稚園もありました。
この放課後授業を含め、幼稚園に関してはもっと具体的に、次回にお話したいと思います。

4、ノリハッキョ

ノリハッキョは直訳すると”遊びの学校”。これらは塾の一種で、幼稚園でもオリニチブでもありません。先生になるのに必要な資格はありません。そして住宅地にあるのではなく、市街地のビルのフロアを使っているところがほとんどです。時間帯は幼稚園と同じく毎日朝9時から午後2時くらいまでで、おやつも給食も出ます。

ノリハッキョは遊びの学校とは言え、毎日遊んでばかりいるのではなく、特別な教具を使ったプログラムが組まれています。例えばGABE(ドイツのフレーベルが考案した理論的積み木)を使った授業、キッズヨガ、美術、音楽、数学、科学、料理、そしてもちろん英語。先生はクラスに一人ずつの担任と、更に教える科目ごとに専門の先生を外部から呼んでいます。英語ならネイティブの先生、美術ならどこそこの美大卒業の先生、などです。受け入れ人数も1クラス10人程度と幼稚園やオリニチブと比べると少人数で、費用も月70万Wとかなり高めです。

運動面が気になりますが、ビルのフロアを使っているので、幼稚園の様な園庭はなく、運動用のスペースで体育の専門の先生と運動をしています。外遊びには月1回ほどイベントとして出かけているようです。

セキュリティもきちんとしていて、入り口にはちゃんと鍵の掛かったドアがあり、インターフォンを鳴らして入ると、まるでどこかのサロンの様な受付カウンターに受付嬢が待っています。内部もとてもかわいらしく、是非写真を撮らせてくれと粘ったのですが、子供達のプライバシーの問題があるということで、断固拒否されました。

5、英語幼稚園

英語幼稚園もノリハッキョと同様、幼稚園とついてはいますが、幼稚園ではなく塾の一種です。時間帯や給食などは幼稚園と同じような形態をとっていますが、その名の通り子供に英語を身につけさせることを目的としたものです。ここも1部屋10人前後と少人数で、費用は月70万Wくらいとかなり高めです。でも、英語教育のためにと子供を通わせたい保護者も多く、とても人気があるようです。

ノリハッキョ同様ビルのフロアを使っているので、運動面に関してはノリハッキョと同じような感じです。終日英語ばかりやっているのではなく、ネイティブの先生が英語で美術や音楽を教えています。
ここもノリハッキョ同様鍵の掛かった入り口と受付嬢がいて、写真もNO!でした。

さて、次回はもっと具体的に、私がここ数日間あちこち探し回った韓国の幼稚園について、直接侵入レポートを書きたいと思います。お楽しみに~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-02-27

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