ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第11回「続々ゴンギツネのサッカー観戦レポート、その2」

2年4ヶ月ぶりの日韓戦はフレンドリーな雰囲気で

いよいよ4月16日。2年4ヶ月ぶりの日韓戦です。去年ぐらいにこの試合があるかもしれないっていうニュースが流れたときからどれだけ待ち望んでいたか。そして1ヶ月前からは毎日のように大韓蹴球協会のHPを訪れていつチケットが発売されるのかチェックし、日本にいるにもかかわらずかなり行く気満々で、ナビけんさんにチケットを頼んでたりしてました。当初は1泊2日の弾丸観戦の予定でしたが色々あって12泊13日。色々この旅の最中にもありましたが、何が何でもサッカーを見てから帰らなくちゃ!!ということでがんばり続けて迎えた当日です。
地下鉄6号線に乗ってソウルW杯競技場まで行くと地下鉄内にはすでにユニフォームを着て観戦スタイルの人がいっぱい。嫌でも気分的に盛り上がってきます。スタジアムの前はすでに人だかりの山。相変わらず屋台が出てていったい何があるの???って感じです。ただ、韓国では当たり前だけど私が韓国の食べ物の中で死んでも食べれないポンテギが売られてて、もうその匂いが辺りに充満しているじゃないですか。うー、どうしようって感じですが、ここは韓国しょうがないです。
それにしても相変わらずのイベント好きなのは変わりないようですね。どこを見渡してもブースがあります。お客さんも並んでいるし。楽しむって事にかけて韓国は色々するな・・・って改めて思いました。私は今回で韓日戦の観戦は通算3回目なんですけど、去年のW杯共催のおかげなのか、なんかとってもフレンドリーな感じです。サポーター同士もお互いに写真撮りあったりしていて、昔では考えられなかったような光景です。前回、私が行った時は日韓それぞれのサポーターの間に警察が入っていて、それでも小競り合いが起こっていたような状況だったのを思い出すと本当にお互いの関係がいい方向に向かっているんだろうな・・と思いました。
さて、今回の2年4ヶ月ぶりの韓日戦。確かに試合は試合で楽しみなんですけど、今日はそれ以上に私にとっては楽しみなイベントがありました。かなり思い出深い選手であるハ・ソックチュの引退式です。97年のフランスW杯予選の東京での日韓戦のとき、山口のループシュートで先制してこれで日本は簡単に予選突破できると確信させてくれたのに最後にそれからの苦難の道を行くことになったハ・ソックチュの逆転シュート。そしてそのフランスW杯でのメキシコ戦での先制シュート!そのわずか2分後にバックチャージで一発退場をくらった選手です。ヴィジョンには数々の名場面のシーンが流れています(もちろん一発退場のシーンはないですが)。こうやって自分が小さいころから親しんでいた選手が引退して、指導者になっていくって言うのは自分も年をとったな・・・と改めて実感するし感慨深いです。そしてレッドデビルのほうに歩み寄ってクンチョルをしている姿を見たら・・・・・・私まで泣けてしまいました。周りは普通にサッカー見に来ている人たちの中でひとり人泣いている女。かなり異様ではありますけど、そんなことは無視して感動に浸っておりました。
試合前から相変わらず「テーハンミングック」の大合唱。さすがにサッカー専用スタジアム、音の反響し方が全然違います。今回でソウルW杯競技場に来たのは4回目ぐらいですが本当にこのスタジアムはいいです。もっと活用してくれれば・・・と思いつつ、今の韓国のサッカーの状況だとなかなか生かしきれないのが本当に残念でなりません。
今回の試合はAマッチデーということではないので安貞桓以外の海外組は全員出てないという状況で、お互い国内組だけでどんな試合になるのかっていうのが見所のひとつでした。さすがに私もKリーグはカバーし切れてないので今回の韓国代表は顔と名前が一致しない選手が多くて大変です。日本代表のほうは慣れ親しんでいるのでそんなことはないんですけどね。私の予想としては1−1で痛み分けっていうのが妥当な線かな?と思ったけど韓国側がかなり攻める!!だけど結局は最後の1本が出なくて・・・・・の繰り返し。
日本も小笠原の絶妙のループシュートもあるんだけどなかなか決定的な場面がないっていう試合展開です。そんな中、時間はすごく早く進んでいくように感じられました。お互いになんとなく決定的な決め手がないまま後半も終わりのほうになって、それまでがんばっていた韓国代表の足もどんどん止まってきてなんかやばい感じがします。後半の終了間際にどちらにもPKとられてもしょうがない場面があったし、なんかこのまま終わるのかな・・・とも見ていたけど、そのとき、李天秀がヘディングシュート!全然枠にも行かなかったんですけど、周りのアジョシ達の期待の現われなのか「李天秀!背が大きければ・・・」の声が3人ぐらいから聞こえてきます。李天秀の身長は170センチちょっとぐらい。確かに大きくはないです。だけど、そんな声が聞こえてくるなんて予想してなかったので私はそこで大笑いしてしまいました。試合終了も間近になって周りも0−0のまま終わるんだろうと思っていた本当に終了間際の一瞬。なんとなくやばそうな雰囲気の中から永井が突破してそして何が起こったのか分からないままなんとボールは韓国ゴールへ吸い込まれていました。リプレイを見るとクリアしたボールがまた永井の足に当たって多分100回やって1回入るかどうかの偶然のゴール。だけど、ゴールはゴールです。そしてそのまますぐにタイムアップ。ゴールが入った瞬間はスタジアム全体が本当に水を打ったように静まり返ってしまい、今までのあの騒ぎはなんだったんだろう?って思うぐらいの衝撃でした。

日本はジーコに代わってからの初勝利、一方韓国はコエリョに代わってからの初の1敗。対照的な結果にはなってしまいましたがこれもサッカーです。
私としては意外な結果になったけど、それでも久しぶりの韓日戦を楽しめました。次回は6月3日の横浜での東アジア選手権での対戦です。お互い海外組を招集しての試合になると思うからそれも楽しみ。これからもお互いがいいライバル同士としてこの対戦は続いていくでしょう。

ゴンギツネのサッカー観戦紀行がいつまで続くのかは分かりませんが、力のある限り、韓国に来て、またサッカー観戦の日々を送りたいと思う私でした。ああ、ワールドカップの興奮をもう一度…。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-05-09

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