ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第9回「6月15日 決勝トーナメント1回戦ドイツvsパラグアイ」

熱かったワールドカップ 諸国放浪を終えて…

"熱かったワールドカップ 諸国放浪を終えて…"

ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第9回「6月15日 決勝トーナメント1回戦ドイツvsパラグアイ」 ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第9回「6月15日 決勝トーナメント1回戦ドイツvsパラグアイ」
6月15日、いよいよ待ちに待った決勝トーナメントが始まりました。これからは引き分けなしのノックアウト方式です。今回はドイツvsパラグアイを見に行ってきました。前日に韓国・日本ともに決勝トーナメント進出を決めて本当によかったけど、一日ぐらいお休みがあったほうが見るほうにとってもグループリーグを振り返ることができていいのに・・・と思いつつ済州島に行って来ました。
前日に、今では韓国戦の風物詩になっている街頭応援で光化門まで出て応援というか珍しく人並みにまぎれてサッカーを見てきたので家にたどり着いたのが3時近くで寝たのが5時。わずか2時間ちょっとの睡眠で済州島に旅立つという強行日程です。ずっと気が付いていたけど無視してた私の体調はすでに最悪状態。2週間で6試合、この日で7試合を見るために韓国内を行ったり来たりしていたツケがまわったみたいです。めちゃくちゃ具合が悪い。見た目にはとっても健康そうに見える私ですが、実のところとっても病弱です。韓国に留学中も日本に帰る度に医者通いの日々でした。自分でも「かなりやばすぎるぞ!この展開」と思いつつもやっぱり試合が大事なのでがんばってきました。
済州島・・・・・韓国のハワイといわれるリゾート地です。温暖で、海と山があって・・・・・とってもいいところなはずです。このリゾート地をわたしはすでに2回訪れたことがあるんだけど、一度も観光したことがございません。その2回も韓国代表のアメリカ・イングランド戦を見るためという目的で訪れたからなんですけど、この済州島の思い出といえばサッカー以外には、ホテルの側のみかん畑から、友達にみかんを盗んできてもらって食べたくらい(とっても甘くておいしかった)です。まったくもってリゾート気分を味わったことがない上に、今回は日帰りの強行日程。自分で言うのもなんですが、かなりのバカっぷりを発揮していると思います。ですが、今回はいつもと違って日本から友達がきているので一応観光というわけでもないけど、とりあえずタクシーの運転手さんに刺身のうまい店に連れて行ってもらって赤鯛を食べてまいりました。うまかったです。最後のメウンタンまで堪能しました。ただ・・・・・・おいしいお刺身を食べながらも体調悪化。本当に死にそうです。この一緒に来ている友達は薬剤師&製薬会社勤務ということでとにかく薬のプロである上に、日常でも多くの薬を持ち歩いている人たちなのでとりあえず色々薬飲んだけど、ちょっとやばいです、本当に今日はって感じでした。
それでも会場に着いたらそんなことは言っていられません。特にドイツは日本ラウンドを戦ってきたので初めて見る選手やサポーターたちです。というよりやっぱり世界のサッカーバカとふれあいをしなくては!!という気持ちで頭の中がいっぱいになってすっかり具合が悪いことを忘れてしまいました。想像以上にいい人たちでした、ドイツ人。ドイツのユニフォームを着ている人が多いのはもちろんですが、なぜか頭に王冠をかぶっている人が多かったです。そしてサポーターの中には私のドイツ人のイメージを打ち破るようなかわいい男の子までいて、この試合で私のドイツ人感はかなり変わりました。
それにしたって、西帰浦は暑いです。気温は24度しかないのに太陽がジリジリと照りつけていてとっても痛い。こんなことならノースリーブじゃなくてチューブトップでも着てくればよかったと本当に後悔するぐらいの暑さでした。韓国に戻ってきてからは再び25歳とは思えないようなコギャルちっくな服装になってしまって、この5月からのスタジアム&ワールドカップ巡りのおかげでどんどん日焼けまでしているのでまったく普通の25歳からはどんどん遠ざかっている今日この頃。っていうかこんなサッカー中心の生活をしている時点ですでにダメ人間に近づいているのですけど・・・・・
ドイツはヨーロッパ予選やグループリーグをテレビで見る限りでは、強いのか弱いのかよくわからない感じでした。確かにワールドカップ3回優勝の伝統国ではあるけど、今回はプレーオフに初めて回ってやっとこさ出場できたし、世代交代も進まなかったせいで優勝候補からは外れている今大会。だから私の今のドイツ代表の印象といえば・・・・・・
・ ダイスラーが見たかった。
・ ヤンカー、どう見てもネオナチだろ。
・ 今だったらバラックとクローゼに期待。
・ カーン、実はクロマニォン人でしょ。
・ ツィーゲ(出場停止だったけど)イカしたモヒカン。
確かにクローゼのハットトリックにこの時点での得点王候補No.1にはびっくりしたけど、サッカー以外のことにどうも目が行ってしまうドイツ。ただ、実力的には贔屓目に見てもパラグアイには勝つだろうと思っていたので試合内容に期待してはいたんだけど・・・
っていうかその前に、なんなんだ!!この空席は!!!!!決勝トーナメント1回戦です。普通だったらみんなもっと注目するはずなのに・・・・確かに「島」という地理的不利な条件はあるけど、せっかくの決勝トーナメント。そしてこの西帰浦のスタジアムは来たかいがあるくらい美しいスタジアムなのに・・・すごい残念です.特にメインの2階席は空きまくりでした。なんかこんな中でやる選手もちょっとかわいそうだな・・・と思ってしまいました。
そして試合内容はこの客席と同じようにお寒い内容でした。パラグアイはそんなに両サイド高い位置からプレスをかけてきてもいないのに、ドイツはそのパラグアイにお付き合いして全然両サイドから攻撃しない。特にクローゼが今までの試合、ヘディングで得点を重ねているので特にその意識が強いのか、ただ中にほおるだけのサッカーで見ていて私の好きなオランダやスペインのサッカーとの違いを実感してました。今のワールドカップは64試合になったけど、その中にはおもしろい試合もあるし、つまらない試合もある。今日はつまらない試合にあったんだ・・・と思いながら試合を見つめていました。時間もどんどん過ぎていて後半も30分を過ぎたところぐらいでふと思い出しました。今日から決勝トーナメント、延長ゴールデンゴールもあればPK戦もあることを。やばいです。ビデオは前後半分しかセットしていません。どうしよう、このまま0−0だと延長に入っちゃって試合を全部ビデオできないことになっちゃう!!!もう試合どころではありません。どんな形でもいいから、できればドイツ勝ってくれ!ともう祈りにも似た気持ちがふつふつと湧いてきます。そしてついに87分にドイツのノイビルが右サイドをえぐった種内だーからのセンタリングで決勝ゴール。ホントこれで一安心です。とりあえず今日の一日は終わった・・・と一安心していました。あとは帰るだけ、そんなことを考えていたら・・・・・忘れていた具合の悪さがまた戻ってきました。済州空港に着いてからもまったく回復の見込みなし。ホント死ぬかと思うくらいの具合の悪さでした。薬局で薬を買ってなんとかソウルに戻ってくることができましたけど。ちょっとひどい目に遭ってしまいました。
とりあえずこの試合をもって私のワールドカップの旅は終わりのはずです。韓国の予想外の1位通過とベスト8進出で、日本に比べたらチケットの購入しやすい韓国でもちょっと厳しくなってしまったので、あとはテレビ観戦の予定。でも、もしかしたらまたスタジアムにいるかもしれません。ただ、自国開催のワールドカップを自分なりに堪能し、その上こんな風に文章を書く機会を与えてもらったことは自分にとってもすごくいい経験になりました。こんなつたない文章を読んで下さった方々に心から感謝します。どうもありがとうございました。
(fin:ゴンギツネ wrote)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-06-28

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