ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第8回「6月10日 ポルトガルvsポーランド(全州ワールドカップ競技場)」

第8回「6月10日 ポルトガルvsポーランド(全州ワールドカップ競技場)」

"韓国応援狂奏曲、そのとき私は・・・・・・"

「今度はアメリカ戦だ」というCMが流れている中、ついに10日になりました。そうです、この日は韓国―アメリカ戦。国中を挙げて応援態勢に入っている韓国です。朝からニュースはアメリカ戦一色、学校はおろか企業までが午前中で終わりか、遅くとも3時までには終わらせるというような状況です。そして地下鉄の光化門・市庁駅は試合開始1時間前から通過、警備体制も最大限で大邸ワールドカップ競技場では対空砲火・地上部隊の配備、上空はF16戦闘機とまるで戦時中のような体制です。ちょっと怖いぞ!韓国と思いながら、私はもちろん韓国戦を見に行ったわけではなく、ポルトガル―ポーランド戦が行われる全州に行ってきました。最初から韓国戦のチケットは諦めていたし、どうもあの赤いTシャツを着て応援なんて私のポリシーに反するし、大邸まで当日券を求めていく気力はもちろんないので予定通りの全州入りです。
全州に到着してすぐにやはりモーテル探し。今回は8時半キックオフの試合だからがんばれば深夜バスに乗れるけど、ちょっと疲れちゃうので泊まることにしてました。次の日のことも考えてターミナル近くのモーテルに行ったんだけど、部屋はあるというのに、なぜかモーテルのアジョシに自分の他のモーテルがあるからと、車で連れていかれ・・・・それがまたまったくわからないところで、「次の日朝早いからターミナルの近くがいい」というと、「自分が朝送ってあげるから」と言われ・・・・だけどやっぱりスタジアムから帰ってくることを考えるとちょっと知らないところはいやだったので、結局また元に戻ってその隣のモーテルに泊まることにしました。なんだかなあという感じです。
泊まるところが決まったら、やっぱり次はご飯でしょう。前回はビビンパを食べたから、今度はコンナムルクッパ(大豆もやしのクッパッ)と決めてました。タクシーに乗って前に食べたことがあるお店に行こうとしたら、タクシーのアジョシからもっと旨いという店があるらしくその店へ。タクシーのアジョシはうまい店を知ってるというけれど、確かにとってもうまかったです。ただ・・・コンナムルクッパってこんなに辛かったけ?見た目は全然辛そうに見えないのにすごく跡をひく辛さ。ただ、嫌な辛さじゃないから全部食べたけど、壁には「5歳から15歳の子供に限って辛さを加減しておいしく出します」と書かれていました。ごめんなさい、この辛さ私にとっては降参です。
さてやはり韓国戦。モーテルに戻って観戦しました。はっきり言って勝てる試合だったな・・・と思います。ただ、運がないというかなんともいえない試合。確実にチャンスは韓国のほうにあったのに自分たちの物にできなかったのは最後のポルトガル戦、ちょっと怖いです。ソル・ギヒョンも外しまくったし、チェ・ヨンスもJリーグだったら簡単に決められるようなシュートを外したりと、とってもイライラしてしまいました。なんとか同点に追いついたけどその後のあの「スケートパフォーマンス」はかなりいただけないような気がしました。ただでさえ、反米感情が高まっているような試合で、もし負けたら暴動とか起きるかもしれないのに、そんな状況の中での試合の中でますます煽ることをするのはちょっと余計な気がしました。ただ、これで勝ち点4。ポルトガル戦の結果次第で決勝トーナメント進出できるかどうか決まるわけだけど、ヒディンクは引いて守るようなことをしないといっているから、きっと殴り合いのような試合になること間違いなし!14日はかなり楽しみなことになりそうです。
そして今日のメインイベント、ポルトガルvsポーランド戦です。韓国戦を見ていたのでいつもよりは遅くスタジアムに到着しました。ポルトガル・ポーランド両国サポーターがそれぞれの格好で気合をいれていました。どちらもいい感じにお酒が入ってて一緒に騒いでいます。ポルトガルの女の子、めちゃくちゃかわいいです。今までスタジアムで見た女の子の中で一番でした。そしてポーランド人、スタジアムの前でなんとサポータグッズ売っています。今までいろんな代表の試合を見たけど、直販してるサポーターは初めて見ました。商魂たくましすぎるぞ!ポーランド。それがかなり売れていたけど。こんな世界の端っこに来てまで商売するなんて目からうろこです。
試合前からひどい雨が降り始めて、多分、韓国の試合では初めての雨だったのではないでしょうか?私は2階席でちゃんと屋根がついているところだったけど風のせいで結構雨が入ってきてカッパを気ながら観戦していました。
試合は4−0でポルトガルの圧勝。戦前、多分ポーランドは負けるだろうと予想していたけど、ここまで大差がつくとはちょっと思っていませんでした。パウレタのハットトリックにルイ・コスタの1点。フィーゴは前半全然ダメだったけど、後半になって「おー!!!」っていうようなシュートを打ったし、やっぱりルイ・コスタのプレーはすごくやわらかくて見ていて気持ちよかったです。ポーランドも両サイドからカウンター気味に攻めるんだけど、最後のシュートまでがうまくいかない!!それでもポーランドのサポーターや会場全体から「POLSKA」の大合唱はすごく印象的でした。ただ、途中でファールの場面が会場のビジョンに映されて、審判の判定とは違っていたのでポーランドサポーターからかなりのブーイングが。多分物も投げられたんじゃないかと思うんだけど、そしたらポーランドサポーターの周りにはかなりの警備が配置されていました。今大会はフーリガン問題に関してかなり過敏になっているけど、あんなふうにファールとかの微妙な判定の場面を会場内で流したら審判に対しての不信感も募るだろうし、雰囲気が悪くなるのは当然だと思ってます。自分達でフーリガンを作り出してどうするんだ!!と個人的には止めた方がいいなと思います。無駄な争いを増やすだけです。
そして、この試合中、ピッチとスタンドの間に落ちちゃった人がいて、私は直接その場面を見てはいないけど、担架が急いで運ばれている場面は見ました。ニュースによると重態らしいです。せっかくのサッカーの試合で事故が起きてしまったのはちょっと残念でした。
試合終了後も雨が降り止まず、帰りのバスを待っている列も相変わらずかなり長かったです。雨の中だから全然列も短くならずちょっとイライラ。私のすぐ後ろに並んでいた女の子は長い間待たされているせいで泣きはじめちゃっています。やっとバスに乗れる・・・と思っていたら、全然違う列ができててそこからバスに乗り始めているじゃないですか!イライラ爆発。警察がいたので一体どういうことなのか、かなり喧嘩腰で問い詰めてしまいました。いつもは友達に「喧嘩しちゃダメだよ」と言っている私ですが、昨日はちょっと爆発してしまいました。この国で生きていくには何事も「ケンチャナヨ」の精神でないといけないけど、我慢も限界になってしまうとダメですね。もうちょっと大人にならなければ・・・と思った出来事でした。
To be continued(Worte:ゴンギツネ)

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記事登録日:2002-06-24

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