ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第3回「5月31日 フランスvsセネガル開幕戦(ソウルワールドカップ競技場)」

あー開幕だよワールドカップ☆

"あー開幕だよワールドカップ☆"

ついにやってきました、ワールドカップの開幕戦。サッカー中心の生活をするために、日本を離れてから約1ヶ月が過ぎて、なんかあっという間だったような気がするけど、まだ実感がないような、ちょっと微妙な感じです。きっとスタジアムに近づけば、また違ってくるんでしょうけどね。当初はテレビ観戦の予定だったこの開幕戦も、運良くチケットが手に入って直接見ることができるようになったのですが、家を出る前まではなんか今日から開幕っていう雰囲気もなくていつもの日常の一部って気がしました。
だけどやっぱり地下鉄に乗って競技場に近づくにつれ、どんどん緊張してきたというかドキドキしちゃってました。本当に今日からワールドカップ開幕です。ちなみに私の優勝予想はいい男軍団イタリア。代表選考基準に顔もあるんじゃないかと思うくらい、いい男ぞろいで困ってしまいます。裏は絶好調アルゼンチンと、愛するラウルくんのいるスペイン。期待を裏切られつづけてきたスペインだけど今度こそ!って言う感じです。
ワールドカップ史上初のチケットの記名制とテロの影響でかなりセキュリティが厳しいと思ったので、いつものように早めに競技場に行っていました。もちろん、そうなると試合前におなかがすいてくるし、かといって試合を見ながらパクパク食べるなんて考えられないから、お弁当としてキンパッ(韓国風海苔巻き)を買って持って行っちゃいました。やっぱり韓国のスポーツ観戦の3大必須アイテムであるソジュ(焼酎)・オジンオ(スルメイカ)・キンパッは外せないでしょう。中の売店のキンパッは、やっぱり味が落ちるので行く前に買ってしまいました。日本のおにぎり、韓国のキンパッ、手軽でうまいって言うのがやっぱりいいです。
家から地下鉄で20分くらいのソウルワールドカップ競技場は、試合開始4時間以上前だというのに結構人でいっぱいでした。
いつものように協賛企業のブースがあったんだけど、その中での一番人気はやっぱりフェイスペインティング。私は絶対しないけど、サッカー気分を盛り上げるのにはとってもいいかもしれないです。
一応私のチケットは他人名義だったから緊張しながら入り口に向かったけど、身分証の提示を求められることもなくすんなり中へ入ることができました。
ただ、以前だったらカメラは電源を入れたりするだけでよかったけど、今回はちゃんとシャッターをきらないといけないみたいで、無駄な写真を撮る羽目に。警備上必要なことなんですけどね。記名制のほうは事実上無理だと思っていたから予想通りって感じです。
開会式3時間前の到着だったので、中はまだ閑散としていたけど自分の中での雰囲気を盛り上げるためにはちょうどよかったかな?って感じです。座席には付録みたいに開会式パンフとソゴ(韓国の小鼓)と蛍光ペンが置かれてて、開会式自体に観客が参加できるようになっていました。時間が経つにつれどんどん人が入ってきたんだけど、フランスのサポーターはもちろんこと、なぜか韓国ラウンドではないスウェーデン・エクアドルなどのサポーターの姿も。そしてユニフォームの色が青は青でも、どこかで見たことのある日本代表のユニフォーム姿の人たちもかなり多くいました。
私の今回の席はメインスタンド側の2階席のわりには、サッカー専用スタジアムのおかげでちゃんと見えるし、かなり満足行く席でした。だけど開会式直前になってもバックスタンド側の一部はブロックごとの空席が一杯。当日手渡しが1200枚あるというニュースは聞いていたけど、なんかせっかくの開会式なのに、満席じゃないって言うのはちょっと残念な気がします。
今回はチケット販売に関してかなり混乱しちゃっているし、実際チケットがなかなか届かなくてやきもきした人もいるし、チケット販売に限れば問題が多すぎる大会なのではないでしょうか?って始まったばかりなんですけどね。やっぱり利権がらみの会社だからしょうがないんでしょうか?だからこの先も諦めなければネットでチケット入手も可能でしょう。
そして7時半、いよいよ開会式の始まりです。まずは、いつものように民族衣装を着た方々の登場。試合前に選手より先に出てくる彼らを見るとちょっと、私のアドレナリンは減少です。やっぱり主役は選手なのにな……という気持ちが。
そして公式行事のご挨拶も順調に進み、いよいよ小泉首相の挨拶だったんだけど…なんか選挙応援みたいで笑っちゃいました。そんな風に絶叫しなくてもいいのに……。 その後、起こるべくして事件は起こりました。2日前に再選されたFIFAのブラッター会長が挨拶をはじめようとしたら一斉に会場からブーイング。前代未聞です。あまりのブーイングに挨拶の途中でブラッターが「Fair play、please」って言っていましたけど自分がそれを実践しろよ!と思わず突っ込んでしまうくらい衝撃的でした。
続いて行われた文化行事は観客も参加型だったのでそれなりに楽しめました。絶対に上がるだろうな……と思っていた花火も上がったし。別にいいんですけどね、花火はきれいだし、盛り上げるためには一番だと思うけど、だけど水平に飛んでくる花火って知ってますか?前に全州(チョンジュ)スタジアムのこけら落としの試合で、メインスタンド側からバックスタンド側に水平に花火が飛んできたときには、時期が時期だったので(ちょうど韓国でテロがあるかもしれないって言われていた頃)、実際にテロにあってしまったのかとびびりまくった記憶があるのです。今回も水平に飛んでこないようにと、祈ってしまいました。
そしていよいよ試合開始。フランス・セネガル両チームが入場しようというときに私の周りの席がまた騒然としています。なんとフランスの前監督のエメ・ジャケがすぐ近くに座っているんです!!本当にびっくりしました。前監督が観戦となればやっぱり協会側がVIP席を用意するはずなのに、なんでこんなTSTの2階席なんかに座っているの?頭の中は疑問符だらけだったけど、こんなチャンスめったにないので他の皆さんと同様ジャケの元に走ってしまいました。もちろんサインをもらって、ちゃんと一緒に写真まで撮っちゃって、それだけでもう試合が始まっていないにも関わらず大満足です。
さて、気を取り直して試合開始。なんとなく大会初ゴールはセネガルがあげるんじゃないかと予想していたら確かにそのとおりになりました。その上、それが決勝点になりフランスが開幕戦で負けるというおまけつきです。前回優勝国の開幕戦負けは90年のアルゼンチン以来。開幕戦はえてしてつまらない試合が多いけど、この試合はかなりおもしろかったです。やっぱりフランスはジダンのいない穴が大きかった………
ジョルカエフがその位置に入ったけど、いまいちボールをキープできないから中盤からFWにいいパスもあんまり行かなかったし。ケガして代表落ちしたピレスがいれば、もっと違った結果になったと思うけど、そんなこと言っても始まらないのでしょうがないですね。ただフランス側のジダンがいないっていうこともあったけど、セネガルは完全に作戦勝ちですね。セネガルは4バックが高い位置から守ってカウンター狙い。何度オフサイドになっても、ちょっと不安があるDFルブフの方を狙ってパスを送って、得点の場面もルブフがディウフに完全に振り切られて中にセンタリング。フランスのクリアミスもあったけどファティガの歴史的決勝ゴールになったわけです。
フランスはそれに運もなかったかな………アンリ・トレゼゲのシュートが何度かポストに弾かれてしまって観客席からもなんどため息がもれたことか………残り時間がなくなるにつれて「フランス、早く点を入れてくれ!」っていう雰囲気から「まさか負けるなんてことないよな」っていう風に周りがざわつき始めたのもすごい印象的でした。最後はフランスもイタリア・フランス・イングランドの得点王をトップに並べるという豪華布陣だったけどそれ以上に今までの4−2−3−1を崩して4−4−2にしたのも衝撃的でした。最後の最後までジダン不在が響いたフランスだったと思います。
開幕戦でフランスが負けるというびっくりな結果を自分の目の前で見れて、本当によかったです。フランスの1位抜けは確実で2位争いが注目されていたA組も、この結果でどうなるかわかんないグループになりました。やっぱりサッカーは強いチームがいつも勝つとは限らないっていうのがよくわかった試合でした。ただ、6日のウルグアイ戦にジダンが出ないとなるとかなりフランスは厳しいのでは?と思ってしまうような開幕戦の内容。どうなるんでしょうね。とにかく、ワールドカップが開幕しました。私もあとはこの1ヶ月突っ走るだけです。
To be continued(Worte:ゴンギツネ)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-05-31

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