ゴンギツネのサッカー観戦レポート・第2回「5月26日 韓国vsフランス評価戦(水原ワールドカップ競技場)」

韓国リベンジとなるか!

"韓国リベンジとなるか!"

いよいよ韓国代表の最終評価戦のフランス戦。実は私、去年のコンフェデレーションズ杯開幕戦のあの衝撃的な0−5の試合見ちゃっているんですよね。あれはすごかった……本当に。韓国ではよくあの0−5の悪夢から再び立ち上がって、今度はフランスに5−0で勝つなんてCFが流れていましたがさて一体どうなることか……
今回のフランス戦、当初はテレビ観戦の予定だったんです。チケット発売日当日、いつものように余裕ぶっこいてソウル銀行の支店に行ったら、開店前から人が並んでいてあっという間に売り切れたとのお言葉。いつもだったら当日券もあるくらいだというのに、今回はなぜ?の感だったんだけど、後でニュースを見たらスポンサーが半分持っていてしまったうえに、一般販売に回ったのがわずか1万枚だけだったらしくて、それじゃ5分でなくなるわけです。今回はある方からたまたま招待券をもらって直接見ることになったのですが、あまりに嬉しくて、「3回まわってワン☆」をしたといえば、どのくらい嬉しかったかわかっていただけると思います。
さて、水原ワールドカップ競技場。ソウルからは地下鉄1号線で約1時間。今回は開催日なので無料のシャトルバスで競技場まで行きました。交通規制されているのでかなりスイスイでした。今までのスタジアム巡りの中でもかなりの便利さを誇る水原ワールドカップ競技場。私は試合開始2時間前には到着していたんだけど、レッドデビルの皆さんすでに応援態勢で、競技場に入る前から応援しながら行進しています。
テンションあがりすぎて試合まで持つのか……とちょっと心配しつつも、今回はセキュリティチェックが前よりもゆるいというか、これぐらいでちょうどいいんじゃない?ってぐらいだったのでよかったです。この水原ワールドカップ競技場は確か1番最初にできたんじゃなかったでしょうか?観客席のシート一つ一つが色分けされてるので、全体的に見ても彩りのある感じのスタジアムです。ゴール裏ではレッドデビルの真っ赤な集団とフランスの青の集団が陣取っていました。ソウルにこんなにフランス系の人がいたんだ……とある意味感心してしまいました。
試合前のウォーミングアップで両チームが出てくると一気に会場の雰囲気もヒートアップ! 特にジダンの登場はすごかったです。生で見るジダンはやっぱり雰囲気あるな………って感じでした。あんまりボールを使わずに丹念に体をほぐしてたけどワールドカップ本番の試合ではないにしても、あのチャンピオンズリーグ決勝のボレーの印象が強かったので、なんかしてくれるだろうとの期待がますます大きくなってしまいます。
いよいよ試合開始。私は1−2で韓国が負けるだろうなと予想していました。結構韓国もがんばったけど、最後にはフランスに力でねじ伏せられるような展開になるのではないかと思っていました。キム・ナムイルがどれだけジダンを抑えられるか、前半15分ぐらいまでどれだけやれるのか(前回は8分に失点、それから立て続けに5失点だったので)、ここら辺を注目していました。
かなり韓国のほうはがんばっていましたね。いつもの3バックから4バックに変わっていたけど、ジダンにはキム・ナンイルがぴったりついて、もし離れたとしても他の人がちゃんとつく、ボールを持った相手には二人で取りに行ったりと、全体的な守備の意識が高かったし、最初押し込まれてそのままやられっぱなしなのかな?と思っていたら、逆に押し返して高い位置でボールを取るようになっていたのが驚きでした。今回、FWは左からソル・ギヒョン、ファン・ソンホン、チェ・テウクだったんだけど個人的にはソル・ギヒョンはサイドで真中にファン・ソンホンのこの形が一番いいと思います。ソル・ギヒョンは真中にいると真正直に相手のDFと勝負して押し返されることが多いのでその点ファン・ソンホンは無理せず相手をかわしながらポストに入れるので、一番機能するのではないかと思うんですけどいかがでしょうか?
ジダンをキム・ナンイルが完璧に抑えて仕事させてないな・・・と思った矢先、左のアンリがドリブルから中に折り返して、トレゼゲがジャンピングボレー。ちょうどDFの間に入れられて防ぎようがなかったといえばそれまでだけど、さすがイタリアとイングランドの得点王二人です。すごいとしかいいようがないです。だけど韓国側もやられていただけではなかったです。後半26分、キムナムイルが中盤からロングボールを出したところにパク・チソンが右脚でトラップ。そして左に出してデサイーを振り切ってそのまま左足でシュート!!これにはぶったまげました。多分、一世一代のゴールだったのではないでしょうか?それくらい素晴らしかったです。ちょうど私側のサイドだったのでよく見えたし、今まで見てきた韓国代表の試合の中でもベストゴールと言ってもいいぐらいホントすごかったです。
そしてもっと信じられないことに、前半終了間際にCKからソル・ギヒョンがヘディングシュートで逆転!決まった瞬間はスタジアム中が騒然となってお祭り騒ぎになっていたし、まさか韓国がフランスからリードを奪うなんて考えてなかったし、フランスの守りもちょっとゆるかったけどあんなふうに、どフリーにしちゃうのも信じられなかったけど、何はともあれ韓国が2−1のリードで前半戦終了しました。ただ、残念なことに38分にジダンが負傷退場。そして終了間際にもめっちゃがんばっていたキム・ナンイルもケガをして担架で運ばれてしまいました。はっきり言って、キム・ナンイルがいなかったら韓国代表は本当にやばいです。ジダンは開幕戦に出られないみたいですけど、キム・ナンイルはどうなんでしょうかね。心配です。
今回の席は2階席の最上段で風が結構強くてぶるぶると震えながら観戦していました。なんか飲もうかとも思ったけど売店は混んでいそうだし、動くのも面倒だったのでじーっと座っていたら隣からウィスキーの匂いがぷーんとしてきます。隣の人が持ってきていたので、よく見るとキシリトールのお徳用のプラスチックボトル(粒ガムのお徳用の入れ物)にウィスキーが入っているじゃないですか。スタジアムはペットボトル・缶は持ち込み禁止だけどそんな手があったか・・・韓国でのスポーツ観戦にはソジュ(焼酎)とオジンオ(スルメイカ)は不可欠だけどここまでするのかとある意味感心してしまいました。
後半は韓国・フランスともにメンバーを大幅に入れ替えて、今まで出てないなかった選手の試合感覚を保つためにというな意味合いが強かったと思います。選手がかなり変わってポジションも人の動きが激しかった中で、久しぶりに見ました、チェ・ソンユウ。前は結構出ていたのにあるときからパタッと出なくなっていたけど相変わらずの激しい動きしてました。
韓国がこのまま逃げ切るなんてまったく考えてもいなかったけどやっぱりあっけなく同点にされてしまいました。後半8分にFKからディフェンスの前に入られてデュガリがヘディングシュート。いつもの失点のパターンといえばそうなんだけど、それにしても一瞬の集中力がなさ過ぎのような気がします。かなりもったいない気がしました。 それとこの試合で「あー、引導渡されちゃったかな?」と思ったのがチェ・ヨンスでした。後半から出場したのに途中交替させられてしまいました。試合前のヒディンク監督のコメントからしてみるとあんまり出番はないのかな?とも思うけど、Jリーグでは活躍していてもなぜか代表ではうまく生きないっていうのはサッカーってやっぱり難しいなって思いました。
その後、どちらも決定的なチャンスを作っていたけど得点には至らなくて、このまま引き分けで終われば韓国にとって「御の字」だと思っていたけどやっぱりそれで終わらないのが韓国代表なのかもしれません。終了間際にまたFKからルブフをフリーにしてしまいました。昔の日本代表のように残りの時間をうまく使えずに、どたばたしながら守っているって言うわけでもないけど、それでも90分を通しての集中力がまだ足りないと感じられた試合でした。本番の大事なところでこういうのが出ないといいんですけどね。
とにかく韓国にとっては最後引き分けで終われなかったのはとっても痛いかったかもしれないけど、去年0−5で負けたチームから2得点も挙げたのが、大きな収穫だったと思います。最高の形で、最後のテストマッチを終えたのではないでしょうか?ただあまりにもできすぎの感があって、4日のポルトガル戦はピークを過ぎちゃっているなんてことにならないか、それとこの試合を見てマスコミ等が「16強、いや8強だ!」とイヤに強気になってプレッシャーにならないか……そんなことが心配です。そうならないことを祈っていますが。
試合終了後に韓国代表出陣式というのがありました。代表選手が大極旗を持って一周したんですけど、その中に背番号12のユニフォームを着たチョン・モンジュンKFA会長も。いやー、やっぱり芸人だな、あの人はと思った出来事でした。
テストマッチもすべて終了して後は開幕を待つだけ。一体どんな試合が繰り広げられるのか、本当に楽しみです。
To be continued(Worte:ゴンギツネ)

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記事登録日:2002-05-26

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