釜山生活★めまんちゃの視点・第5回「韓国の洗濯事情を主婦の視点からチェック! ~主婦の知恵~」

第5回「韓国の洗濯事情を主婦の視点からチェック! ~主婦の知恵~」

「セタ~~ッ、セタ~~ッ」
平日の午前11時ごろになると、私が住むアパートではこんなおじさんの声が廊下から聞こえます。初めは「セタ」ってなに?!と思っていたのですが、声の主は近所のクリーニング屋さんでした。クリーニングは韓国語で「セタック」漢字で書くと「洗濯」です。私が聞いた「セタ~~ッ」はクリーニング屋さんが「何かクリーニングするものがあったら承ります~」という意味で廊下を歩きながら叫んでいたのです。
このクリーニング屋さんには、私はスーツや布団、ネクタイなどを預けたことがあります。「セタ~ッ」の声が聞こえると、すかさず外にでておじさんを呼びとめ、クリーニングをあずけます。おじさんはこちらの名前も聞かずに「ありがとうございます。」と言ってクリーニングを受け取って行ってしまいます。初めは不安だったのですが、どうやらアパートの建物と部屋番号でわかるらしく、預けたクリーニングは2,3日後にきれいになって戻ってくるのでその時に代金を支払います。
クリーニングされたものには日本のように透明のビニールが被せられているのですが、そこには「コンピュータークリーニング」の文字があることがあります。「なんでコンピューターなの?」と思い友人に尋ねると「手洗いでなく機械で洗っていますよ」という意味なのだとか。これが正しいかどうかはさておき、たしかにクリーニング屋さんの前を通ると看板に「コンピュータクリーニング」の文字が見られる時があります。やっぱり手洗いではないという意味なのでしょうか・・・謎です。
クリーニング屋さんにはたいてい配達用のバイクがあり、後ろに預かった服などが入れられるように籠が取り付けられています。この籠には穴の開いたパイプのようなものが取り付けられており、ハンガーが掛けられるようになっていてとっても合理的です。
ところで、洗濯物を全てクリーニング屋さんに預けることができればれば楽なのですが、そうもいきません。次に、とある主婦の方から教えてもらった「主婦の知恵」をお伝えします。
韓国でも日本でも洗濯機を使うのは同じなので、ここでは日本ではあまり見られないやり方をご紹介します。大型スーパーに行くと洗濯用品売り場があり、粉または液体の洗剤や柔軟剤、漂白剤などが所狭しとならんでいます。週末に行くと売り子のお姉さんが商品を手に大きな声で商品を売ろうとしている時もあり、見ているだけでもおもしろいです。今回はとある主婦の方のおすすめで4つ1000ウォンの固形せっけんを買ってみました。私が買ったのは、「再利用せっけん」といって表示を見ると「廃食用油を利用して作りました」と書いてありました。
この固形せっけんで汚れのひどいものや黄ばんでいるものを軽く手洗います。手洗いするときは洗濯板を利用する人も多いそうです。そのあと深さ20センチほどの大きな鍋に入れます。「え? 鍋?!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここからが韓国流「主婦の知恵」なのです。せっけんをつけた洗濯物を鍋に入れたら今度は洗濯物が浸かるぐらいまで水を入れます。ここで水を入れすぎないのがポイントです。入れすぎると後で「煮た」時に溢れて大変なことに・・・。そして粉の漂白剤(なんでも「オキシクリン」という製品がおすすめなんだとか?!)を入れ、全体に行き渡るように混ぜます。そしてそれをガス台にのせ、グツグツと煮るのです!そして煮ること約30分、洗濯物は真っ白になります。
鍋から洗濯物を取り出し、水洗いをします。柔軟剤を入れたい場合は、そのすすぎの水にちょっと液体の柔軟剤を入れます。そして最後に、洗濯機などで脱水をしてあとは普通に干せばいいのです。私は今まで漂白といえば漬け置きか洗濯機に初めに漂白剤を入れてしまう、というやり方をとっていたので洗濯物を「煮る」という発想はとっても斬新でした。 なんでも、このやり方は「漂白」のほかにも「消毒」の意味もあるそうです。

さらに「煮る」際の注意としては・・・

煮るのは綿100%の製品に限る。
煮るのはタオル、下着、ふきん、シャツ、ハンカチなど。
色ものは、色落ちしてほかの白いタオルなどに色が移るので注意、しかし、色が移ってしまっても何度か煮ているうちにまた白くなる。

洗濯を脱水までしたら、今度は「干す」作業です。干す作業なんてどこの国でも同じ・・・。しかし、洗濯を干す道具に日本ではあまり見られないものがあります。それは「洗濯台」とこちらでは呼ばれているもので、ステンレス製の「台」です。大型スーパーに行くと2~4万ウォンくらいで売っています。韓国ではこの台を玄関先やアパートのベランダや美容院の前に広げ、洗濯物を干す風景が良く見られます。下の方には靴の形をした部分があり、靴も干せます。また、一戸建ての屋上には洗濯を干すためのロープがあり、そこに洗濯物が干されていたりして、まさに「日常の風景だなぁ」と思います。
洗濯にみる釜山の日常生活、いかがでしたか。次回も釜山で遭遇する「日常」をご紹介したいと思います~。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-08-10

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