釜山生活★めまんちゃの視点・第2回「釜山の日常生活風景~トラック編~」

第2回「釜山の日常生活風景~トラック編~」

こんにちは。めまんちゃです。2007年になってしばらく経ちました。初日の出の感動もどこへやら、いつの間にか普段どおりの毎日が戻ってきました。  さて、今回は「釜山の日常」と題して、釜山に住みながら良く目にする風景、事物をテーマにリポートしていきたいと思います。その中でも今日は「トラックの物売り」がテーマです。釜山で買い物をする時、もちろん日本のようにスーパーやコンビニ、市場でも買い物ができます。しかし、今回は敢えて「トラック」にスポットライトを当ててみようと思います。  
朝になると早い時は午前8時ごろから、遅い時でもお昼前にはトラックが売り物を大量に積んでやってきます。「トラックでの販売」と聞くと店がまったくない僻地にでも住んでいるのか?!と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この種のトラックは決して買い物に不便な場所に住んでいる人のために来てくれるわけではなく、周りに店があるかどうかは関係なく、ごく普通の店のようにそこに「いる」のです。
トラックが積んでくる商品はさまざまです。季節によって多少の違いはあるものの、よく見かけるのは野菜やくだもの、魚や貝などのシーフードですが、他にも卵、服、くつ、干物、豆、韓国の伝統的なスナック菓子などのトラックも見かけます。今は冬なので甘栗、そして果物ではみかんやりんご、ざくろなどが多いのですが季節によっては文字通りトラックいっぱいに積まれたメロンやスイカ、梨、柿、干し柿、ぶどう、バナナ、すもも、もも、いちご、キウイ、トマト、プチトマト、ゆず、カリン、マクワウリ(日本ではあまり見られませんが)など、種類もかなり豊富です。
トラック同士の協定があるのかは定かではありませんが、いつも同じところに店を構えているトラックがいると思えば、場所を決めずにあちこち移動するタイプのトラックもあるようです。荷台を見ればなにを売りに来たのかは一目瞭然なのですが、わかりやすいように大きな字で商品名が書かれた旗や横断幕、値段が手書きで書かれた紙(ボール紙?!)を貼り付けているトラックや、どこで採れた、どんなものを、いくらで売ってるか?!放送しながら売っているトラックもあって非常に個性的です。その放送もテープに吹き込んだもの、おじさんがマイクを持って放送しながら売っているものがあり、さまざまです。特にここは釜山とあって、売り主(兼運転手?)のおじさんの声らしきアナウンスが釜山弁で流れているのを聞くと、なんだか微笑んでしまいます。
もし、買いたいものをトラックが売りに来たら、まずは値段をチェックです。果物の場合だと試食があるところも多いので、食べてみてから買うかどうか決めることもできます。売り方は、韓国ではよく見かける直径25cm弱の濃い赤色の洗面器(?)(釜山では「たらい」という日本語で通じる時が多々あります)のような容器や料理で使うザルに商品(みかんやキウイなど)が山盛りになっていて、洗面器ひと山でいくら、という売り方が主流です。いちごがおいしい時期になると、いちごが潰れてしまわないようにという配慮からか、洗面器ごと売ってくれるときもあります。この洗面器のような容器はプラスチック製なので、いちごを全部食べた後は、家のお風呂で使ってよし、他で買ってきた野菜や果物を入れて保管してよし、はたまた漂白したい洗濯物をつけるのに使ってもよし・・・と、いろいろな方面にリサイクル可能です。
りんごやみかん、トマト、なし、柿、などは箱単位で売っている場合もあるのですが、もし「量が多すぎる」と思ったら売り手と交渉してみることもできます。私は、以前一人暮らしをしていた時は、食べきれないから・・・と量と値段を半分にしてもらったこともよくありました。この交渉は、一般のスーパーやコンビニでは聞き入れてもらえない場合が多いようです。そして、何度も同じトラックから買うと売り手のおじさんやおばさんが顔を覚えてくれることもあり、みかんを買ったのにりんごや他の物をおまけとして1,2個くれたりして、うれしい驚きもあります。そして中には買った品物を家まで届けてくれるサービスがあるトラックもあるので一言、尋ねてみる価値ありです。その反面、値段設定は高く売れる地域では高めにしてあるとの話をきいたことがあり、トラックの数だけ商品の種類、売り方、サービスがあるといった感じです。
このようにトラックでの買い物は、「量や値段の交渉ができる」「思わぬ嬉しいおまけがついてくることがある」そして「韓国語の練習になる」という点がある反面、「取りたてを運んでくるせいか野菜などはスーパーで買うものよりも念入りに洗わなければならない」「買おうと思って行ったら、その日はすでに店じまいをしていなくなった後だった」「常に移動しているトラックから買ったものが不良品でも後で苦情を言いに行くところがない」などの面も合わせ持っています。旅行者の方でも、この両方を踏まえたうえでトラックから買い物をしてみると「釜山の日常生活」が少し垣間見られるかもしれません。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-01-26

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