釜山の名物料理「東莱パジョン」

市場で生まれた釜山の郷土料理「東莱パジョン」

アンニョンハセヨ、プサンナビです。釜山の名物料理を詳しく紹介していくベストフード企画も今回で第7弾!今回は、釜山の郷土料理の代表とも言える「東莱パジョン」をご紹介します。ええっ!ただのパジョンじゃん!なんて思った方、このパジョンは、李氏朝鮮時代、宮廷に献上された釜山の中でも最高の献上品のひとつで、ただのパジョンとはちょっと違うんです!トロッとした食感がまた違ったパジョンの魅力を教えてくれる東莱パジョン!釜山を代表する郷土料理の献上品として選ばれた東莱パジョンの魅力に迫ってみることにしましょう。
東莱パジョンとは?
1920 年ごろ、名前の通り東莱にある市場内で商人などの昼食代わりに登場したのが東莱パジョンの始まりだと言われています。市場で比較的手に入りやすかったネギや海産物などの材料で作られたパジョンは、商人だけでなく買い物客にも好評で、そのウワサは釜山中に広がり、いつの間にか東莱パジョンを食べに市場へ行く人が増え、東莱の郷土料理として釜山の人たちに認知されたんだそうです。その人気に伴い、李氏朝鮮時代には、宮廷に献上する釜山の郷土料理として選ばれ、宮廷の方々に好まれていた料理の一つになったんだとか。当時は、東莱パジョンを作るお店が市場内でも8軒近くあったそうなんですが、月日が経つにつれ、その味を継承するお店がなくなり、現在は唯一「東莱ハルメパジョン」が継承しているだけになってしまいました。そのお店の継承者金貞姫さんは、東莱パジョンが始まった当時から4代目の継承者で、韓国伝統文化保存会から伝統文化保存名人に任命されるなど、国からも認められた技術の持ち主なんです。
他のパジョンとの違い?
日本人が好きな料理の一つパジョンなだけに、何が一般的なパジョンと違うの?という疑問を持たれる方も多いと思います。先ず、一番大きく違うのは、中身がトロッとしていてパリパリ感がないということと生地の中にイカが入っていないという2点です。トロッとしている生地にするための秘訣は、小麦粉ではなく、もち米の粉を使って、単に焼くだけでなく出来上がり直前に蓋をし、蒸すようにパジョンを作り上げるんだそうです。一般的なパジョンは、焼きながら上から押さえつけるのでカリカリになり、つぶれてしまい、せっかくの旨味が逃げてしまうんですが、東莱パジョンはトロッとふっくらと作るので旨味が逃げず生地の中に詰まったまま出来上がるということでした。また、具にも特徴があり、海鮮物の他にも牛肉を入れ、まろやかさを出しているんだそうです。
東莱ハルメパジョンの作り方
1. 熱した鉄板に油を引き、約20cmほどにしたネギをのせます。ネギは外側を外した中の芯を使うとより弾力感が出てよいそうです。
2. ネギの上に海産物と牛肉をのせます。ホタテ、カキ、ハマグリ、エビに牛肉のみじん切りしたものを混ぜたもの。
3. 具の上にかぶせるように同じ量のネギをかぶせます。。
4. ネギの間に具を入れていくような感じでネギと具を焼いていきます。す
5. 少しネギがしんなりしてきたら、ネギの上に生地をかけましょう。生地はもち米の粉と牛肉を煮込んだだし汁を混ぜたものです。少し緩いくらいに生地を作るのがポイント。
6. 生地が固まらないように少しずつネギと生地を絡め、パジョンを四角の形にしていきます。このとき、ネギを折らないようにしましょう。
7. 卵を割って軽くとじ、4角の形になったパジョンの上に卵をかけます。卵が生地の下に落ちないように工夫しながら。。
8. パジョンがすっぽり入ってしまう蓋で蓋をし、パジョンを3分くらい蒸し焼きしまして、出来上がり。。
東莱ハルメパジョンの食べ方
パジョンというと醤油ベースのタレで食べるのかな?!と思っていたナビなんですが、東莱パジョンは、チョジャン(コチュジャンとお酢が混ざったもの)をつけて頂くのが本当なんだそうです。韓国では、お刺身を食べるときにチョジャンをつけるんですが、海鮮がたっぷり入ったパジョンなだけにチョジャンで頂くのでしょうか?また、パジョン自体にも味付けがされているので、何もつけずに食べても十分おいしく食べれます。
東莱ハルメパジョンが食べられるお店
1920年の当初から現在まで続く店は、東莱ハルメパジョンだけといわれています。当時の味が楽しめるだけでなく、スタッフは韓服を着ていたり、韓国伝統音楽が流れているので、かなり味わいある雰囲気が楽しめるようにもなっているのが特徴です。

カルビや海産物を食べつくしたら、東莱パジョンを一度試してみてください!きっと新たなパジョンの魅力に驚かされるでしょう。一度食べたら、忘れないそんな旨味の詰まった一品です!以上、プサンナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-10-29

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