「アイドルとメタルの融合」をテーマに世界的な活躍がめまぐるしいメタルダンスユニット・BABYMETAL。
ファンになったものの、ライヴの機会がほとんど無く、見に行ったことがありませんでした。なにせ、去年一年で日本の地上波TVに出演して歌ったのは2回だけ、一般向けの国内ライヴも1ヶ所だけ、ただそれも東京ドーム2Daysというのですから、規格外です。
そこに、1/11にヘヴィメタルの重鎮・Metallicaのソウル公演にオープニングアクトで出演するという情報が。
これは行かねば!1/10-12の直行直帰の予定で迷わずチケットを取りました。
その後カレンダーを見ると、1/9は成人の日で祝日ではないか。
ならばと、早めに韓国へ行ってぶらぶらすることにしました。
1月7日。博多港からカメリアラインで出発です。
12:30出発、18:00に釜山に到着。5時間半の昼の航海です。
正直に言いましょう。昼の5時間半のフェリーは退屈ですね。いろいろと施設はあるのですが、5時間半も時間を潰すのは大変です。これが夜行であれば酒でも飲みながら寝てればいいし、パンスターフェリーも何度か乗りましたが、あちらは18時間の航海も長いと割り切りが出来るし夜はエンタメショーもあるので、不思議と長い航海も苦にはならないのですね。昼の5時間半というある意味中途半端な時間が退屈を生んでいるのかも知れません。
もちろん、1日1往復を実現するために必要なダイヤですから、致し方ないところです。帰りは夜行ですからそんなに苦労は感じないでしょう。ここは割り切りです。
自分は予習がてらMetallicaのニューアルバムを聴きながらKindolで読書していました。客室にはコンセントがありますので、ビジネスマンでしたらノートパソコンを持ち込んで一仕事するのにはちょうどいい時間かも知れません(コンセントを使用するときは、他の乗客のためにも三叉タップなどを持参しましょう)。
18:10に韓国上陸。イミグレーションを済ませて、まずは両替。国際旅客ターミナルには釜山銀行の営業所があり、ここで両替します。ここで、プサンナビで提供されている、両替手数料30%割引のクーポンを使用します。
この日の円-ウォンレートは100円=980ウォン。これがクーポン提示で994.3ウォンで適用されました。5万円両替したら7,150ウォンお得な計算です。
続いて、旅行中にインターネットを使用するために、レンタルwifiルータを借りました。渡航前に予約して、バウチャーを窓口で提示します。
結果からいいますと、私が行動した韓国国内、鉄道のトンネル以外はほぼ使用できました。バッテリーも満充電の状態でほぼ一日中使用できました。念のため大容量バッテリーがあると安心ですが、本体の充電にはマイクロUSB端子が使用されているので、日本で日常的に使っているバッテリーがあればそのまま使用できます。
港を後にして、KORAILの釜山駅へ。ここで、KORAIL PASSの発券を行います。今回は鉄道はソウルまでの往復くらいの予定でしたが、フレキシブルパスが新たに出来ていたので、試してみることにしました。10日間の内に任意の2日・4日を選ぶもので、中日を置いて単純に釜山~ソウルをKTXで往復するだけでもフレキシブル2日の方がお得です。今回は、目的のライブの前後日、10日と12日を選びました。
釜山駅からムグンファで1時間15分、清道に着きました。よくある小さな町です。お腹が空いたので、チュオタンで夕食。清道駅の近くには多くのチュオタンのお店があり、ここの名物でしょうか。以前、南原でもチュオタンを食べましたが、そちらでは唐辛子で真っ赤で辛いものでしたが、ここのチュオタンはそんなに辛くありません。
明けて8日、この日の行動開始。駅前のロッテリアで腹ごしらえしてから、バスに乗り込みます。
ここでトラブル。バスターミナルにカメラを忘れてしまったのです。旅の早々、やってしまった。
目的地に着いてから、早速観光案内電話1330に電話して相談してみます。困ったときはとりあえずこちらに電話してみることにしています。すると、早速忘れたバスターミナルに連絡を取って貰い、カメラを確保してくれました。乗客も少ない地方の町だったのも幸いしたのでしょうが、迅速な対応にただただ感謝。遊んだあとにバスターミナルでピックアップすることにしました。
この日訪れたのは、清道闘牛場。2011年から公営競技としても始まりました。清道自体が地方の町で、交通の便もあまり良くないので、闘牛で遊ぶのなら一日がかりで来る心づもりが必要かも知れません。
11時頃から牛券の発売開始。出場表とにらめっこしながら、マークシートに買い目を記入、牛券を購入します。出場表は全部韓国語ですが、ハングルを読み下すことが出来ればなんとなく意味は分かります。
闘牛は1日12試合あります。牛の肩に赤と青の印が付けられていて、どちらの牛が勝つかが勝負です。数秒であっけなく終わる試合もあれば、20分以上の熱戦もあり、なかなか見応えがあります。30分で引き分けになるようですが、私が観た日には引き分けはありませんでした。
牛券は100wから買えます(上限は10万ウォン)。この日初めて当たった牛券、なんと795.1倍になりました!ただし、買ってたのは100w(約10円)だけ。それでもおよそ8,000円になると思うと儲けた気がします。
この日一日で10万ウォンくらい使って、15万ウォンくらいの払い戻しになりました。ただ、余興で買ってた牛券がたまたま当たっただけで、本気で当てに行った時単勝の的中は12試合中1試合だけ、赤青の当たりすら3試合しか当たらなかったので、難しいものです。
闘牛が終わり、バスターミナルでカメラをピックアップし、ムグンファで大邱へ。清道から大邱行きのバスがありそうなものですが、残念ながらありません。
大邱に着いて、食べたかった料理。北海道のある人気ローカル番組で、サイコロを振って韓国のグルメを巡る企画があったのですが、この中に「大邱でチョジゲッサル」という選択肢がありました。何これ?
番組が放映されていた当時の旅行ガイドを参考に、大邱で見つけました。チョジゲッサルとは牛の後ろ足内側の肉のことで、これを生でぶつ切りにしてごま油と唐辛子、ニンニクのタレで食べる「ムンティギ」という料理のことでした。店のメニューには「センコギ」の名前で載っています。
噛めば噛むほど味わい深く、これぞ珍味!ちなみに番組放映時のガイドブックに載っていた、ターゲットにしていたであろうお店は閉店していました。
この日は東大邱のモーテルに宿泊。
大邱 / テグ
ソウル、プサンに続く韓国第3の都市、リンゴと美人の街!
翌日、バスで浦項に行くことにしました。出かける前に仕入れていた情報では、浦項へのバスは東大邱の南の方にある大邱東部市外バスターミナルとのことでしたが、実際に着いてみると12月12日に閉鎖されていました。大急ぎタクシーで東大邱駅前のバスターミナルへ。このバスターミナルに路線の多くが集約されているようでした。
浦項に到着。市外バスターミナルは初めて来ました。浦項へは3度目かな?過去にじっくり楽しめなかったところがあったので、立ち寄りました。
バスで移動するので、交通カード「T-money」を近所のコンビニで購入。「交通(キョトン)カード」で通じます。バスに乗車するのにT-moneyを使用すれば運賃が現金より割り引きされます。購入しただけでは中身は空っぽなので、同時にチャージします。ソウルや釜山など全国でも使用できるので、便利です。
先日、コンビニなどの買い物の際におつりをT-moneyにチャージしてコインを節減する実証実験が始まるとの報道がありました。もし実用化されたらかなり便利になりそうです。
まずは、竹島市場へ。プサンナビでスジェビ通りがあるということで、行ってみたかったのです。何年か前に自転車旅行をしていた際、馬山でたまたま入ったのがスジェビ屋さんで、美味しかった記憶があったので、ナビさんを頼りに行ってみることにしました。
竹島市場は以前行ったことはありましたが、この時は刺身を堪能しました。スジェビ通りというからにはスジェビ屋さんが並んでいるのかと思ったのですが、自分が気がつかなかっただけかも知れませんが、集中して林立しているということはなく、そこらへんにぽつりぽつりとある感じでした。
とりあえず、適当なお店に入り、頂きます。優しいお味で、美味しかったです。
スジェビを頂いて、次に向かうは九龍浦。前に来たときは自転車旅行で通りがかりにムルフェを食べただけで、あまり観光らしいこともしてなかったので、改めて来ることに。
九龍浦は日本統治時代に日本人漁民によって発展した漁村。日本家屋が多く残っています。各家屋には由来書きがあり、往時を偲ばせます。
かつて九龍浦神社のあった場所。石段が名残を残しています。両脇には建造当時の日本人たちの奉納者の名碑が並んでいたはずですが、現在は韓国の人の名前になっています。当時境内だったところは、現在は朝鮮戦争で戦死した人を悼む忠魂閣になっています。
更に奥には「クァメギ文化館」なる施設がありましたが、月曜日は休館日。なんか気になります。
そして、目的にしていた九龍浦近代歴史館。なんとここも月曜休館!あらかじめ確認しておけば良かった。
この日は九龍浦で泊まるつもりにしていたので、明日出直すことにしました。
この日一番の楽しみは、ここでクァメギを食べること。サンマを寒晒しにして生干しにした厳冬期限定の浦項の珍味です。以前、3月中旬に来たときにはもうシーズンが終わってて食べられませんでした。今回こそは!
九龍浦で目立つモーテルに泊まり、近くの食道へ。サンマ特有の旨みが濃厚に凝縮されてて、美味しかったです。お店のおばさんはしきりにコチュジャンとニンニクを添えてサンチュに包んで食べるように勧めてきましたが、魚特有の生臭さは韓国の人には馴染みがないのでしょうか、日本人の自分にはこの味は好みなので、なにも付けずにそのままほいほい食べました。コチュジャンは付けても美味しいかな。
翌朝、前日行きそびれた九龍浦近代歴史館へ。元々日本家屋に韓国の人が住んでいたところを保存のために浦項市が買い取り、公開しているもの。当時の日本人たちの営みをうかがい知ることの出来る展示、元住民たちの映像展示、九龍浦伝説の展示など、それなりに観ることが出来ました。九龍浦に来るならここもセットで外せません。
あ、クァメギ文化館はそれらしいものはあったものの大した展示はありませんでした。
九龍浦での見物も終わり、バスで竹島市場へ。そこから浦項駅への行き方が分からなかったので、タクシーで向かいました。以前は駅は街中にあったのに、本当に郊外に移転しちゃって。ちなみにバス路線は何本かあるようでした。
ここでKORAIL PASSを使用、ソウルまでKTXでひとっ飛びです。
国鉄浦項駅
鉄鋼の街、慶尚北道ポハン(浦項)の玄関駅
ソウルに着き、まずは韓国仏教総本山の曹渓寺を参拝。本堂の中は撮影禁止でしたが、大仏が3体あり、本当に多くの熱心な信徒の皆さんが念入りにお祈りしていました。私は日本式に般若心経一唱。
曹渓寺
仏教の最大宗派である大韓仏教曹渓宗の総本山!仁寺洞からもスグ!
曹渓寺の近くには日本大使館があります。そういうことで、見てきました「例のあれ」。この日はひっそりとしていて、自分の他には見物の一人が来ていただけでした。
日本大使館は改装再建中。フェンスに囲まれていますが、こういう風な位置関係で置かれています。まぁ、確かにこれは怒りますわ。
韓国に来たついでに、龍山でBluetoothのハングルキーボードを買いました。日本ではなかなか買えませんもんね。25,000ウォン。
ライヴの行われる高尺スカイドームの最寄り駅の九一駅の隣り駅、開峰駅付近で宿を確保。ここならスカイドームから徒歩圏内です。ライヴの終演予定は23:00、アンコールも含めたらかなり遅くなるのでここにしました。
夕食に駅前のカルビ屋さん。なかなかのジャンボサイズで満足です。
さて、いよいよライヴ当日。開場は18:30なので、時間があります。まずは再び、北海道のある人気ローカル番組で、サイコロを振って韓国のグルメを巡る企画。朝ご飯にこの番組の出演者が食べた韓国菓子を食べに行きました。トックとシッケ。番組の演者の一人は甘いものが苦手と言うことでしたが、全然甘くなくすっきり頂きました。
その後、梨大~新村をぶらぶら歩いていて、なんかすることがないなぁ、と思い、結局やる頃が思いつかず、昼過ぎに早めにスカイドームに行くことにしました。
Metallicaさんの幟。メインアクトです。なんか、ぞわぞわっと気が上がる。
もう行列が出来てる。えーっと、開場5時間くらい前なんですけど。見るとほとんど日本人のBABYMETALファン。オーストラリアから駆けつけたファンもいました。BABYMETALはライヴごとに記念のTシャツを販売しているので物販目当てでしょう。自分も買うつもりではあったけど、もう並ばれると自分も並ばざるを得ない。
15:30ごろ、物販開始。いやぁ、皆さん見事にメインのMetallicaさんスルーでBABYMETAL一直線。この日は平日ですから、韓国人のファンは仕事なり学校なりで遅めの来場になるんですよね。後で聞くと、物販がもう売り切れてたから韓国人ファンとの間で一悶着あったとか。自分は無事に購入。
スカイドームに入場。東京ドームや大阪ドームと比べたら小さめかな?ステージのセッティングの違いもあるのでしょうが、この日のスカイドームのキャパは25,000人、昨年東京ドームで行われたBABYMETALのライヴのキャパは55,000人です。写真は開場直後なのでガラガラですが、次第に埋まりました。
いよいよライヴが始まります。BABYMETALの出番は40分。まぁ前座ですから短いのですが全力プレイで初めて見るBABYMETALに感激しきり。最後の曲では涙が流れてきました。
トピック的には、バックバンドでいつもベースを務められている方がスケジュールの都合で不参加、かわりに新しいベーシストに演奏して頂きました。貴重なシーンに立ち会うことが出来てある意味幸運でした。また、韓国人観客の反応も独特で、メンバーもちょっと困惑気味。それでもそれなりに楽しんでもらえたと思うのでいいでしょう。
メインアクトのMetallicaさん。さすがに結成35年以上の大御所です。BABYMETALの3人のお父さんより年上じゃないかな?圧巻の鉄板プレイで圧倒されました。オールドファンが多いと思いきや、韓国では意外と若いファンが多いようです。オールドナンバーでも大盛り上がりだったのが面白かったです。
ちょっと苦言を呈するとすれば、当初は20:30-23;00の予定が、30分押しで始まり、アンコール含めて20分押しの終わり。きっちり2時間半やって欲しかったかな。
宿に戻るときには0時を過ぎていました。遅い夕食を取りつつ、この日トランプ氏の大統領就任前記者会見があり、NHKが映ったので見てました。何というか、アメリカが誇るべき、アメリカを尊敬すべき点を見事に全部ひっくり返す迷会見でした。そんなこんなで3時になってしまい、就寝。
目が覚めると、なんと昼1時ではないですか!最近寝不足なんですけど、こんなときにまとめて睡眠取らなくても。この日は釜山へ帰る途中で立ち寄りたいところがあったのですが、ソウル発のKTXが15;40しか空きがなく、そのまま釜山に直行。昼ご飯にソウル駅のロッテリア。
ソウル駅
空港や郊外、地方旅行へ行くときはここソウル駅から出発!隣接するロッテアウトレットも注目のスポット!!
韓国最後の夜は東横イン釜山駅2。日本でも馴染みのホテルで、フロントの方も日本語が堪能。韓国最後の夜はいつもここにしています。
東横INN釜山駅2
東横INN釜山駅2は釜山の中心部にあります。国際市場や龍頭山公園は徒歩 15 分圏内です。 このホテルは、広安里ビーチまで 9.8 km、海雲台ビーチまで 14.2 km の場所にあります。
東横インの近くに、日本人の方が経営されているハンバーグレストランが一昨年にオープンしています。あぁ、一週間くらいなのになんか懐かしくなる味。店主さんは気さくに話しかけてくれて、ホッと心が落ち着きます。「こんな時によく来ましたねぇ」、ごもっとも、「例のあれ」ですね。
韓国最終日。まずは東海線に広域電鉄が運行開始したと言うことで、乗ってきました。東海南部線の路線が変更され、海雲台駅が街外れの新海雲台駅に移転され、海雲台に行くには不便になったんじゃないでしょうか。現在は日光駅までですが、将来的には蔚山・慶州まで延伸されるようです。現在は朝夕の通勤通学時間帯以外の日中はおよそ30分おきの運行で、正直不便です。路線が全通すれば改善されるのでしょうか。期待しましょう。
釜山に来たらテジクッパを食べることにしてるのですが、西面のテジクッパ通りに行くと、博多ラーメンの「美味堂」が出店してるではないですか。釜山大の店で食べた時に美味しかったので、今回はこちらに。やはり美味しゅうございました。
その後、時間があったので釜山鎮から中央洞までぶらぶら歩きました。途中、草梁の在釜山日本総領事館に立ち寄る。そう、今ホットな話題の「例のあれ」です。当初は撤去するしないで一悶着あったけど、今ではガッチリ固定されています。
なんとなく観光地化してます。前のソウルと違い、この日は結構人だかりしてました。こんな風に記念撮影する人多数。
ちょっと分かり難いかも知れませんが、位置関係。だから、こういうの怒るってば。
その後、コンビニでお土産を買ったり、銀行口座の残高を確認したり(韓国の銀行に口座を持ってます)して、フェリーのチェックイン2時間前くらいに旅客ターミナルに到着。この夜、カメリアラインで帰国しました。
「例のあれ」の件で、渡韓前は周囲からいろいろ心配されましたけど、実際に現地に行くと韓国の人個々人は相変わらず人懐っこく、いろいろと親身に接して頂きました。ホットスポット的に嫌な雰囲気のする場所もありますが、現地は至って平穏です。お互いいろいろと意見の違うところもあるでしょうが、そこは「近いところにある別の国」、お互いを尊重してその違いを含めて楽しむところは精一杯楽しむ、それでいいんじゃないかと思います。