北のピンデトッ、南のパジョン!
アンニョンハセヨ、プサンナビです。今日、皆さんにご紹介するお店は、ピンデトッ&パジョンの専門店。パジョンはピンとくる人も多いと思いますが、ピンデトッて?と首を傾げる人もいるはず。ピンデトッとは、北朝鮮版のパジョンのようなもので、緑豆を臼で挽いたものを油で香ばしく焼いたものをいいます。お店に近づくにつれて、油の香ばしい香りが漂い、食欲を誘われるこちらの「チョンロピンデトッ」を見て行きましょう。
軒先でパフォーマンス?!
お店の場所は、国際市場の脇に位置する庶民的な富平(プピョン)市場の中にあります。国際市場で働く商人などが行き来するところでもあり、いつも賑わっている場所にお店はあります。その通りの中でも一際目立つお店が、こちらのチョンロピンデトッさん。店先にある大きな鉄板の上ではパフォーマンス的にピンデトッやパジョンを焼いているんです。この光景に誘われてお店に入ってくる人たちもいるほど、おいしそうな香りが界隈に充満しているんです。
ピンデトッ?
お店の名前にもなっているピンデトッとは一体何?ということで、ピンデトッを詳しくご紹介します。もともとピンデトッは北朝鮮で始まった食べ物だといわれているため、韓国国内でも北朝鮮に近いソウルが有名です。また、李氏朝鮮時代から食されていたと伝えられる伝統料理の一つでもあるんです。特に、100%緑豆だけを使用したピンデトッが良く知られ、おいしいとされています。こちらのチョンロピンデトッさんも緑豆100%でピンデトッを作っているので、本場のピンデトッを味わうことができちゃうんです。
こちらのチョンロピンデトッさんでは、緑豆本来の香ばしい香り、そしてビタミンが失われないようにミキサーなどを使って緑豆を潰すのではなく、石臼を使い毎朝、その日の分だけ丁寧に挽いているんだそうです。石臼で挽いた緑豆は、ミキサーの歯で潰したものよりも味に違いがでて、食べてみるとわかるんだそうです。「ミキサーで楽に潰すのは簡単だけど、ゆっくり愛情を込めて石臼の重みで潰すと本当においしいピンデトッができるんだよ。」と社長さん。その手間隙かけて行うことがお店の人気につながっているんでしょうね。
オリーブオイルで焼く!
社長さんにお店で一番気を使っていることは何ですか?と尋ねたところ、「材料です。」という答えが返ってきました。中でもパジョン、ピンデトッを作る上で必ず必要になる油にはこだわっているそうで、一般的な食用油を使わず、オリーブオイルを使って焼くんだとか。油をたくさん使って焼く料理なので、食用油を使うとどうしても脂っぽくなり、途中で飽きてしまうため、オリーブ油を使い少しでも軽く作ることを心掛けているんだそうです。また、パジョンに使う青ネギも水分を飛ばし、シャキシャキ感を出すため店内で乾燥させているんだとか。
肉ピンデトッ
直径10センチほどのピンデトッ。見た目は何気ないですが、食べてみると香ばしさが口の中に広がり、見た目とのギャップに驚きます。中には、豚肉、タマネギ、キムチ、長ネギとシンプルな具が入っているわりには、食べ応え十分で味もしっかりしています。小腹が好いたときに食べてもいいし、味がしっかりあるのでお酒のおつまみなんかにも最適ではないでしょうか。
海鮮パジョン
青ネギをたっぷり使った海鮮パジョンは、釜山で有名な東莱パジョンと形は似ていますが、こちらではしっかりとカリカリに焼くことがポイント。中に入っているエビ、カキ、イカ、などが柔らかいので生地は硬くしているんだとか。
トトリムッ
日本にはないトトリムッ。トトリムッとはドングリを粉状にしたものに水を加えて固めた寒天のようなものなんです。そこに醤油とコチュカル(唐辛子の粉)ベースで作ったヤンジョムジャン(薬味)を混ぜて頂く料理です。特別な味はなく、さっぱりとして食べやすくなっています。
北のピンデトッと南のパジョン。味を比べてみるのも良し、お酒と共に楽しんで頂くも良し。焼肉系に飽きた方、辛い物が苦手な方はこちらのチョンロピンデトッさんオススメです。以上、プサンナビがお伝えしました。