ソウルドラムフェステバル【2000年】

世界のいろいろな形の打楽器が楽しめる国際的なお祭り

‘新千年のハーモニー’というテーマのもと、世界が各国の太鼓で出会うというワクワクするような感動的な文化芸術祭、ソウルドラムフェステバル2000!
昨年に引き続き、今年で2回目のソウルドラムフェステバル2000は世界のいろいろな形の打楽器が楽しめる国際的なお祭りで、原始的な‘叩く’という行為を通して国境と民族を超えよう!という市民イベント。
ソウル市が後援、世宗文化会館が主催する今回のソウルドラムフェステバル2000は、明洞や南大門、大学路、仁寺洞などに、3チームづつ、ソウル市民の前にお目見えし、10月29日の最終日には国内11チーム、海外招待16チームがソウル市民の日をお祝いするために集まって大公演が開かれました。
それでは足の軽いナビが、10月26日、大学路のマロニエ公園で開かれたその楽しい現場の模様についてお伝えします。
大学路マロニエ公園
名の無いストリートミュージシャンから世界の有名な演奏家にいたるまで一つに集まった今回の舞台、大学路(テハンノ)のマロニエ公園はこのイベントに最もふさわしい舞台といえるのではないでしょうか?世代と年齢に関係のない開放的な空間「マロニエ公園」で出会ったシンガポールとタイ、メキシコチームは素晴らしい腕前と各国の独特な色調で、しばし、観客をとりこにしてしまいました。
それではその3つのチームの演奏の模様をお伝えします。
最初の舞台-シンガポールチーム<Heart Beat Percussion Band>

1990年11月に創立されて、シンガポールの有名な賞という賞を総なめし、今まで世界各国をまわるという盛んな演奏活動を繰り広げているシンガポールチームは単純だけれども速くて強弱のあるリズムが特徴。シンガポール本来の民俗音楽だけでなく、ジャズ、ポップスなどの多様なレパートリーを披露していることもシンガポールチームが世界各国の観客から好評を得ている理由の一つ。今回の公演ではシンガポールの民俗音楽だけでしたが、小さな音から大きな音にいたるまで、主に太鼓で構成された音のあいまに響く木琴の音色が強弱を合わせ、観客の心をとりこに。今回の舞台で熱い拍手とアンコールを受けた唯一のチームでした。
2番目の舞台-タイチーム<Chan Song Klod Drum Troup>

踊りと音楽で構成されたタイチームのドラムは聴覚だけでなくて視覚でも楽しめるものでした。
ソウル市民にはなじみの薄い、長い砂時計のような形の太鼓を上に投げたり、それをキャッチしたりして、手だけではなく、肘、膝、顎で演奏する姿に思わず感歎してしまいました。Mr.Sam-now Chan Charoon率いるこのチームは1989年から注目され始めた音楽と踊りの分野でたくさんの賞を受けた実力派チーム。リーダーのMr.Sam-nowは伝統楽器である長い太鼓の演奏者で、過去の特別な礼式音楽の保存に情熱を注いでいる人だそうです。今回のソウルドラムフェステバル2000ではタイでもなかなか見られない宗教礼式音楽が演奏され、天然材料を十分に活用した太鼓でタイの本当の音を感じることができました。
3番目の舞台-メキシコチーム<Raice Indigenas Percussion Ensemble>

若い大学生達で構成されたメキシコチームはまるで瞑想音楽のような楽器で好奇心をかきたてられました。メキシコというと大きな帽子とパンチョを身に付けたストリートミュージシャン、テキーラ、サボテンが連想されますよね。しかし今回、彼らが披露した音楽は東洋的で、そしてナチュラルでした。場内アナウンサーは彼らを‘メキシコでも珍しくて新しい音楽を披露する実験的な若者達’と紹介してましたが、演奏前にお香をたいたり、波と鳥の声を連想させる楽器、水の上にひょうたんを浮かべ、それをたたいて音を出す・・・とっても異色な感じがしました。
西洋では珍しいこのような音楽は‘21世紀の瞑想音楽’と言われていますが、中国や韓国、日本のような東北アジア文化圏ではとてもなじみの深い音だと思いました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-11-14

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