奨忠壇公園

チャンチュンダンコンウォン장충단공원

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緑いっぱい南山の麓に位置。実は歴史的なスポットでもある、地元住民たちの憩いの公園!

こんにちは!ソウルナビです。ソウル中心にそびえ立つ南山(ナムサン)には、頂上にソウルの街を一望できるNソウルタワーがあったり、緑に囲まれた南山公園があったり、また国立劇場や南山コル韓屋村などの文化施設があったりと見所いっぱいのエリア。ソウルのど真ん中にあるし、バスやケーブルカーなど交通の便も良いことから人気の観光地でもありますよね。今日はここ南山の麓に位置し、地元住民たちもよく訪れる憩いのスポット「奨忠壇(チャンチュンダン)公園」をご紹介したいと思います。こちらは1919年に公園となり、その後様々な歴史を経て現代に入ってから整備され市民の憩いの場としての役割を果たしてきました。そして2009年末頃から2010年春にかけて大規模なリニューアル工事が行われ、大きく変身。総面積約456,000km²の一見小ぢんまりとした普通の公園のようですが、実は歴史的にも奥深い一面もあるこちらの、新しくなった姿をさっそくご紹介していきましょう!

◆◇◆「奨忠壇公園」って!?◆◇◆

まずこの公園の名前にもなっている「奨忠壇」(チャンチュンダン)とは何か!?時はさかのぼり朝鮮時代末期の1895年、日本の一派が時の皇后、明成皇后を暗殺するという「乙未事変」が起こりました。この事件で皇后を守るために戦い亡くなった人、忠臣・烈士を祀るために1900年、時の皇帝高宗の命により当時は「小南営」(ソナムヨン)と言われた官公署に作られたのがこの「奨忠壇」。以後、ここでは毎年春と秋に祭祀が行われていましたが、1910年に日本の植民地になると祭祀が禁止され、さらに1919年にはここに桜が植えられて池や遊び場、散策路などがつくられるなど普通の公園となり、その時「奨忠壇公園」と名付けられたそう。

独立解放後、朴正煕政権時代には抗日烈士などの銅像が置かれるなど再び抗日を象徴する場所となる一方、ソウル市は敷地内に緑地帯を広げ、また敬老堂(老人ホーム)をつくるなど、近隣公園としての役割も果たすようになりました。さらにバスケットボールやバドミントンのコート、インラインスケート場、リトル野球場なども整備され、現代に入ってからは主に市民の憩いのスポットとして親しまれるように。そして2009年末~2010年春頃にかけての工事で全体が大きくリニューアルされたこちらの公園。この工事によりリトル野球場以外のスポーツ施設は撤去、廃止されてしまいましたが、さらに緑地が増え散歩コースや親水スポットなどの施設がより充実し、都会の中にある癒し空間としての色が濃くなりました。なお、もともと奨忠壇がおかれた正確な位置は明らかでなく、公園の奥に位置するリトル野球場がある辺りと推定されています。

◆◇◆公園の中をご案内!◆◇◆

それでは新しくなった公園の中をご紹介しましょう!公園入口から右回りに、ぐるりと歩いてみますョ!

 奨忠壇碑

まずは「奨忠公園」と書かれた標識のある入口から入り、少し進むと裏面の見える「奨忠壇碑」。1895年、明成皇后が暗殺された「乙未事変」の際に犠牲になった英霊達を慰めるための祠堂「奨忠壇」に立てられた石碑です。1910年の日韓併合により奨忠壇は廃止され石碑も無くなったけれど、1945年に発見され、1969年にこの場所へ移されたそう。石碑に刻まれた「奨忠壇」という文字は建立当時の皇太子であった純宗皇帝が書いたもの。また石碑裏面の碑文は陸軍部長であった閔泳煥が奨忠壇建立の由来と意味を刻んだものとか。ソウル市有形文化財第1号です。
 敬老堂

敬老のための福祉施設。周辺はおじいさん、おばあさんたちの憩いの場となっており、天気の良い日にはたくさんの人が集まって囲碁を打ったり談話したりする姿が見られます。すぐ隣りにはゲートボール場もあり。
 「裸足で歩く道」

リニューアル前から、公園の片隅にひっそりとある、裸足で歩く道。足の裏を鍛えて健康に!?
 韓国儒林独立運動巴里長書碑

1919年の三一独立運動で、儒林(ユリム、儒者たち)代表が137名の連名でパリ講和会議に提出した、韓国の独立を訴える長文の書状が記された石碑。
 一醒李儁烈士之像

独立運動家、李儁(イ・ジュン)烈士の銅像。
 殉国烈士李漢應先生記念碑

奨忠壇に祀られた烈士の一人、李漢應(イ・ハヌン)の記念碑。
 カフェレストラン

敷地の一番南奥に建つ伝統家屋。今回のリニューアル時に新しく建てられたこちらの中は、伝統茶や軽食のいただけるカフェになっています!雰囲気も良く、散策の休憩スポットにぴったり。本格的なお茶を扱っているそうですよ。また正面向かって右手にはお手洗いもあり。
 親水散策道

2009~2010年のリニューアル工事によって整備された小川とこれに沿った散策道。公園の東側一帯に位置します。実はこの川、新しく作られたのではなく、もともと南山を流れていた水の流れを復元したものとか。南山側の始点は滝で始まり、公園入口付近に昔からあった噴水池へと流れています。緑の植物を多用し、きれいに整備された水辺一帯はとても心和む景観。デッキ風になった木造の散策道も自然に調和しています。静かで空気も良く、公園一のおススメお散歩道!
この川の終点にある池。以前は1968年にコンクリート製の噴水が建設されたり、その後噴水は撤去されたりと少しずつ姿を変えていき、リニューアル直前には地表にほとんど水の見えなかったこの池ですが、現在は四季折々の花と植物に囲まれて美しい景観に。川の復元により、水の透明度もアップ!?
 水標橋

リニューアルで復元された川と、キレイに整備された池のちょうど継ぎ目にかかる石橋。公園東側の出入り口にもなっています。こちらはもともと清渓川に架けられていた橋で、川の水位を測定する水標(スピョ)という器具を設置したことから「水標橋」(スピョギョ)と呼ばれたそう。最初は土橋だったのを、太宗~世宗の時代に石橋にしたとか。1958~1959年、清渓川が覆われた工事の際に移され、1965年にこの場所に移建されたそう。橋の全長は27.5m、幅は7.5m、高さは4mで、全て花崗岩で作られているそうですよ。なお、橋にあった水標は現在、「世宗大王記念館」に保管されているとか。ソウル有形文化財第18号。

■歩きやすい歩道!

今回のリニューアルで、公園全体の歩道がとても歩きやすくなりました。そんな公園内の風景を見てみましょう~。

◆◇◆昔の公園の様子は!?◆◇◆

今回、大幅にリニューアルされたこちらの公園。懐かしの、リニューアル前の姿を最後にちょっとだけご覧にいれましょう!
(※2003年頃の様子)
以前と比べて随分と様変わりしたの、分かります!?^^ リニューアル前から緑が多く、地元の人々がぶらぶらと散策していたりする公園でしたが、歩道も一層歩きやすくなり、川が復元され、さらに居心地の良い憩いのスポットとなったような気がします。こちらへのアクセスは地下鉄3号線トンデイック(東大入口)6番出口を出るとスグ。中心地からも近く、まさに身近な都会のオアシスと言えるのではないでしょうか!?街歩きも楽しいけれど、ちょっと静かにのんびりと自然と触れ合う時間が欲しいとき、街中からでもすぐに来られるこちらの公園を訪れてみては!?また、ここから南山へ出かけるのもよさそうですよ!以上、奨忠公園の滝と川沿いの散歩道に癒されたソウルナビがお伝えしました~。

記事更新日:2010-07-05

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2003-12-03

スポット更新日:2010-07-05

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