仁川の中華街とかつての日本人街を歩いてみよう!
こんにちは。ソウルナビです。今日はソウルから電車にとって1時間、仁川(インチョン)にやってきました。仁川といえば今では空港のあるところ、というイメージですが、もともとは韓国を代表する港町。ソウルからも近く、ソウルの海の玄関口でもあります。また近代以降、韓国で最初に外国に向けて開港した仁川は外国ともゆかりが深く、外国人が住む租界もありました。特に日本人が住む租界と、中国人が住む租界は隣り合っていました。今日はそんな日本人が住んだ町と、中国人の住んだ町を歩いてみることにしました!それではさっそく行ってみよう!
今回歩いたルートは?
仁川駅ー>共和春(チャジャンミョン)->仁川開港場近代建築展示館ー>韓中文化館・華僑歴史館->仁川駅
中華街でチャジャンミョン
地下鉄1号線の終点、仁川駅に到着。
仁川駅の観光案内所で地図をもらい、駅前にある門をくぐって中華街へ。
門からの道をまっすぐ進みます。こちらも少しずつ、中華風のお店が増えています。
中華街といえばチャジャンミョン発祥の地。そこでチャジャンミョン元祖の店「共和春」へ。少し待ったけれど、意外とすぐ入れました。さすがチャジャミョン発祥の地の老舗だけあって、チャジャンはソースの味も濃厚、食べ応えあり。やはり中華街めぐりでチャジャンミョンはかかせない?
中華街を抜ける
店を出て左へ。中華街のメインストリートを抜けます。ますます中華ぽくなってきたような。
つきあたりまでぶつかったら左へ。少し進むと韓中園という公園があります。
さらに少し坂を下りていくと、ふたたびチャイナタウンの門があります。
境界線を越える
この道路がかつての日本人街と中国人街との境界がありました。左右にはデザインの違う照明が並んでいます。これは日中の違い?
そして奥にあるのが有名な階段。租界を分ける階段が丘の上まで続いています。こちらも灯篭の形が左右で異なります。
旧日本人街へ
境界線沿いにある建物が旧日本郵船株式会社。海運の街だったことを表しています。その横には倉庫群も。こちらは現在「アートプラットフォーム」という名のアート空間に。
かつての日本租界のメインストリート沿いにあるのが仁川開港場近代建築展示館。建物自体も長崎に本店のある十八銀行の建物。中には近代以降の仁川に登場した近代建築の模型が展示されています。また当時の街の風景も写真やジオラマで残されています。日本人租界の港に面する平面の土地とまっすぐにひかれた道路が、租界らしさを感じさせます。それに比べ、中国人租界は山側。明確な違いが気になります。ちなみに多くの建物は朝鮮戦争やその後の火事で焼失。
近代建築展示館の横にも、古い建物があります。こちらも元日本の銀行で大阪に本社のあった五十八銀行(合併で現在はみずほ銀行に)。
また同じ並びには同じく日本の銀行である第一銀行(こちらも現在のみずほ銀行)の建物も残されています。同じ通りに銀行が3つも並ぶ、いわば銀行通りだったようです。こちらは現在、仁川開港博物館に。韓国最初の鉄道である京仁鉄道や海関などの資料が展示されています。こちらも銀行らしい重厚な建物。
<前回(2016年4月)訪れた時の様子>
かつての租界を南北に結ぶメインストリートのつきあたりにあるのが現中区庁舎。ここにかつてあったのが日本領事館。この場所が租界の一等地であることがよくわかります。日本統治下では仁川府庁舎となり、独立後も1985年まで仁川市庁舎として使われるなど、まさに「近代仁川の行政の中心」。その中区庁舎の前にはなぜか人力車が。そしてなぜか日本語のタスキをかけた車夫も。招き猫も2匹?
その右手に伸びる通りは昔の日本風の通り。ただこちらは昔から残されているのではなく、最近の「レトロブーム」にあわせ、日本風に改変されたもの。中にはこじゃれたカフェも登場。でも中国関係のお土産のお店も。これは越境・・・?
この旧日本人租界では現在も「日本風」にする改変が続けられています。
でも唐辛子を干す風景や、韓国の民俗道具を売る店など、なかなか韓国的。
中区庁の裏手にも行ってました。こちらは先ほどまでの平面と違い、結構急な坂。
このあたりは日本と中国以外の租界があったところ。雰囲気もどこか洋風?
中華街の歴史を訪ねる
再び中国側へ。中国各地にある友好都市から送られたものが展示されている「韓中文化館」へ。中には中国風の衣装もあり、最近はやりのコスプレ撮影もできます。
その韓中文化館と2Fでつながっているのが「華僑文化館」。この中華街の歴史を知ることができます。一時期は外国人の土地の所有を制限され、多くの人が去った中華街。また、かつて交流のあった台湾との証拠を示すように「民国」の年号を用いたり、「中華民国」の国旗が使われていたり。複雑な中国との関係をうかがうことができます。
バブルティ+チャジャンアイスでシメ!
中華街に戻り、中国らしくバブルティーで休憩。さらに駅に戻る途中で、チャジャンミョンアイスを発見!見た目はチャジャミョン?アイスも麺のようなチャジャンミョン。そして黒いチャジャンはチョコに!これは新しい中華街の名物になるかも?
いかがでしたか?仁川の歴史にふれる旅、こんなにも多くの日本人が住み、立派な建物が残されているのに驚きました。また日本人街と中国人街の境界が明確に残されているのにもびっくりしました。当時の人はこのような境界をどのような思いで行き来していたのだろう?そしてますます発展しつつある中華街にびっくり。隣り合うかつての日本人街と中華街が、今後どのような変化を見せるのか楽しみです。皆さんもちょっと近代の歴史を味わいに、仁川まで足伸ばしてみてくださいね。以上、ソウルナビでした。