オセロの留学特派員レポート・第5回「慶州・南山で仏教文化を学びたい!!」

第5回「慶州・南山で仏教文化を学びたい!!」

アンニョンハセヨ!!
韓国語教育院は7月30日から8月8日までの10日ほど、夏休み(パンハク)でした。旅行好きの私は今回のパンハクで2つの旅行に行って来ました。前半は全羅南道にある順天市の友達の家に行き、麗水市、智異山などを車で巡る旅。後半は友達と慶州に行き新羅時代の遺産を歩き巡る旅。それぞれ旅行するのにはとても魅力的で、みなさんにお薦めできる場所です。どちらも中身の濃い旅行でしたが、その中で一番印象に残っているのは慶州で登った「南山」。慶州と言えば日本の京都のような所で仏教に関する遺跡が多いことで有名ですが、南山に行くとまた違った慶州が見えて来ます。今回はこの慶州・南山での登山の様子をレポートしたいと思います!!
慶州は新羅時代に仏教文化が栄えていて、仏国寺などのお寺や古墳等の遺産が多く、見所満載の旅行地。しかし一般の旅行では行けない時間があるからこそ行ける所に行きたいと思い、行ってきたのが「南山」。東西4km、南北8kmの山の中に80体余りの仏像や70基余りの石塔、110個所余りの寺跡がある、まさに露天博物館。私達は朝8時半から夕方5時半の約9時間(!)かけて遺跡を見つつ山を巡りました。こんなに時間がかかるとは夢にも思っていなかったけれども、お陰で心に残る旅行になりました・・・。また途中で売店などはないので、行くときは必ず水と昼食を持っていかなければなりません。
では私達の回ったコースを紹介します。

1.鮑石亭(ポソクチョン)

私達の南山巡りはここからスタート。石の溝を流れる水に杯を浮かべ、詩歌を読みつつ酒を飲むという『流觴曲水の宴』を行っていた遺構が残っています。風流人の住んでいた跡が見えますね。

2.三陵渓谷(サムヌンゴル)

ここは金鰲山(クモサン)の西側にある渓谷。まず、入口に三陵(三つの王陵)があり、さらに登っていくと様々な仏像(三陵渓谷仏像群)を見ることが出来ます。頭の無い石仏坐像、絵を書いたように線刻してある線刻六尊仏像など、普段見られない様な仏像にも多く出会います。ここは南山に40余りある渓谷のうち、仏教遺跡が最も残っている渓谷です。
<三陵>

<三陵>

<線刻六尊仏像>

<線刻六尊仏像>

<仏像>

<仏像>

<石仏坐像>

<石仏坐像>

初めは初めて見る石の仏像に夢中だったのですが、しばらくすると道が険しくなり、看板も無くなり、どこを歩いているのか分からない状態に。地図はあるのですが、何しろ山道で目印が無く、どこなのか検討がつかない。しかもひたすら登らなければならないという状況で、かなり不安に・・・。

3.上禅庵(サンソナム)

最初に着いた庵がここ。山稜から2時間半程かけて到着しました。金鰲山の頂上近くにあり、20分ほど行くと頂上に着きます。庵には人が住んでおり、水もあるので、ここで飲み水を補給。お経を聞きつつ一休みして、頂上への道を急ぎました。
頂上には特別何もありませんが、慶州の西側の景色を見下ろすことが出来ます。慶州の市街地と水田の広がる地帯を見て、同じ慶州でもいろんな顔を持っているんだな~と思いました。ここで持って来たキンパプ(海苔巻き)を食べ、景色を眺めつつ30分程度休憩しました。

4.茸長渓谷(ヨンジャンゴル)

金鰲山から高位山(コウィサン)へ行くのに下る途中にあるのがこの渓谷。ここにも頭の無い石仏坐像があり、またミニチュアのような三層石もあります。
景色も壮大なので楽しく下ることが出来ますが、道とは絶対にいえない岩壁を下ったり、ロープを伝って行かなければならない場合も。日本の登山では考えられない危険な道が多い気がします。
<石仏坐像>

<石仏坐像>

<三層石>

<三層石>

下り終わると川が見えてきます。川にはめだかや小さな川魚が。そして、水に足を入れると魚たちが足先に寄ってきて爪の汚れを取ってくれるんです!!くすぐったいですが、これには感動しました。

5.白雲庵(ペグンアム)

川でリフレッシュした後はひたすら高位山の登り。やはり看板は無いし、道は険しいし草は生え放題で、長時間の登山に疲れもピークに。ひたすら歩き、七仏庵を目指して行ったつもりで着いたのが、ここ白雲庵。川から1時間程歩いたところにあり、ここにもやはり人が住んでいて、お水も貰うことが出来ました。
そしてビックリしたのは、ここに車で来ている人がいたこと!!庭には4WDの大きな自動車が・・・一生懸命歩いてきたのに車で来れるなんて!!ショックでした。
主人らしき人に七仏庵の場所を聞くと、来た道を戻らなければならないと言われました。道に迷ったお陰で行くことが出来た白雲庵。親切に道を教えてくれた主人にお礼を言って、七仏庵を目指しました。

6.七仏庵(チルブラム)

やっと見えた七仏庵の看板!!途中で崖の上にある神仏庵を見ましたが、崖の上にあるだけに、崖を通らないと見れないという恐ろしい場所。しかしここは四方を山に囲まれており、景色は壮大!!何重にもなって返ってくるヤマビコを聞き、ここまで登って来て良かったなあ・・・と感動。看板には七仏庵まで200m、と出ていましたが途中で道が無くなり、なかなか着きませんでした。しょうがなく立ち入り禁止のロープ伝いに下って行くと道が出現。本当に危険な登山だ・・・。
<神仏庵>

<神仏庵>

<七仏庵>

<七仏庵>

そしてやっとついた七仏庵。やはり人が住んでいて、ここでは冷たい緑茶を頂きました。また、ここにはボランティアで説明をしてくれるおじいさんがいて、慶州や南山の仏教文化について教えてくれました。慶州は日本の統治時代、荒れ果てた古墳を日本が整理させたのをきっかけに遺産の多い地方として知られていったこと。頭の無い仏像は李氏朝鮮時代に儒教普及のため破壊されて頭がなくなったのに、昔の歴史の教科書には日本が壊したと書いてあったこと。南山の仏教文化は南側から始まったので、西側の仏像よりも南側の仏像の造りがしっかりしていること。などなど。
お礼を言って山を降りていたら、ボランティアのおじいさんが後ろから追いかけてきて、麓から次の目的地まで乗せてくれました。書出池までは車で10分程度。ほんとにありがたかった・・・。

7.書出池(ソチュルチ)

最後の目的地、書出池。蓮と蓮の花が一面に広がり、池の中には高床式東屋があります。この池から現れた老人のお陰で王が暗殺計画を防ぐことが出来たという、伝説の伝えられる場所。新羅時代に暗殺がよく起こっていたという事実を物語る伝説ですね。ここでもボランティアのおじいさんが説明して下さいました。

書出池を最後に慶州の市街地に帰りました。書出池から市街地へ行くバスが出ているので、交通は良かったです。とりあえず帰って来れて良かったとホッとしました。
そして登山の後のトントンジュがホントにおいしかった!!おいしいお酒とご飯のために登山をする・・・。遺跡を見つつ山を巡り、終わった後も楽しみの広がる、贅沢な南山の登山。
かなり疲れますが、その分達成感はあります!!皆さんも是非南山に、そしてどうせ行くなら七仏庵まで見て帰ってくださいね。ではまた次回お会いしましょう。アンニョン!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-08-18

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