釜山チョッタアイガーズ!Mission1

釜山ラーメンを製作せよ!

アンニョンハセヨ、プサンナビです。今日は釜山チョッタアイガーズというちょっと変わった個性派コンビを紹介したいと思います。歌手でもなく、ミュージシャンでもなく、ましてお笑い芸人でもないこの日本人2人組。どんな立場の人かを説明するのは非常に難しいのですが、あえて言うならば釜山が大好きでたまらない2人組といったところ。ともかく釜山が好きで好きでたまらず、もっと多くの人に釜山の魅力を知って欲しい、もっとたくさんの日本人に釜山へ足を運んでもらいたい、そんな思いから、誰にも頼まれないのに釜山のPRを独自に展開している2人です。ちなみに「チョッタアイガ」というのは釜山方言で「いいじゃないか」という意味。それを複数形にしてチョッタアイガーズというコンビ名なのだそうです。
ただそんな熱い思いとは裏腹に、彼らのPR活動はあまりうまくいっていないようです。実はこの2人、やることが本当に見当違いもいいとこなんですね。釜山を愛する気持ちはわかるのですが、何をしても空まわりばかり。もうちょっとマシなことを考えればいいのになあ、とナビはいつも思うのですが彼ら自身は常に大真面目みたいです。今回も何やら素晴らしいアイデアを思いついたというので取材に行ってみましたが……。さてさて、結果のほうはどうなることやら。
話の発端は常に唐突である
「釜山をもっとメジャーにするためのアイデアを思いついた。」
「ほう、今度はどんなアイデアだい?」
「まず日本人はラーメンが大好きな国民である。」
「うん。ラーメンが嫌いって人はあんまりいないね。」
「ラーメンが好きな人は地方へまでもわざわざ出かけていくくらいだ。」
「博多ラーメンとか、札幌ラーメンとか。」
「つまり有名なラーメンのある地域にはラーメン好きが必ず来るのだ。」
「あ! すると釜山に日本人を誘致するには……。」
「そうだ。釜山ラーメンを開発すればいい。」
「それだ! 素晴らしいアイデアだよ1号!」
というような会話を経て、釜山チョッタアイガーズ1号2号は釜山ラーメンの製作にとりかかりました。ラーメンといえばインスタントが主流の韓国で、いったいどんなラーメンを作ろうというのでしょうか……。

アイデアは具体化するなり迷走する
まず1号が向かったのは釜山名物のテジクッパプ専門店。テジクッパプとは豚肉、豚骨、豚の内臓などをじっくり煮込んだスープにごはんを入れた料理です。お店のママさんに頭を下げ……。ん、ん? 何かをゲットしたようですね。
同時に2号は別の店に向かったようです。2号がお店の方に頼み込んでもらってきたものは……。うーんと、ミルミョンみたいですね。ミルミョンは冷麺の麺を小麦粉で作った料理。こちらも釜山名物として有名です。
やがて明らかになる釜山ラーメンの全貌
二手に分かれて材料を仕入れ、満面の笑顔で再集合した1号と2号にインタビューをしてみます。いったい何を仕入れてきたんですか?
「スープを仕入れてきた。テジクッパプのスープを釜山ラーメンのベースにする!」
「麺を仕入れてきた。ミルミョンの麺を釜山ラーメンの麺に流用する!」
「テジクッパプは豚肉や豚骨を煮込んだスープ。すなわち豚骨ラーメン!」
「ミルミョンの麺は小麦粉麺。すなわち生ラーメン!」
「テジクッパプとミルミョンは釜山を代表する郷土料理!」
「この両者の融合こそ釜山ラーメンの名にふさわしいのだ!」

2人の盛り上がりは頂点に達していました。確かにテジクッパプのスープは豚骨ラーメンに通じるものがありそうですが、果たしてうまくいくのでしょうか……。
2人は厨房でも全力投球
暴走気味に思えた2つの釜山料理融合計画。意外といっては失礼ですが、彼らの考えた調理法はなかなか本格的なものでした。写真を見るとわかると思いますが、テジクッパプのお店から、ニラのキムチとスライスした茹で豚(スユク)ももらってきていたようです。ただのラーメンではなく、具にも凝ろうという姿勢はなかなかですね。
そして見てください。1号が作っているのは醤油ダレのようですよ。タレには茹で豚やネギも入ってずいぶん本格的です。
仕入れてきたテジクッパプのスープを温め、茹で豚の脂身だけをみじん切りにして背脂のかわりを作り、ネギも細かく刻んで薬味にします。んん、これはけっこう美味しそうかも……。
そして迎える栄光の瞬間  
さて、いよいよ釜山ラーメンが完成した模様です。まずは出来上がった醤油ダレを器に移し、間髪入れず温めたテジクッパプのスープを投入。むむむ、脂がきちんと浮いていかにも美味しそうなスープになりました!
満を持してミルミョンの麺を投入。スープの中でよくほぐしたら、最後に具を乗せていきます。茹で豚、ニラのキムチ、韓国海苔、茹で卵。仕上げに刻みネギと白ゴマをパラパラとふって、これで釜山ラーメンの完成です!
釜山ラーメンの味はいかに  
待ちきれない2人は記念写真もそこそこに、さっそく食べてみることに。気になる感想のほうは……。
2 人はガッツポーズを見せての大喜び。ナビも少し味見をさせてもらいましたが、確かに豚骨ラーメンの味がしました。欲を言えば、麺のコシがもうちょっとあったらよかったですね。ミルミョン自体はとてもコシのある麺なのですが、茹でた麺をもらってきたため時間がたってのびのびになっていました。もしかしたらチャジャンミョン(炸醤麺)などの生麺を買ってきて、作る際に茹でたほうがおいしかったかもしれません。
さて、釜山ラーメンを完成させた釜山チョッタアイガーズの2人ですが、最近の様子を聞いてみると、ラーメンができたことで満足してしまい、それからの展開にまでは頭が回っていないようです。それどころか、釜山ラーメンは完成したから次は釜山丼に挑戦するのもいいなあ、などと寝言を呟いている始末。これでは観光客誘致のためのPR活動も、まだまだ先は遠いみたいですね。でも、そんな彼らのにくめない行動がナビは大好きです。これから彼らがどんなPR活動を行っていくのか。引き続きあたたかく見守っていきたいと思います。以上、プサンナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-05-26

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