釜山の名物料理「ミルミョン」

釜山の夏の顔と言ったら、ミルミョン!!

アンニョンハセヨ、プサンナビです。釜山を中心とした名物料理を探るベストフード企画も第6弾!今回は、釜山の夏に欠かせない冷たい麺料理の代表「ミルミョン」の登場です。釜山の夏の風物詩と言えば、このミルミョンなんですが、ピンと来ない人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、韓国の代表的な夏の味覚と言えば、冷麺。大まかに言ってしまうと、ミルミョンは、冷麺の釜山バージョン。釜山では、冷麺をもしのぐ人気で、暑い夏にはもちろんのこと、一年中釜山市民に愛されている麺類なんです。今回は、そのミルミョンの魅力に迫ってみることにしましょう。
ミルミョンとは?
小麦粉を材料とした麺で作った冷麺。また、釜山が発祥の地で、釜山を中心とする慶尚南道地域で主に食べられています。ミルミョンは、朝鮮戦争が勃発した 1950年以降、戦争で北から避難してきた戦争難民が、故郷「平壌」の冷麺(冷麺は平壌が発祥地)を再現しようとし、当時食料不足のため手に入りにくかった冷麺の材料のジャガイモやソバ粉の代わりに、アメリカからの援助物資だった小麦粉を代用してできたのが、ミルミョンの始まりと言われています。ミルミョンは、冷麺よりもさっぱりしていて、爽快な味を楽しめる釜山だけの夏の味。それだけに、釜山市内では冷麺の専門店よりもミルミョンの専門店が多く、冷麺を食べに行こう!という声よりもミルミョンを食べに行こう!というのが一般的で、老若男女問わず釜山の市民に愛されている庶民の味なんです。
ミルミョンと冷麺の違いは?
同じ冷たい麺料理のミルミョンと冷麺の最大の違いは、麺です。ミルミョンの説明でも書いたように、ミルミョンは小麦粉を原料とした黄色い麺を使い、冷麺はソバ粉などを原料とした黒っぽい麺を使用。また、歯ごたえもミルミョンは、柔らかな日本のラーメンの麺を思わせるのに対して、冷麺は弾力のある硬い麺になっているのが特徴です。
また、麺の上にのっているお肉にも違いがあるんです。ミルミョンは、脂を落とした豚肉が入り、冷麺には、牛肉が入ります。値段も冷麺より手頃なミルミョンは、庶民的な豚肉、高級なイメージがある冷麺はやはり牛肉がのっているというところなんでしょうか。
ミルミョンの作り方は?
<スープ>
牛肉や豚肉の骨と一緒に玉ねぎ、ニンニク、生姜など数十種類の野菜などを数日間煮込みます。数十種類を煮込んだスープは、深みがありつつ、さっぱりとしたスープに出来上がります。冷麺のスープに入れることで知られるトンチミ(水キムチ)はミルミョンのスープに一切使われず、純粋に野菜、肉骨の旨味から出たスープを使うんだそうです。また、牛肉や豚肉のニオイを取ったり、疲労回復効果を得るために、漢方薬に使う薬草を入れるお店もあります。こうやってできたスープを専用の保存庫に入れ、シャーベット状態のままお客さんの元へ運ばれます。
<麺>
基本的に麺はその場で捏ねられています。小麦粉を直接捏ね機へ投入して、筒状の麺が出てきます。ここでも、薬草をつぶしたものを小麦粉を練り混ぜ、直接麺に薬草を入れるお店もあります。筒状になって出てきた麺の元を細く切断し、茹で上げ、冷水で麺を絞めれば、細すぎなず、硬すぎないミルミョンの黄色い麺の出来上がりです。
<タデギ(タレ)>
スープのほのかな甘さにこのタデギが加わるとちょうど良い味わいになります。ヤンニョムは、コチュカル(唐辛子)やニンニク、数種類の果物などそのお店ならではの作り方があり、取材をしてもタデギの作り方だけは企業秘密!というお店がほとんど。このタデギにミルミョンのおいしさが隠れているようです。基本的にタデギは少しピリ辛になっています。辛いのが苦手~と言う方は、食べる前に少しこのタデギを取って食べると辛くなりませんよ!
ミルミョンの食べ方
ミルミョンが運ばれてくると、お酢と練り辛し、ハサミが一緒にやってきます。好みでお酢と練り辛しを混ぜ、ハサミで麺を十字に切ります。麺を切りすぎるとスープとの絡みがうまくいかないので、十字くらいに切るのがちょうど良いそうです。後は、好きなだけ韓国式でグルグルとかき混ぜ、頂きましょう!お酢は、好みですが、入れないよりは少し入れるとよりさっぱりとした爽快感が味わえ、ミルミョンの醍醐味を味わえます。また、夏の食べ物として知られるミルミョンを冬の寒い中、オンドルの中で食べるのが本当の通の食べ方なんだと、ミルミョン屋の社長さんがおっしゃっていました。ミルミョン好きの方、一度こんな食べ方を試してみてはいかがですか?
ミルミョンが食べられる店
* ハルメカヤミルミョン 
釜山を代表するミルミョンブランドの一つ「カヤミルミョン」を味わえる伝統店。開店から一度も休まずに麺を打ち続けてきたこの店のミルミョンは、シコシコしたコシの強い麺が魅力。旅行客の観光必須コース、南浦洞に位置するこちらのお店は、昼時に行くと座る席がないほどの人気店。
* ジョントンスッミルミョン
ヨモギの汁を練りこんだヨモギミルミョンのお店。麺にヨモギが練りこんであるだけではなく、スープには数種類の漢方を使用しているという栄養価の高いミルミョンがウリ。大学街に位置しているこちらのお店は、ミルミョン一杯3,000ウォンとコストパフォーマンスもなかなか。ちなみに釜山在住日本人が釜山で一番おいしいミルミョン屋と称するほどのお店です。
* ケグムミルミョン
地下鉄2号線、開琴(ケグム)に地元の人からのウワサで釜山に広がった名店。開業から42年目という歴史ある伝統店でもあるこちらお店は、ピリ辛のヤンニョムと弾力のある麺が特長。また、地元の人が生活する市場の中にあるので、釜山情緒を味わえたりもします。ナビ的に一押しのお店です。
* チュナチュドン
西面(ソミョン)エリアで絶大な人気を誇るお店。ちょっとトロッとした甘いタレが特長で、辛いヤンニョムとのハーモニーが◎。また、麺もスープと絡みやすいように、細めにしてあるのが魅力。こちらも連日お客さんが並ぶ釜山のミルミョン名店です。
韓国に来て、一度は本場の冷麺が食べてみたい!なんて言っている方、釜山に来たら、冷麺よりミルミョンをオススメします。食べやすい麺でさっぱりしているミルミョンは、日本人にも受けが良いメニューの一つ。釜山に来て、ミルミョンを食べないと釜山通ではありません!この夏は、ぜひぜひ釜山名物ミルミョンにチャレンジしてみてください!きっと満足すること請け合いですよ~。ベストフード第6弾は「ミルミョン」でしたぁ。以上、プサンナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-08-12

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