仏国寺(慶州)

プルグッサ불국사

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6つの国宝を有する韓国が誇る世界遺産

アンニョンハセヨ、ナビです。慶州を訪れる誰しもが必ず足を運ぶ場所といえば、それはやはり仏国寺(プルグッサ)でしょう。1995年にはユネスコの世界遺産にも認定され、韓国が世界に誇る宝となっています。仏国寺では6つの国宝を始めとして統一新羅時代に作られた貴重な文化財をたっぷりと味わうことができます。また仏教の教えから見れば、ここは俗世を離れ清浄たる仏の世界に足を踏み入れる場所でもあります。仏の国を訪ね、極楽浄土に導かれる場所。それが仏国寺です。

仏国寺とは


吐含(トハム)山の中腹に位置する仏国寺は大韓仏教曹渓宗第11教区の本寺であり、韓国を代表する寺院として広く知られています。仏様の世界である仏国土を現世に再現することを目的として建設されたと言われています。創建の時期はさまざまな説がありますが、528(法興王15)年に法興王の母、迎帝夫人の発願によって建設されたという記録が『仏国寺古今創記』に出ています。その後、増築、改修を繰り返しつつ約1000年に渡って繁栄を続けましたが、16世紀末に起こった文禄・慶長の役で大半の建物が焼失してしまいました。現在見ることのできる仏国寺の姿は朝鮮時代後期、また1968年の発掘調査を踏まえて1973年に復元されたものです。

仏国寺へ行こう


慶州駅、市外バスターミナルから10番、11番バスに乗り仏国寺駐車場で下車。普門観光団地からの場合は10番バスを利用します。駅やバスターミナルからだと約30分、普門観光団地からは15分くらいの距離です。また仏国寺の駐車場からは1時間に1本の割合で、仏国寺と石窟庵(ソックラム)を往復するシャトルバスが運行しています。場所的にも合わせて観光されるのが便利だと思います。

心を清めて仏国寺の入口を抜ける
入口でチケットを買ったら、仏国寺の看板がかかっている一柱門(イルチュムン)を抜けて中に入ります。この一柱門は2本の柱が一列になっているところから一柱門と名付けられました。神聖なる伽藍に入場するためには、世俗の煩悩をきれいに洗い流して通過しなければならないという意味がこめられています。
きれいに掃き清められた道を進んでいくと次の門である天王門に出会います。仏法を守護する四天王がここで睨みをきかせており、寺院を邪悪なものから守っています。また通過する人々を神聖な気持ちで本堂に向かわせる役割も担っています。右奥が持国天、手前が増長天、左手前が広目天、奥が多門天です。
仏様の住む世界を象徴する場所
天王門をくぐって行くといよいよ本堂が見えます。紫霞門(チャハムン)と安養門(アニャンムン)を泛影楼(ポミョンル)がつなぐ姿は、新羅建築の雄大さを感じさせます。2つの門をくぐり抜けるとそこはもう仏様の住む世界。大きく3つのエリアにわかれており、それぞれ大雄殿を中心とする釈迦如来の彼岸世界、極楽殿を中心とする阿弥陀仏の極楽世界、毘盧殿を中心とする毘盧遮那仏の蓮華蔵世界を表しています。

俗世と仏国土を結ぶ4つの橋
松の木の間を抜けると正面に石でできた階段が目に入ります。階段の上に位置する門は紫霞門。左手にもやはり同じような階段があり、上に位置する門は安養門と呼ばれます。この2つの階段こそが国宝に指定されている青雲橋(チョンウンキョ)・白雲橋(ペグンキョ)、そして蓮華橋(ヨンファキョ)・七宝橋(チルボキョ)です。
向かって右側、紫霞門に上る階段が国宝第23号に指定されている青雲橋・白雲橋。2段に別れた上の16段が白雲橋、下の18段が青雲橋と呼ばれます。階段であるのに橋と呼ばれているのは、紫霞門を越えて釈迦如来の彼岸世界に渡るという意味に表したものです。また青雲橋・白雲橋の左手に目をやると石垣から突き出た水溝が残されています。吐含山から引いた水がここに流れ、その下には九品蓮池という池があったそうですが、現在は跡形すら残っていません。
左側、安養門に上る階段が国宝第22号に指定されている蓮華橋・七宝橋です。上の8段が七宝橋、下の10段は蓮華橋と呼ばれます。青雲橋・白雲橋と同様に阿弥陀仏の極楽世界に渡る橋という意味が込められています。蓮華橋にはその名の通り階段の上部に蓮の花が彫刻されています。下からは見えませんが上にのぼって安養門から見下ろすと、長い年月で削られてはいますが確かに蓮の花の彫刻が目に入ります。
これらの橋は仏国寺の創建当時から残るたいへん貴重なものなので、現在はここから上り下りすることは禁じられています。紫霞門より先に行くためには右手の迂回路を進まなければなりません。
大雄殿(釈迦如来の彼岸世界)
青雲橋・白雲橋の右手にある坂から大雄殿の領域に入っていきます。坂の下に水飲み場がありますが、この石槽も慶尚北道有形文化財第98号に指定されている貴重なものです。本来の場所が確かでないため、現在はここで観光客の喉を潤す存在として書かれています。
坂を登って横から彼岸世界に入ると、2つの大きな塔、そして大雄殿の建物が目に入ります。大雄殿の中には本尊である釈迦牟尼像が置かれ、その両脇には文殊菩薩、普賢菩薩の像が並んでいます。大雄殿の前にある大きな2つの塔は多宝塔(タボタプ)と釈迦塔(ソッカタプ)。入口手前側にあるのが多宝塔で、奥にあるのが釈迦塔です。この2つの石塔と大雄殿前にある小さな石塔は焼失を免れ8世紀に創建された当時の姿を残しています。

国宝第20号に指定されている多宝塔は新羅時代に作られた他の石塔に比べ、非常に斬新な姿をしています。3層からなる多宝塔の1層目は四角、2層目は八角、 3層目は円と、上にいくに従って丸みを帯び、力強さから柔らかさへの変化を演出しています。1層目には四方に獅子像が置かれていましたが、3匹は盗まれてしまい現在は1匹しか残っていません。

多宝塔とは対照的に釈迦塔は統一新羅時代の典型的なつくりであるといえます。同型の屋根が上に連なっていくというシンプルな姿で、感恩寺の三層石塔などにもよく似ています。釈迦塔は国宝第21号に指定されており、また1966年の補修工事の際に中から発見された舎利荘厳具や世界最古の木版印刷物である無垢浄光大陀羅尼経なども、すべて国宝第126号に指定されています。
大雄殿を背にして紫霞門の左手にある楼閣には木魚、右手にある泛影楼には法鼓が置かれています。
大雄殿の裏手には無説殿(ムソルジョン)があります。『仏国寺古今創記』によればこの無説殿は仏国寺の中でもっとも早く作られた建物であり、華厳経の講義を行う学校のようなところだったそうです。無説殿という名前には、真理の伝達と真理へ到達する方法は言葉や文字を媒介として為されるものではあるが、言葉や文字はあくまでも媒介物であって真理そのものではないという意味が込められています。
極楽殿(阿弥陀仏の極楽世界)
蓮華橋・七宝橋を通って安養門を抜けるとそこは極楽浄土の領域になります。現在は蓮華橋・七宝橋が通行禁止になっているため、大雄殿側から極楽殿へと入ります。極楽殿にはすべての衆生を救済し、西方極楽浄土に往生させる阿弥陀如来の像が安置されています。極楽殿は文禄・慶長の役で焼失してしまい石壇部以外は後年新しく作りなおされたもので、朝鮮時代の1750年に修復したものをさらに1925年に再建しました。
極楽殿を抜けて外に出ると、蓮華橋・七宝橋のほうへ下りていく坂道になります。この坂道では丘陵地に合わせて組まれた石垣が目を引きます。石垣を平坦から傾斜させていく当時の高い建築技術が窺えます。
毘盧殿(毘盧遮那仏の蓮華蔵世界)
無説殿の裏手に毘盧殿(ピロジョン)は位置します。この建物は1973年の補修工事の時に復元されました。中には本尊として国宝第26号に指定されている金銅毘盧遮那仏座像が置かれています。毘盧遮那仏は華厳経の教主で太陽、光明の象徴とされています。日本では東大寺の大仏と同じ仏様です。
毘盧殿の脇には建物に囲まれた舎利塔があります。高麗時代初期に建てられたものと推定され、1905年に一時日本に持ち出されたものの1933年に返還され現在の位置に置かれました。宝物第61号に指定されています。
観音殿
無説殿の裏手から長く急な階段を上っていくとそこが観音殿です。ここには慈悲の菩薩である観音菩薩がまつられています。隣の毘盧殿に比べ高い位置にあるのは、南海の果てにあるという観音様の浄土、補陀洛迦山を表したものです。観音殿に上る階段は補陀洛迦山に渡っていくという意味で洛伽橋(ナッカキョ)と呼ばれています。
羅漢殿
羅漢とは悟りを開いた仏様の弟子を指し示す言葉です。この建物は最近になって作られたもので、特に修行に秀でた16人の弟子をまつった場所です。中央に釈迦牟尼像、両側に提和竭羅菩薩像、弥勒菩薩像が並んでいます。

すべての建物を巡り両手を合わせてくるだけでもけっこうな時間がかかります。時間が無い場合は大雄殿、極楽殿、毘盧殿を中心に回るくらいでもいいかもしれません。仏国寺を出たら石窟庵まで足を伸ばす方がほとんどではないかと思います。石窟庵行きのシャトルバスは仏国寺の駐車場から1時間間隔で毎時40分に出発しています。この時間にうまく合わせて仏国寺の観光をすると時間を有効に活用できます。

ほとんどの観光客が仏国寺を訪れるというように、やはり仏国寺は慶州の見所の中でも特別な存在であるといえます。6つの国宝を始め、観覧できる文化財の数からも統一新羅が生んだ文化の粋を存分に味わえる場所です。極楽浄土に渡り、韓国が誇る世界の宝を見る。ここ慶州でしかできないことです。以上、ナビでした。

記事登録日:2017-10-26

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2017-10-26

スポット更新日:2012-02-01

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