韓国小学校事情

ピカピカの海江小学校1年生! その2―学校生活スタート

前回その1で無事3月2日に海江小学校に入学を果たしたナビ長男。毎日毎日新しいことだらけではありましたが、なんとかこの1ヶ月を過ごしてまいりました。同じ幼稚園のお母さん達、マンションの近所の人やらにお世話になりながら。さて、韓国と言えば、大学入試の日にはお母さん達が試験会場の門の前でお祈りをする姿が日本でもニュースで取り上げられる程、教育熱の高さで有名ですよね。ただでさえそんな教育熱の高いこの国で、実は海江小学校は釜山でも屈指の教育熱心なお母さん達が集まるホットな学区なんです。法的には禁止されていますが、チマッバラムと呼ばれるいわゆるお母さん達から先生への“袖の下”攻撃が激しいのでも有名な海江小学校。普通の小学校に比べてゼロの数が一つ多いのだとかなんだとか。他にも小学校に入る前に九九段は暗記しておかないと授業についていけないだとか、いきなりピアノが弾けないと音楽の成績がゼロになるとか、縄跳びで体育の点数がつくとか、様々な海江小学校にまつわる怪談、いや噂話を聞かされていたナビ。まだその真相は解明されてはいませんが、とりあえずは“生の”、韓国の小学校体験談をナビ長男を通して記して行きたいと思います。
まずはカバン。韓国にはランドセルはないので皆自由なカバンを持っていきます。主流はリュック型。右の手提げは上履き入れ。カバンに上履き入れポケットがついているタイプのものもあるそうですが、上履き入れは毎日持って通うものではないので分かれている方が良い、というのが経験者の意見。
じゃーん、これが頂いた様々な準備物。上段から、絵の具セット、楽器セット(トライアングル&タンバリン)、筆箱、鉛筆消しゴム、スケッチブックにノート各種、折り紙、糊、ハサミ、虫眼鏡、クレヨン、色鉛筆、サインペン!どれもこれも、すぐには使わなくても、必ず必要になるものだから早く準備しておいても無駄にはならないよ、とのことでした。
ノート各種の中で取りあえず最初の1週間で使ったもの二つ。B5ノートサイズの自由帳(ジョンハプジャン)と、連絡帳。
2月24日に届いた入学案内一式に同封されていた学級通信にも、一週間の予定表と共にその日その日必要なものが書いてあったので、そのつど揃えても遅くはないでしょう。
入学式の次の日、授業一日目に持っていったもの。うわばき、色鉛筆、水筒、お箸、歯ブラシの5点でした。所持品には全て学年、クラス、番号、名前を記入です。
一年生の教科書『私達は一年生』。最初の1ヶ月は読み書きや算数の勉強はせず、この教科書を使って基本的な学校生活について学びます。内容は、鉛筆の持ち方やら、挨拶の仕方、トイレの使い方などなどでした。
ナビ長男の話によると、ある日は小学校6年生の先輩達と一緒に学校内を探検したり、ある日は自由帳にページのシールを貼る作業をしたり、そんな風に過ごしているみたいです。授業は午前9時からスタートですが、登校は8時40分まで。12時20分まで一コマ40分、10分休憩と2時間目3時間目の間は20分休みがあり午前中は4コマの授業。授業の後、給食を食べて終了です。韓国の小学校では一年生は、“バダスギ”という口頭で言われた言葉を文字にする練習やテストが沢山行われるのは有名な話。もちろん最初はハングル文字の基礎から教えてくれるそうですが、殆どの子供が小学校入学前にかなりのレベルで読み書きが出来るようになっているというのが現実。ナビ長男も、ヌンノッピという家庭学習を2年近く受け、周りの子に合わせてハングルも習得してから入学しました。この1ヶ月ではまだバダスギはやらないそうですが、毎日持って帰ってくる連絡帳には先生が口頭で言ったらしい連絡事項がナビ長男によって書きとめられていました。「字を書けない子はどうするの?」と聞くと、「字を書けない子はいなかったよ」とのこと。

登下校

日本では確か“集団登校”をしていましたよね。そして一年生はランドセルに黄色いカバーをつけて。最初のうちは道路を渡るところでは保護者が黄色い旗を持っての交通指導。韓国はというと、集団登校という制度はなく、一年生の場合多くは保護者が子供を学校まで送って行きます。海江小学校は学区が広く、現にナビの家からは子供の足では徒歩15分はかかってしまう距離。そんなこともあって、登下校の時間になると学校の前は送迎の車で一杯になります。
路肩に一時駐車してあるのは全部送迎の車帰りは先生が校門まで子供達を引率して、一人一人保護者に引き渡してくれます。保護者が向かえに来てない子供達はそのまま校庭で遊んで待ちます。
学校の終わる時間に校門の前で待つ保護者達けれども毎日朝昼と子供を送り迎えするのは結構きつい。かと言って、小学校1年生を一人で15分もかかる距離を歩かせるのは危険が多すぎ。そんな時便利なのが、私営の送迎バス。
一ヶ月往復40000Wで家の前から学校まで子供達を送り迎えしてくれます。塾に通うと、授業の後学校の前まで塾のバスが来て、塾で勉強した後は家まで送ってくれ、さらには朝も学校まで送迎してくれる、というシステムが韓国にはあります。塾に通っていなくても、こういった各種塾のバスとも提携した送迎だけのサービスもあるので、朝も帰りも数分置きにバスがどんどん来て安全に学校まで届けてくれます。ナビ長男は初めの一週間だけはナビが学校まで送り迎えし、2週目からは行きのみこの送迎バスを利用しています。

給食、掃除

給食のメニュー
給食はなんと入学式の翌日からありました。メニューは当然韓国料理で、ご飯とスープ、そしておかずが数品、それにキムチは基本で出てくるようです。海江小学校は給食室が学校についていて、出来立てが生徒達に運ばれて来るみたいです。ナビ長男に給食の感想を聞くと、とっても美味しかったそうです!
韓国では小学校1年生は給食の配膳や放課後の掃除などをまだきちんとできないので、お母さん達がボランティアで出向いて手伝う、というのが習慣になっています。ただ、最近は老人の雇用を補うため、学校が給食の配膳や掃除をするおばあさんを雇うところが多いそうです。海江小学校もそのような話を聞きましたが、まだ始まって間もないシステムだそうで契約が上手く結ばれていなかったとかなんとかで、結局3月一杯はお母さん達が手伝いに行っていました。こういう行き当たりばったりさがなんとも韓国っぽいのですが。ナビは仕事の都合で全てが終わった1時に学校に出向いていたので、掃除の終わりかけにちょこっと仕上げを手伝う程度でお茶を濁していましたが・・。

学校の施設

さて、海江小学校は良い学校、と言われていますが、何が良いってまず施設がすばらしいというのがあります。現在韓国では公立小学校の設備にかなりの税金が投入されていて、多くの学校が冷暖房完備はもちろんのことそれなりに良い施設を持っているとのことなのですが。
最近はどこの学校もPCとモニターが各教室にあります。

最近はどこの学校もPCとモニターが各教室にあります。

体によさそうな椅子

体によさそうな椅子

ロッカー

ロッカー

下駄箱は各教室の前に

下駄箱は各教室の前に

広い校庭が二つもあります。安全を考えて、ボール遊びなどをする高学年用の校庭と、低学年用の校庭に分かれています。 広い校庭が二つもあります。安全を考えて、ボール遊びなどをする高学年用の校庭と、低学年用の校庭に分かれています。

広い校庭が二つもあります。安全を考えて、ボール遊びなどをする高学年用の校庭と、低学年用の校庭に分かれています。

学校の各所に英語がちりばめられています。

学校の各所に英語がちりばめられています。

海江小学校が賞を取った得点の一つがこの“夢見る図書館”なんだそうです。

海江小学校が賞を取った得点の一つがこの“夢見る図書館”なんだそうです。

韓国小学校事情 釜山小学校 海江小学校韓国小学校
清潔なトイレ。もちろん洋式

清潔なトイレ。もちろん洋式

各所に給水器があります

各所に給水器があります

エレベーター

エレベーター

入学式も行われた広い講堂

入学式も行われた広い講堂

いかがでしたか?韓国の小学校の様子。教育熱心な韓国のお母さんに育てられた子供達の間でナビ長男は一体上手くやっていけるのか、それよりもナビ自身韓国のお母さん達と上手く付き合っていけるかしら、と入学前から心配もしていたものでしたが、思ったよりもなんてこともなく1ヶ月は過ぎました。さてさて、前回その1で予告していた‘放課後授業’についてですが、今回もまた長くなってしまったので、次回また学校について書くことがあったら書きたいと思います。お楽しみに~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2011-04-25

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