韓国の「牛相撲」を見てきました!

~闘牛以外にもこんなイベントが・・・~ 

こんにちは。「闘牛」と聞くと皆さんはどんなものを想像しますか。私はやはりスペインで盛んな「 牛 VS 人 」で、マタドールが赤い布をはためかせて牛を刺激する、というものです。しかし、私が韓国でみた闘牛はちょっと違いました。「 牛 VS 人 」ではなく、「 牛 VS 牛 」だったのです。一般的に言うと韓国から闘牛は連想しにくいと思いますが、今回はその意外な韓国の一面をご紹介します。
私が小学生の甥っ子に強くせがまれて他の親戚と一緒に行ったのは「牛相撲(←韓国語直訳)」、つまり闘牛でした。釜山から西へ車で約1時間半のキョンサンナムドチンジュシ慶尚南道晋州市にその闘牛場がありました。入り口でパンフレットと「幸運券」というのをもらい会場へ。ちなみに入場料は無料でした。パンフレットにはこの闘牛の歴史や闘牛で牛が使う技(!)の紹介がありました。このパンフレットによるとこの闘牛は1年に1~2回行われており、今年で115回目だそうです。今年の大会は、2008年10月2日から7日までの6日間行われていました。
会場に入ると観客でいっぱいでしたが、その年齢層は年配の方や子供連れが多く、若い人はあまり見かけませんでした。牛はからだが茶色い毛で覆われていて、体の側面にはなんとペンキか何かで体に直接名前が書かれていました。会場の外には紐でつながれた牛と牛を運ぶ檻型のトラックが並んでおり、牛を乗せた風景を見ると、日本人ならきっと「ドナドナドナド~ナ~」と歌いたくなるだろうなぁと思いました。試合の時間になると牛は外から会場内に連れてこられます。会場の地面は土で覆われており、司会者が牛を紹介してから試合スタートです。しかし、そこは人間ではなく牛の試合。司会者が牛を紹介して「スタート!」という前に牛同士がさきに試合を始め、勝負が決まってしまう場面もあり、観客はそんなハプニングに大喜びでした。試合が始まると、試合会場内には牛2頭とその飼い主(?)らしき人が1人ずつ、そして審判らしき人が1人入っていました。
試合はトーナメント方式で行われるようで、会場の外には大きな紙に組み合わせが書いてありました。また、会場内にはスクリーンも設置されており、試合の様子を大きい映像で見ることもできます。そして会場内には「牛相撲」と韓国語で書かれた旗があちこちに立っており、試合の雰囲気を盛り上げていました。もう10月とはいえまだ日差しが強かったためか、厚紙で作った帽子も無料で配られていました(色はオレンジ、黒、青でした)。
ところで、闘牛ではなく野球やサッカーの試合を見るなら、テレビ放送や選手の紹介などがあり、日ごろから試合や選手、チームの特徴を知ることができます。しかし日ごろからテレビなどで親しみのない闘牛を見ると1試合目、2試合目はその迫力と珍しさでかなり楽しめます。しかしそうではない観客がいるためか、またはトーナメント方式のため牛を少しでも休ませるためか、合間合間にイベントがありました。
そのイベントの1つが入場の際もらった「幸運券」でした。この「幸運券」には、「晋州全国民族牛相撲大会」と書かれており、その下に赤い字で番号が書かれています。そのさらに下には「景品」とあり、「子牛2頭」「自転車30台」「米(←多分5キロくらい)125袋」「扇風機15台」とありました。  司会者が箱の中から番号が書かれた紙を引き、その番号が書かれた「幸運券」を持っている人が景品をもらえる、というものでした。 私は「もらうなら米かな?!」「子牛が当たったらどうしよう…」と思いましたが、残念ながら結局なにも当たらず「幸運券」は記念に持ち帰りました。
ほかにも会場の外にはお腹がすいた人のために屋台が2,3箇所出ており、韓国式のおでん、焼き鳥、ラーメンなどの軽食や、コーヒーやジュースなどの飲み物が売られていました。屋台だけではなく、食堂もあったり、仮設のテントには万が一の時のための医療チーム、案内デスク、交通整理係り、「幸運券」配布所などがあり、さすが115回目だけあって必要なものがそろっていると思いました。
韓国の闘牛、いかがでしたか。インターネットで検索してみると正式なホームページは見つけられませんでした。しかし、このようなイベントが日本のガイドブックで紹介されてるのもいいかもしれないと思いました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-11-07

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