プサンナビのワールドカップリポート1【2002年】

韓国ついに初戦! 釜山が燃える、6月4日勝負の日

韓国vsポーランド戦
前哨戦
5月30日に開催した、ワールドカップ。韓国の初試合の日、6月4日がとうとうやってきました。ということでナビ取材チームは、生の韓国サポーターの姿をキャッチするため、釜山をかけまわって来ました。
まずは、試合前の釜山ワールドカップ競技場。試合開始は午後8時とういうにもかかわらず、お昼から赤い軍団が集まり始めていました。きっとじっとしていられないのでしょうね。
テレビカメラも、サポータの姿をとるため大忙し。
一番、大変なのは警察官かな?ご苦労様です。
まさにレッドデビルのこの女の子、ソウルから友達と応援に来た高校生。衣装も手作りだとか。テレビカメラに追いかけまくられの超人気者でした。彼女の予想は3対0で韓国勝利。

ほかにもグループでやってきた若者レッドデビルがあちらこちらに見えます。写真撮影をすると、みんな快くOK。「コーリア、ファイティング」の掛け声とともに、カシャッ。心の底から韓国の初勝利を願っているのがこっちにも伝わってくる気合いです。
おっ、こちらは韓国の今日の対戦相手、ポーランドからお越しの方です。韓国の国旗とポーランドの国旗を広げて記念写真。これこそワールドカップ、平和な感じです。
お昼からこんなに張り切って、8時までスタミナが持つのかと心配になってしまった、ナビ。でも、どうやら韓国サポーターは、今日一日中このハイテンションで突っ走っていく勢いです。以上、試合前のワールドカップ競技場からプサンナビのユカユカがお伝えしました。


そして決戦
こちら海雲台ビーチに設置されている大型スクリーンに向かう道はいつもより赤が目立つような、そう思いながら重い足をひきずるナビ。なぜ足が重いのかというと、サッカーに関する知識がほぼ無に等しいことに…たった今気がついたからです。サッカーといえば
? ボールが白と黒
? フェイスペインティング
? ユニホームは赤か青が多い
? なんたってフーリガン
ま、4つもキーワードを持っててまんざらでもないかと思ってたら、?は全然違う物に変身してました。ボールのくせに「フィーバーノバ」という外人のような名前がついていて、色も白黒じゃなくなってました。?に関しては、韓国でも親子で、仲間同士で、恋人同士でとなかなかおしゃれにきめていて、ナビも一度はしてみたいところです。?たぶん日本チームのユニホームが青で韓国チームのユニホームは赤なんでしょ…??日本人以外はみなフーリガン(たまに日本人の参加もあり)
マリオットホテル前

マリオットホテル前

ポーランドチームのサポーター達

ポーランドチームのサポーター達

韓国チームのサポーター

韓国チームのサポーター

この日は海雲台ビーチは濃い霧につつまれて50m先も見えない程。でもスクリーンに近づいているのは歓声で分かります。次第に人が増え始め、声援や歌など四方から聞こえてくるようになり、気がつけば前にも後ろにも進めない、もし、逆流しようものならフーリガンに殴られるんじゃないかというほどの人ごみです。どこからこんなに沸いてくるのか知りませんが、そういってしまえば結局ナビもどっかから沸いているので同類でした。ナビは息もからがらこの人ごみを抜け(多分空を飛ぶか、砂に潜るかして逃げだしたのでしょう)、あらためてその場を観察するのでした。

まずスクリーンの前は韓国人が圧倒的大多数。予想外に何人だかしらないけど明らかに外人(白人、黒人)が3割ほど。ルックスは、帽子で注目を引くのが特徴の外国人に、韓国応援チームは「Be the Reds」と書かれた赤Tシャツと大極旗が主流のようです。なんかナビも仲間に入りたいかも、と思っていたら、バス4台に満載した警察官達が流れ込んできました。こんな光景に慣れてないナビは恐怖心が一気に上昇。なんか起こったのかと思ったけど特にはなんにもなかったみたい。でも油断大敵、こんだけ人がいればフーリガン、またはフーリガン予備軍がきっといるはずです。ナビは鋭く視線を光らせながら観察を続けます。いきなり大歓声が聞こえて、「てーはんみんっぐっ(大韓民国)、ちゃっ、っちゃっ、ちゃっ、ちゃっ」の大合唱。

きっと韓国チームがゴールをきめたのでしょう。この時ナビは何をしていたかというと、群集にはじき出され、しかたなくナイスショットをとるべく場所を探し、彷徨っていたのでした。ゴールの瞬間を見れなかったなんて実に惜しい、次はきっと逃さない!と心に誓い、新しい居場所を探すと、あったー!これはナイスなポイントだ、高いからスクリーンも人もよくみれる公衆トイレの屋根の上。でもそこにはすでに何人もの人が上っていた為、警察官が下で登る人を制しています。ナビも警察官に登って写真を撮りたい旨を伝えるとダメだの一点張り。「でも上がってる人いるじゃん?それにナビは窓からトイレを覗いたりしないよ。」「上がっている人はもうしょうがない、女がトイレを覗いてどうする?」と、これってちょっと不公平じゃないですか?
公衆電話とトイレの上にも人が。

二度目のゴールが決まった瞬間、会場はもう爆発寸前。幸いに爆発することはなく、代わりに花火が打ち上げられ、たまたま真下に居合わせたナビはありがたく花火のカスを被ることで喜びを分かちあうのでした。
結果2-0で勝った韓国チームのサポーターたちは、皆いっせいにお祭り騒ぎ始めるんだろーと思ってましたが、意外にも急ぎ足で会場を後にしています。これはきっと「人が多くてバスに乗り損ねる、道が混む」ことを懸念しての行動でしょう。一部その場に残り、歌ったり、叫んだり、飲んだり、吐いたりをしている人々もいたようです。ナビが会場を遠く離れても、車のクラクションが「てーはんみんっぐっ、ちゃっ、っちゃっ、ちゃっ、ちゃっ」を歌い続けるのでした。以上、海雲台ビーチからプサンナビのケグリが試合終了までをお伝えしました。
祭りの後に
6月4日、韓国vsポーランド戦で、韓国が2対0で勝利をおさめた夜、西面(ソミョン)と海雲台(ヘウンデ)などプサンの繁華街では太極旗の大波が。プサンナビも西面の通りを走り回る赤い悪魔たち(レッドデビルズ)とともに駆けめぐってみましょう。
さあ、試合が終わった直後から始まったお祝いパレードは深夜3時をすぎても終わる気配を見せず、荒々しい波のように押し寄せてきます。西面の通りを走るすべての車に、太極旗がはためき、全国民が赤い悪魔に変貌そして、大絶叫。ブラジルとの試合では惜しくもやぶれたトルコの国民も、韓国の勝利を祝い、いっしょになって「大韓民国」の大合唱。
この夜の太極旗は空ではためくためにあるのではありません。赤い悪魔たちの胸ではためき、手や腰にスカートのように巻きついて人々と一体になるためにあるんです。今日の勝利、プサンナビのポムナルも、韓国人としてとってもとってもうれしかったです。
西面の通りのあちこちで勝利を祝う放送が流れて来て、試合を再放送する店の前ではふたたび赤い悪魔たちの応援合戦が開始。
トラックまで動員した祝賀パレードが道路を占領し、練り歩く赤い悪魔たちはもう誰も止められません。普段なら夜中でも、車でいっぱいの西面ロータリーまでも走り回ってしまうパレードは、まさに感動そのもの。暑さしのぎにまいた水も、レッドでビルにとっては起爆剤の効果あり。
明日の出勤を考えて午前3時に撮影を終了したナビをのぞいては、パレードは乱れることなく継続、朝まで続いたそうです。
2002 KOREA-JAPAN WORLDCUP ファイティング


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-06-04

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