第12回釜山国際映画祭・部門別注目作品

部門別に注目作品をチェック~!日本からは釜山で撮影した木村拓哉主演の「HERO」も招待!!

アンニョンハセヨ、プサンナビです。先週、第12回釜山国際映画祭の詳細が発表され、プサンナビでもその詳細を発表しましたがいかがでしたか?今年はどんな映画が釜山で上映されるのか?あ~これ見たかった!などなど日本で公開されない世界各国の作品も釜山で見ることが可能。また、今年(2007年)春に釜山で撮影が行われ、イ・ビョンホンと木村拓哉の共演で話題になっていた映画版「HERO」も釜山国際映画祭に招待されるなど、話題の作品も続々釜山にやってきます!ということで、今年はどんな作品が映画祭で上映されるのか、部門別に注目作品をピックアップしてご紹介しましょう。来週から始まるチケット予約を前に、見たい映画をチョイスしてみてください。
11部門に分かれた多様な275作品
今回上映される作品は、世界64カ国から集められた275作品。そのうちワールドプレミアが66作品、インターナショナルプレミアが26作品、アジアで初お目見えされるアジアプレミアが100作品となっています。去年よりもさらに釜山国際映画祭で初めて公開される作品が増えています。今年は、Gala Presentationという部門が一つ増え、各作品は11部門に分けられていますので、部門別に注目作品を紹介したいと思います。
<Gala Presentation>
今年、新しくできた部門がこちら「Gala Presentation」。全部で4つの作品がエントリー。Hou Hsiao-Hsien監督の「Flight of the Red Balloon」。監督初のフランスと台湾合同映画で、アジアの巨匠とフランスを代表する女優Juliette Binocheとの作品という点で全世界から注目を浴びています。また、Royston監督の「881」は、釜山国際映画祭でインターナショナルプレミアとして紹介される作品で、シンガポールでは珍しく音楽映画になっています。他の2作品は韓国映画がエントリー。イ・ミョンセ監督の「M」には、日本でも人気の高いカン・ドンウォンが主演。もう一つは「Beyond the Years」という作品で、イム・グォンテク監督100本目の映画。
「Flight of the Red Balloon」
監督:Hou Hsiao-Hsien(フランス・台湾)
パリの美術館が開館 20周年を記念して、世界の著名監督たちに演出・製作を依頼して製作した初めての作品。

ストーリーは・・・
声優であるスザンと彼女の幼い息子シモング, そしてバイトでシモングの面倒を見る台湾留学生ソングパングの日常を描いた作品。

<A Window on Asian Cinema>
世界11ヶ国から38作品がエントリー。そのうち7つがワールドプレミア、4つがインターナショナルプレミアのフィルムで構成され、毎年、発展していくアジアの映画界の成長がうかがえる部門になっています。日本勢はロカルノ国際映画祭でグランプリを受賞した小林政弘監督の「愛の予感」、セカチューで人気を博した行定勲監督の新作「遠くの空に消えた」、青山真治監督、朝野忠信主演の「サッド ヴァケイション」などがお目見え。
「Into The Faraway Sky」
監督:行定勲(日本)
話題をさらった「世界の中心で愛をさけぶ」、「春の雪」とヒット作を飛ばす監督の新作がこちら。行定勲監督が7年間温め続けたオリジナル脚本を映画化。信じることを恐れ、夢見ることを諦めてしまった大人達に贈る感動のファンタジー大作です。

ストーリーは・・・
空港の建設計画によって存続が危ぶまれる馬酔村。転校生の亮介(神木隆之介)はふとしたことから地元の悪ガキ・公平(ささの友間)、不思議な少女・ヒハル(大後寿々花)と仲良くなる。3人にとって友情の証はヒハルの夢を信じること。空港建設を巡っての大人たちの争いが激しさを増す中で、少年たちは“史上最大のいたずら”を決行し・・・。

<New Currents>
7カ国から11つのinvitationalフィルムが今年のNew Currents部門で紹介されます。 特に、今年のNew Currentsは、アジアフィルムの新しい発見をする機会となるでしょう。
「Life Track」
監督:キム・ガァンホ(韓国・中国)
在中韓国人監督のキム・ガァンホ監督による作品で、ワールドミレミアとして映画祭で発表、監督デビュー作でもあります。

ストーリーは・・・
内容は身体的にも精神的にも恵まれない体で生まれたある男と恋人との話をつづった作品。

<Korean Cinema Today>
「Korean Cinema Today」は、PANORAMA10作品とVISION7作品からなる部門。カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得した作品「Secret Sunshine(ミリャン)」もこちらで登場。また、映画「血と骨」などで知られる日本で活躍している崔洋一監督が始めて韓国で製作した作品「Soo」もお目見え。
「Secret Sunshine」
監督:イ・チャンドン(韓国)
2002年に「オアシス」でベニス映画祭の監督賞を受賞。また「ペパーミントキャンディー」でもお馴染みのイ・チャンドン監督作品。また先日のカンヌ映画祭では、この作品で主演のチョン・ドヨンが最優秀女優賞を獲得、国内外で注目された映画でもあり。

ストーリーは・・・
死別した旦那の故郷「ミリャン」で生活することを決め、ピアノ教室を開き新しい生活をスタートさせるが、息子が事故にあい・・・と様々なことがおきる。映画の舞台になったミリャンは、釜山から車で1時間ほどのところにある田舎町というところにも注目です。

<Korean Cinema Retrospective>
今年の韓国のFilm Retrospectiveの主人公は俳優キム・スンホ。50~60年代に韓国映画界に君臨していた俳優。彼は「父の顔」として過去の傷跡と未来の悲哀を含んだ様々な家庭ドラマで人気を獲得。彼が出演する作品8つと登録文化財に指定された映画7本がエントリー。

<World Cinema>
今年のWorld Cinemaの特徴は、映画産業的にも芸術的にも優れた世界各国の優れた作品を紹介。フランス、ドイツ、イギリス、イタリアなどの伝統的な主要映画の新作を紹介するともに、スロベニア、ボスニア・ヘルツゴビナ、セルビア、ルーマニア、イスラエル、メキシコなどなじみのない国からの作品も紹介します。
「4 Months, 3 Weeks and 2 Days」
監督:Cristian Mungiu(ルーマニア)
先日のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した作品がこちら。アジアで公開されるのは釜山映画祭が初めてという作品。内容は共産主義時代の秘密警察の不条理を扱ったルーマニア映画の作品。

<Wide Angle>
今年の「Wide Angle」は、去年から始まったアジアドキュメンタリーネットワーク(AND)で支援した作品が完成し、ワールド、インターナショナルプレミアとして、紹介される作品が多いことに注目。釜山国際映画祭がアジア映画界の成長のために支援をして、成果を収め始めていることが垣間見られる部門。

ANDから支援を受けて作られた作品5つ
・ 「Bingai」
監督:Yan Fend(中国) 
ダムの建設で移住を強要されているが、拒否し続けるある女性農民の話.
・ 「Yasukuni」
監督:Ll Ying(日本・中国) 
国内外で論議が交わされている靖国神社についてのいくつかのドキュメンタリー。
・ 「At Journey”s Head」
監督:Chao Gan(中国) 
主人公ビンは家族が瓦解すると離婚の原因を調べ始め、両親の故郷に旅にでるが・・・。
・ 「Hope Dies Last in War」
監督:Supriyo Sen(インド) 
1971年インドとパキスタンの戦争以後も抑留されている54人の捕虜のドキュメンタリー。
・ 「Invisible City」
監督:Pin Pin Tan(シンガポール) 
監督がシンガポール市民にインタビューを通して、個人がもつ記憶、歴史について問う。  

<Open Cinema>
今年のOpen Cinemaは例年に比べてアジア映画が増加し、日本勢は釜山で撮影されたことでも話題になっている木村拓哉主演の映画「HERO」、また行定勲監督の最新作「Closed Note」、今年の夏日本で公開された小島正幸監督の「The Piano Forest(ピアノの森)」などがエントリー。
「HERO」
監督:鈴木雅之(日本)
日本では一足早い9月から公開された「HERO」が海外メディアにお披露目するワールドプレミアとして招待されました。皆さんご存知、フジテレビで人気のドラマが映画になって帰ってきた作品がこちら。釜山でも撮影され、キムタクとイ・ビョンホンの共演ということで話題になっている作品。

<Flash Forward>
‘これから起きる場面’を意味する映画用語の部門がこちら。釜山国際映画祭の多くの部門の中で一番未来志向的な性格の部門になるこの部門は、総 11編を上映します。この部門では新しい映画人たちを掘り出し、新しい映画世代と真剣に論じようということで、多様な国, 多様な新人たちの最初の作品、あるいは2番目の作品を紹介します。
「Munyurangabo」
監督:Lee Isaac CHUNG(ルワンダ、アメリカ、香港、中国)
製作費用3万ドルという超低予算映画。種族間の無残な大虐殺で苦しむルワンダを背景に展開する2人の友達の話。

<Midnight Passion>
今年で2回目を迎えるこちらの「Midnight Passion」部門では、12カ国からエントリーされた多様なジャンルの作品を見ることができます。去年との違いとしては、今年は大衆的な作品が主に選定されたこと。国内外でよく知られたTsui Hark監督の作品もありますが、上映作品の大部分が自国以外に知られていない監督の作品になっています。
「Dai nippinjin(大日本人)」
監督:松本人志(日本)
日本でも今年夏前に公開になった話題の「大日本人」が釜山映画祭でも紹介されることに。韓国の人たちの反応を見てみる、なんていうおもしろい映画鑑賞の仕方もできそうですね。

ストーリーは・・・
いつもぼろぼろな服装と毎日同じようなうどんで食事を済ますMasaru。彼の一日の生活は貧しくてしょうがないが、電気衝撃を受けて巨大なスーパーヒーローに変身。 悪党を退ける任務が与えられ・・・。

<Special Program>
今回の「Special Program」は3つのセクションから成り立っています。一つ目は、多言語文化のマレーシアで最近、新しい映画世代が出現し、マレーシア社会の特徴を反映しながら多言語を使って映画をつくり、話題になっているというマレーシア映画事情について。そして2つ目は、 <アジア作家映画の新しい指導を描くこと>。海外に広く知られていないアジア各国の監督たちを発掘し, 彼らの映画を紹介していこうというもの。今回選ばれたのはイランのダリウスメフルジ監督で、5本の作品が紹介されます。そして3つ目は、去る6月に享年 60歳で生を終えた巨匠 故Edward YANG監督を追慕するための特別展です。

これが見たかったけど、まだ日本で公開されてなくて~なんて作品もかなり多いので、映画ファンの方は必見ですよ~。また、お気に入りの俳優や監督さんの作品などもしっかりチェックして、来週のチケット予約発売には、ぜひ見たい映画のチケットをゲットしてくださいね~^^以上、プサンナビがお送りしました。

その他情報

*写真は主催者よりご提供いただきました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-09-12

ページTOPへ▲

その他の記事を見る