雁鴨池(臨海殿址)(慶州)

アナプチ안압지

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半島統一を喜ぶ仙界を模した華麗な宮殿跡

アンニョンハセヨ、ナビです。慶州駅から慶州国立博物館に向かうバス通り沿いに、それはそれは見事な庭園が設けられています。広大な敷地にひろがる大きな池。池の中には大小3つの小島が浮かび、絶妙の配置で草木が植えられています。ここはかつて新羅の王侯貴族が船を浮かべて遊んだ場所。雁鴨池(アナッチ)という名前で広く知られておりますが、その昔は月池(ウォルチ)と呼ばれておりました。新羅の風流を感じさせてくれる風光明媚な場所であります。
統一を祝して建設された贅沢な宮殿
雁鴨池が誕生したのは674(文武王14)年のこと。百済、高句麗を滅ぼし、領土を広げる過程で手に入れた多くの財産を費やして建設されました。場所的にはかつて王城のあった半月城(パヌォルソン)の東。現在はその城跡からバス通りを越えた先に位置しています。現在は3つの建物が復元されていますが、あくまでも推測に基づいて建てられたもので、当時の正しい姿はまだよくわかっていません。1970年代に行われた発掘調査によって、だいぶ当時の姿を知ることができましたが、まだまだわからないことも多いのが事実です。
雁鴨池の由来
雁鴨池とは池そのものを指す名前であり、総称としては臨海殿(イメジョン)と呼ばれました。現在でも案内板には雁鴨池に加え臨海殿址の文字が並んでいます。雁鴨池という名前も後世つけられたもので、当時は月池と呼ばれていました。935年の新羅滅亡によって艶やかだった宮殿も破壊され、美術品などもすべて池に放り込まれました。後は荒廃の一途を辿るのみ。荒れた池は雁や鴨など水鳥たちの遊び場と化し、それを見た朝鮮時代の詩家によって雁鴨池と名付けられました。

雁鴨池の美しさの秘密に迫る
雁鴨池の景色を見ていると思わず時間を忘れます。池のどこから見てもため息が出るほど美しい眺めです。実はこの雁鴨池の美しさ。絶妙なる計算に基づいて人為的に作られたものだというから驚きです。
雁鴨池は入口側が南になります。池を見ると北側、東側は池の淵が大きく屈曲しており、対照的に南側、西側は建物が配置され直線的なラインで結ばれています。さらに淵のあちこちを突出させてあるので、池のどこから見ても全体の姿を見渡せないつくりになっています。臨海殿という名前が指し示すように、海を臨むかのようにどこまでも果てしない景色を作ろうと工夫されたのだと考えられています。
3つの島と12の小山
雁鴨池には大小3つの島が浮かべられており、北側、東側の岸には12の小山が築かれています。これは道家の思想に基づいたもので、不老不死の仙人が住む三神山と、仙女の住む巫山十二峰をイメージしています。草花を植え、珍しい動物を放し、仙界のように作られたのが雁鴨池です。
出水・入水施設
入口を抜けてすぐ右手に歩いていくと、水が階段状に流れていくような水溝跡があります。これは近くの川から雁鴨池へと連結する入水施設です。上段の水槽には龍の頭を模した飾りが置かれていました。龍の飾りは失われてしまい、現在は設置した跡だけが残っています。龍の口から水が流れ、滝となって池に落ちる。さぞかし美しい眺めだったことでしょう。池の反対側には出水施設があり、そこで池の水位を調節しました。
出土品を慶州国立博物館で見よう
1970年代に大々的な発掘調査をしたときに、雁鴨池の中から膨大な量の遺物が出土しました。3万余点にものぼる出土品のうち700点ほどが国立博物館内にある雁鴨池館という別館で公開されています。雁鴨池から博物館までは200mほどの距離。雁鴨池を見た後に博物館を訪れてみるのもよいでしょう。
雁鴨池を訪れる元気な修学旅行生たち
ナビが取材で訪れた10月は修学旅行シーズン真っ盛り。観光バスを連ねてやってきた小学生たちが先生の引率でわいわいと雁鴨池を見学していました。学習のしおりを片手に元気に走り回る小学生たちが、集合写真を撮ったり、座って先生の話に耳を傾けたり。かと思えば先生の話そっちのけで遊び回る小学生もいます。落ちていたペットボトルでサッカーを始めた男の子たちはしっかり先生に怒られていました。
「ようし、じゃあ次は博物館を見学しにいくぞ。みんな並んで!」
「うえー。まだ歩くのかよ。もう疲れたよお。」
「そんなこと言わない。さあ、並んだ並んだ。」
先生と小学生の会話に思わず笑ってしまいました。どこの国でも修学旅行の風景は似たようなものなのでしょう。子供たちのあふれんばかりのパワーに気圧されつつ。以上、ナビがお伝えしました。

記事登録日:2002-11-05

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関連タグ: 宮殿跡 庭園 月池

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2002-11-05

スポット更新日:2012-06-18

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