旧正月、韓国人の過ごし方

お墓参りに法事(チェサ)にセベ・・・韓国のお正月、韓国の人はどうやって過ごすの?


アンニョンハセヨ、ナビです。新年が始まってだいたい一ヶ月、韓国ではお正月のイベント、旧正月が始まります。旧正月は陰暦を使う民族の伝統的な行事として、日本のお盆にあたる秋夕(チュソク)と並ぶ韓国の2大名節!ちなみに陽暦の一月一日を「新正(シンジョン)」、それに対して陰暦の一月一日を「旧正(クジョン)」と呼びます。今日はナビが韓国のお正月、旧正月の様子を、チェサ(法事)と墓参りを中心に紹介しちゃいますよ!

お墓参り、先祖の恩恵に感謝しよう

韓国では名節になると、チェサ(法事)とお墓参りをします。お墓参りはチェサのあとに行ったり、チェサの一日前に行ったりします。このように先祖に挨拶をするのが韓国の旧正月や秋夕の一般的な光景。また韓国では納骨堂より共同墓地を好む傾向があるのが特徴。共同墓地の入口付近にはお花屋さんも多いのですが、こうした献花の風習はヨーロッパからはいってきたようです。
先祖のお墓にやってきたら、まずお墓をきれいに掃除し、準備してきた食べ物などを並べます。そして先祖の恩恵に感謝しお辞儀をします。新年が来たことを伝え、これからも見守ってくださるように、お辞儀を2回します。韓国では生きている人には1回、亡くなった人には2回お辞儀するそう。挨拶の前に注いだお酒は、次の人にかわるときにお墓の周りにかけます。韓国の伝統行事にはまだまだ男尊女卑の傾向が多く見られます。お辞儀の順番も女性は男性のあと。お母さんでさえ息子よりもあとなのが韓国の風習。墓参りが終わると、持ってきた食べ物を家族で食べ、先祖に感謝の意を表します。

法事の準備は大忙し!

墓参りから帰ると、新年の朝には家で先祖供養のためのチェサ(法事)を行います。先祖の霊を子孫の家に招待するという意味を込め、チェサをするときには家の入口を少し開けておくとか。前日に真心込めて準備した食べ物を祭器に山盛りにし、ひとつずつ並べていきます。屏風で仕切った中でテーブルに並べていくのですが、このとき北の方角に向けて準備します。日本でも北枕というように、韓国でも北は亡くなった人の方角といわれていて、屏風の前に座った先祖が子孫からの礼を受けると考えられています。
たくさんの料理が並べられたテーブルで目を引くのが果物。器に盛られた果物はすべて上部を切った状態にします。これは先祖が食べやすいようにとの配慮とか。また並べるときは「紅東白西(赤い果物は東側に、白いものは西側に)」という決まりも。ちなみに、名節行事のときの食べ物には韓国料理といえども粉唐辛子やニンニクを全く使われていないんです!これは赤い色は霊を追い払うと通念に基づくものとか。全部並べ終わると、お酒を2杯注いだあと2回ずつお辞儀をします。そして箸を違う料理へ移動して、また違う器にお酒を注いでお辞儀を繰り返します。こうして全ての料理に箸がいくようにするのが基本的なチェサ(法事)の儀式。男性たちの礼が終わったら、女性たちが簡単にお辞儀をして終了です。
さぁ、今度は料理を少しずつ取り出します。テーブルに並べられた料理を1種類も残さないように少しずつ取り、白い紙をひいたお盆に盛っていきます。そして、これを名節のお休みのあいだ家の前にお供えするのですが、これには先祖と一緒にやってきた身寄りのない霊たちをもてなすという意味があるそう。

歳拝(セベ)=大人たちへの新年の挨拶

亡くなった先祖に対しての新年の挨拶ともいえるチェサが終わると、今度は家族が集まって食事をします。新年の挨拶は食事の前後にするのですが、家の風習によっても異なります。まずは、両親に子どもたちが礼をします。「コンガンハセヨ(いつまでもお元気でいてくださいね)」などの言葉のあとに一度だけお辞儀をします。そして丁重に座ると大人たちが徳談、つまり新年の成功や幸福を祈る言葉を言い、お年玉をくれます。また、兄弟のように世代が同じだと、お互いにお辞儀をして徳談を交わすことで新年の挨拶とします。そのあとは、みんなでチェサの料理を囲むのが韓国のお正月の風景です。

先祖を敬うことを重要視する韓国社会を垣間見ることができる旧正月。韓国の新年を祝う行事を楽しみながら以上、プサンナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-02-07

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